蹴球放浪記

緩まない、緩ませない。
横着しない、横着を許さない。
慌てない、「だ」を込める。

機会をください。@鹿児島(其ノ弐)

2011-07-16 23:14:53 | 舞台のこと

 さて、さくさくいくよ。

【2本目 アクターズファクトリー鹿児島】
 前回は福岡の「劇団カミシモ(現劇玩カミシモ)」テイストの
不思議な世界をいくつか「小品」として見せて、つなぎ合わせる形だったけれど、
今回は「謎の殺し屋集団」をめぐるサスペンス・コメディで最初から最後まで
物語を統一する格好。
 
 見せる技量も「劇団ショーマンシップ」が時折見せてくれる、
「高い技量でシュールかつ、お馬鹿な世界を見せていく」テイストで
暗殺者から町内会、それからまた暗殺者、と言いまつがいやら
ブラックなギャグをかませつつ、「赦すって何よ・生きるって何よ」と
「家族って、何よ」、「殺しはしないが、助けない」という真面目な肝も伝わって、
最後、なんとはなしに「新しい家族」を作って、それゆけワンダー3。
・・・あの展開でTM Networkを使うなんて、正直反則だ。

 

【3本目 演劇ユニット火曜市】
 こらまた、どこぞのスーパーマーケットのような名前だな、と
観てみたら、何だコリャ、福岡で酒瀬川真世やら古賀今日子がやりそうな
オシャレなカフェでの演劇、俗にいう「テアトル・ソネス」風味の演劇が
鹿児島でもできるなんて。

 父親がある日、突然失踪してそれからずっとひとりで生きてきた女の子。
なんか、「自責の念」を抱えてずっと生きてきた。
そんな時、突然「孤独死の後始末専門のNPO」の人がやってきて、
手紙と、父の形見のオウムを持ってきた。
女の子は、最初「知らない」という、当たり前だ。
今まで嫌な記憶を何処かにほったらかしにしてきたのだから。
そこから始まるオウムとわたしの奇妙な生活。

 奇妙だけれど、その中でいろんな記憶が引っ張り出されて、
「父は娘を見捨てて行ったわけでもなく、たった一度娘に自分の感情で
 手を上げてしまった、そのことが情けなくて、許せなくて」ということが
じわりじわりと湧いてきて、不思議な感情が起こりながらも、
最後、その貴重なオウムをほしがっている金持ちにうまく売りつけて、
そのお金で父と母のお墓を作って、きちんと供養して新しい人生を始める。
 「動物の個人売買は動物愛護法により禁止されています、真似しないでね」
というオチに「ズバットは大変危険です、よいこのみんなは真似しないでね」という
懐かしさを感じてしまったところに座布団一枚。

 ・・・これぐらいはっちゃけたニュー酒瀬川が見たいのですよ。



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