蹴球放浪記

緩まない、緩ませない。
横着しない、横着を許さない。
慌てない、「だ」を込める。

機会をください。@鹿児島(其の了)

2011-07-19 23:01:51 | 舞台のこと

 どうも、「なでしこのうた」を地で行くような快進撃だった。
・・・てか、あの歌詞のとおりだからこそ、世界「から」手を差し伸べた、というか。
これから、恐ろしく厄介で、面倒なものがつきまとうだろうけれど、
「志」というやつをそういう状況でも無くさないような姿勢、態度が表現できれば。

 さて、寄り道はここまでにして本題入るか。

【6本目 劇団コスモス】

 なんか、すげぇよ。
一青窈の「もらい泣き」から「ハナミズキ」までの世界観を
ああいう形で表現できるなんて。
そこにスズメが殺されたり、なんだかんだと血なまぐさいダークな
鬼束ちひろの世界観、という隠し味が効いている。
物語の手触りは毒々しささえ感じるナチュラルではない感じ。
そういうのを表情豊かに演るものだからゾクゾクするような怖さが迫ってくる。

 ダメ男とダメ女がDVの関係で、別れたいけれど、別れられない、
お互いがお互いに依存していて、わたしが殺されるか、あなたが殺されるか、
どちらかを選択しないと救われない、それくらい狂気が充満していて、
不感症という「心の病」を受けた人の苦しみ、哀しみ、が狂気を倍増させている。
愚かさや、汚さ、という水を凍らせて、みぞれを作り、そのみぞれをうっかり食べた。
そういう見後感。

 「遊びなし」でダークな世界を「一人芝居」でここまでやれるとは、すごいもんだ。
・・・もし、5月のINDEPENDENT九州トライアルにこの演目がエントリーしていたら
いったい、どうなっていたのだろう?
もう少し「狂気」をぎりぎりのところまで「研いで」いないところから来る
若干の甘さがあったのと、ざわ感や足音を生かした「仕掛け」の処理を
INDEPENDENT向けに調整する、という作業は必要だが、出たらいい勝負。 

【7本目 Alm Dawn】

 初手から掴まれた。
マイケルジャクソンの"BLACK or WHITE"で朝起きてから着替えるまでの
ムーブマイムをひと通り作れるなんて、こういう使い方もありなんだ。
あとはある男の人の日常をマイケルジャクソンの音に乗せて
軽やかにやってのけた。
・・・このパターン、東京のピィキィ*パァクウというカンパニーが
シルク・ドゥ・ソレイユ、というものを使っておんなじように表現しているのを
去年、島根県松江の山の中で見たのです。

 その文脈からしたらフィジカルが若干甘いところがあるし、
もう少しマイケルジャクソンの「音」が身体の中から「鳴って」いたら
もっと、もっと楽しかった。
あと、全体的に身体を作っていったら更に良くなる。
「純粋」にからだで「しゃべれている」からなおさら。

 マイケルジャクソンは「魅せて好、聞かせて好」というのが胆で、
その肝もちゃんと出せていた、その隙間すきまを埋めていく
「ヘタウマ」風味のコーディネーションの曲がつい最近までは
Perfumeの「チョコレイト・ディスコ」やら「マカロニ」を使っていただろうに、
いつの間にやら少女時代やらKaraになっていた、時代の流れは激しいよのぉ。

 あと、福園さんのOL服、よく似あってますわ。

 今年は去年よりも色とりどりで、外国の方も出ていたりで
多様性、というやつがよく出ていた。
 
 多様性が出ている、ということはそれぞれのスタイルを
「許している」空気感がそこにはあって、自分はそこに安堵する。

 観ることで、観られることで初めて「鍛えられる」のだ。
「鍛えられる」からそれぞれの「化学変化」がきちんと出来ている。
こういった「野試合」はどんどんやってくれ。



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