秋の足音が少し早めにやってきた。
ほら、余計なことをするから(以下略。
自分も今日の今頃は東京へ向かう夜行バスの中だったのに。
現実はなかなかうまく回りません、正直悔しいです。
さて、今まで貯めに貯めてた見学のお話をしましょうか。
まずは「謎のモダン館」というカンパニーによる「王(きんぐ)たる者」
この演目は7月に一度長崎で見に行ったのです。
けれど、箱が少し大きくて物語の意味はわかったけれど、
凄みがうまく伝わらなかった。
今回は長崎でやった箱よりかなり小さくて密度の濃い箱だから、
物語の意味も、凄みも十分に伝わっている。
ある駅での待合室での一夜の始まり、という導入部分から、
実はこの駅は「三途の川の渡し場」へ向かう電車の駅だった、
その電車は「どうして死んだのか」ということをわからないと乗ることが出来ない。
三途の川への渡し場にたどり着いても自分の生き方、死に方を
はっきりさせなければ渡し舟にも乗せてもらえない、結構過酷だな、というところを
このカンパニーの持ち味である「言葉遊び」を十分に生かしながら見せている。
で、生前、たくさんの人を苦しめて自分だけいい思いをしていた人が
自分の犯した罪によって三途の川の渡し場にもたどり着かせてくれない、
たくさんの三途の川を渡ろうとする人に引導を渡す仕事を罪の重さに応じて
やらなければ渡し場にたどり着く電車に乗ることが出来ない。
ラスト前、その人はかなりかっこいいこといっているけれど、
行く人の罪よりその人の罪のほうが重かった、故にまたも電車に乗れず、
ラストで開き直りの歌を歌いながらベンチに横になる。
・・・これ、重いですよ。
しかもお盆の真っ只中だからいい宗教教育になっている。
はい、次は「非・売れ線系ビーナス」の「猫大爆発」
世の中の吹き溜まりにいるろくでなしの男と女。
宗教団体らしきところで集団生活をしている。
なんともいえない閉塞感を吹き飛ばすには爆弾テロしかないでしょ、
そこからろくでなしがゆるーく自分を解放して新しい人生を生きる、
という内容。
集中が20分以上続いたことと、色の使い方、箱の使い方に
田坂氏の「演出コンペ」と「クラブ・オブ・アリス」という二つの外仕事で
学んだことが良く出ていた、けれど内輪のばたばた感が少しひどすぎた。
のこされさんについてはまた明日。