蹴球放浪記

緩まない、緩ませない。
横着しない、横着を許さない。
慌てない、「だ」を込める。

誰も愛せなかった。

2008-07-19 21:14:00 | 文読む日々

やっとユン・チアンの「マオ」を図書館で借りて一気に読んだよ。

中身は「毛沢東秘史」という形をとっているけれど、
「人間(権力者)とは如何に薄情で、えげつなく、しかも同じ轍を踏みたがる」という
ところをこれでもか、これでもか、と書いてある。

おまけに中国、というところは今も昔もえげつないほどの混沌だらけで、
いわゆる「国共合作」もソヴィエトが裏で糸を引いていて、
(というか、国民党と共産党を両天秤にかけていたとは)
そこに毛沢東が自分のいいように状況のすべてを利用して、
国民党に「獅子身中の虫」の卵をいっぱい植えつけて、
(その象徴として「身動きの取れない蒋介石」という「旧中国」だったのかもしれない)
まんまと中国を乗っ取っちゃった。
しかも自分の手を汚さずに。

読んだあと、ああ、「勝ち組」になる、「富裕層になる」ということは「不感症」で
「人を愛せない」ことが必須の条件になってしまったか、と惨憺たる気持ちになる。

そういう人って、農業のような「地味でじっくりやる仕事」を「心から」憎み、
「人の温かさ」を徹底的に排除して、「恐怖」で支配して、「物体」にしか興味を
示さず、「見てくれ」だけにこだわり、「本質的」なことには気を配らない。
要するに「自分だけが大事」で「小心者」だということ。

もうこの「恐怖支配」は全世界で完成の域に近づいているような気がする。
でないと、世界規模の物価の急激な高騰や、格差の問題、環境問題の
根本的な原因の説明がつかない。
てか、これ、改善不可能だわ。
・・・そうなるきっかけを作った毛沢東の罪は重い。


なんとか、読み終えた。

2006-09-23 02:31:45 | 文読む日々

「あの」おはなし、当分黙ってみておこう。
・・・自分だって「先が見えない状況」になったとき、
  ああいう風に気持ちが折れそうになるわけで。
  「もうこんな思いはごめんだ」と、
  何もかも放り捨てたいときだったんだね。

さて、こないだ図書館から借りてた「失われた時を求めて」と
「ギフト・西の果ての年代記」を火曜日になんとか読み終えました。

「失われた時を求めて」の感想はと。

今、ITとか何とかで「勝ち組だぁ」とか「セレブだぁ」とかいって
いい気になってる人こそ、読んでほしい作品、と思った。
・・・待っているのは主人公とその周りに起こった「悲惨な人生」なんだよ、と。
なりたくなけりゃ、その有り余るお金を困っている他人のために使え。

「ギフト・西の果ての年代記」の感想は

さすがル・グウィン。
「特殊な力を持つものの不安」と
「不安に対して逃げずにどう折り合いをつけるか」を
うまく言葉にしている。
「力が強すぎる存在はうまく折り合いをつけていかないと他人を滅ぼす」
「しかし、折り合いをつける作業は果てしなく過酷だ」
この二つからゲド戦記よりお話の肝がさらに深くなっているよ。
・・・おい、これをSF小説なんていったらもったいないお化けが出てくるぞ。

さて、次は何を読もうかな?
ソローの「森の生活」をもう一回読もうか。

  


能田先生の新しい漫画を読んでみた。

2006-09-11 19:27:44 | 文読む日々

・・・それにしてもコミックバンチ、コンビニに最近おいてないよね。
やましたたろーの「奮闘」がやっとこさ終わったから、当分立ち読みする機会ないよね。


と思っていたらこんどはわれらが能田先生の新連載。
しかもサッカークラブもの、これは読むしかないでしょ。
・・・とにかく手にとって見る。


設定の大まかなところは「オレンジ」のフレームをそのまま流用かぁ。
(JリーグをNリーグ、JFLをAFLと読み替える、天皇杯はお正月杯?)
そこから、「ああ、流れを何もかんもぶった切ることなく、世界の広がりを
うまく表現できている」ことに感動した。


その部分に加えて、「クラブ運営の難しさ」とか「地方財政の深刻さ」という
「大人の味付け」がいい塩梅。
さあ、この主人公がいかにしてこのムーブメントを作っていって、
どれだけの人を「巻き込んでいく」のか、乞うご期待。
という出来。
また毎週末の楽しみが増えたよ・・・。

ストーリーの回しに若干気になるところはあるけれど、
(ドイツ人選手の加入云々のくだり)
まずは来週のお話の展開を見てから。


あと4巻。

2006-09-06 19:25:14 | 文読む日々

一応今日がこないだ図書館で借りた「失われた時を求めて」の返却期限。

・・・きのう何とか6巻読み終えて7巻の初めに突入。
そういった状況で残りを延長してもらう。
みんな歯ごたえのある作品には見向きもしないんだね。
というか「せれぶ」の自分とその回りしか考えていない
「いかにびっくりするような浪費をしたか」という記録の羅列に
少々食傷気味。

いったいどんな展開になるかは見当つかないが、
まあ最後まで付き合うとするか。

・・・ごめん、当分サッカーのことから離れさせて。


疲れてる。

2006-08-23 18:41:53 | 文読む日々

昨日、一通り仕事が終わって、ぐだぐたしてる。

ぐだぐだしっぱなしじゃいけないから、昼にやっと図書館行って、
「ゲド戦記」全巻借りるべぇ。と思ったらさすがに在庫がない。
しょうがないから「ゴーマニズム宣言・戦争論」借りて、
あと数冊見繕うかね。と新刊コーナーの新刊一覧を見たら、
「ゲド戦記」の作者ル・グゥインの38年ぶりの新作「ギフト」の
第一巻が入ってるんだってよ。
・・・実物なかったけど。

まあ、時期も時期だし、一丁長めで歯ごたえのある作品に取り組むか。
と選んだのがマルセル・プルーストの「失われた時を求めて」全10巻。

おかげで図書館の貸し出し冊数制限に引っかかってしまい、
泣く泣く「ゴーマニズム宣言・戦争論」二冊をあきらめてしまったが。

昼ごはんのあと早速読む。
冊数のボリュームもさることながら、一冊あたりのボリュームがすごい。
作者が触れた生活の「思い出」を隅々まで覚えていて、なおかつ描写が丁寧。
「紅茶に浸したマドレーヌ」を食べてあいまいだった記憶がよみがえる。とはすごいね。

あとはクーラーつけては消しながらひたすら寝てた・・・。
気がつけばもう夕方だ。


うーん、また図書館行き損ねた。

2006-08-22 22:46:07 | 文読む日々

・・・1969、柏相手にこないだ愛媛にやられた鬱憤晴らしやりやがる。
  逆スコア、というところがすさまじく嫌味を覚えるなぁ。

柏の今日出たGK加藤選手の弟だったっけ?
プロ野球のホークスで選手やってて、今はスコアラーという立場で
チームの「二階」で働いているんだよな。
・・・プロ野球ってよほど締めてかからないと「代わりはなんぼでもいる」ということ。
何の世界でもそうだけど、芸=特殊技能は身を助けるだな。
兄はGKという「特殊技能」があったからあちこちチームを移っても生き残れた。
弟は自分にしかない「特殊技能」を磨くことが上手にできなかった。

・・・自分は果たしてどうだろうか?

さて、映画の「ゲド戦記」の中身がなんかよくわからない。
という人があまりにも多すぎる。

本当にもったいない、お化けが化けて出てくるぞ。
というかエッセンスの抽出がよくなかったんじゃないのかな?
いろいろ見た人の話を聞いてみたら「物語の第一の肝」が伝わっていないので。

まず、このお話の「第一の肝」は
  「あらゆる事柄」には普段呼ばれている「名前」のほかに「真の名前」というのがある。
  その「真の名前」を学ぶことによって「あらゆる事柄」がもってる「本当の力」を
  自分の中に取り込むことができる。
ということ。
で、その修行をするためにゲドは「名づけの長(おさ)」と
長い時間行動をともにしないといけない。

まあ、飲み込みの早いゲドはすごいスピードで「真の名前」を学び取っていくのですが。

・・・本当の力を自分に取り込むことって、いいことばかりじゃない。
   「取り込んだ力」を「正しく使わなければ」どうなるだろうか?
結果的に「悪いエネルギー」を自分の中に取り込んでしまい、
心のバランスをくずしてしまう。
ゲドも取り込んだ力を鼻持ちならないエリート野郎との魔法比べで
「間違った使い方」をしたから「悪いエネルギー=影」を背負っちゃった。

で、改めて「名づけの長」と一緒に修行をやり直して自分の影と折り合いをつけていく。
というのが第一巻、「影との戦い」の大まかな筋でもあり、
これから始まる長いお話の「第一の肝」。

ここを押さえていないと映画でやってる第三巻の「さいはての島へ」の
世界観なんかまったくわからない。
・・・わからないならわからないなりに「このお話の全体像」ってどうなっているんだろう。
  原作読みたいな、長くて一冊あたりの値段高いけど。
  という風に観客を「誘導」する風に作るべきだった。

結論
このお話は「影との戦い」、「こわれた腕環」、「さいはての島へ」、「帰還」
       (自分がはじめて読んだときはこの四つで「完結」だった!)
       さらに最近出た「アースシーの風の中」、「外伝」の六巻で
       「ひとつの世界」を作っていることをまず映画を見る前に予習しましょう。
そのあと復習がてら岩波書店から出ている原作本を一通り読んでみたらどうでしょう?
うまくいけば「一生物」の物語を見つけたことになるかもしれない。

・・・書いているとまた改めて「世界の広がり」を味わいたくなって
  こないだブックオフに行ったけど、岩波初版本が「影との戦い」、「壊れた腕環」だけ。
  岩波軽装版(ガールズ何とか版)が「壊れた腕環」だけ抜け。
  岩波最新版が「影との戦い」、「壊れた腕環」と「外伝」が抜け。という感じで
  「同一版フルコンプリート」が難しかったので買うのやめた。

・・・岩波文庫のラインナップに入っていたら結構安くで手に入るのですが、
      「存命中の作者の作品はラインナップに加えない」という岩波の不文律があるから
  当分無理そうだし。

古本でも一冊1000円、新刊だったら1200円か1400円。
・・・仕方ない、図書館で借りようか。