蹴球放浪記

緩まない、緩ませない。
横着しない、横着を許さない。
慌てない、「だ」を込める。

機会をください。@鹿児島(其ノ壱)

2011-07-14 23:14:36 | 舞台のこと

 あの一派が醸し出している「変な空気」というものがないのは
ものすごく何よりだ。

 さて、見本市のレギュレーションは去年といっしょ。
仕込みから本番、撤去までを30分以内でやる、ただそれだけ。
去年は6つだったのが、今年はひとつ増えて7つに。
時間表示のスクリーンもなく、あくまでもシンプル。
そんな中、進行のおねえさんがやってきて、一言。
「ツボにハマれば笑ってもいいし、とにかくからだ全体で見てくれ」と、
・・・例の件、知らない間に伝わっていて、ある意味気を使わせてもらってすまない。
がなぁ、今年の進行のおねえさん、某国営放送サッカー中継のアシスタントやってる
「肩岸さん」に感じが似ていて、なんとも言えないやぁと思っているうちに一本目。

【1本目 劇団CLOVER】

 ハコに入って、前の真ん中がもう入っている、なんでだろう、と
思っていたら、そういう「仕掛け」だったのですね。

 何かを待っている女の苛立ち具合から客席からの出し入れを使って、
「現実」と「嘘」の境界線をうまく曖昧にして物語を作ってきやがる。
 「堅物のお兄さんに結婚相手を紹介したい、がだ、やばい事情がある、
 今日だけでいいから適当に男の子見繕って」てな塩梅で知り合いの
劇団に頼んで、派遣してきたのは「ちびまる子ちゃん」に出てくる
永沢君というある意味シニカルさを持ったのがそのままおとなになったよな感じ。

 そういう一筋縄ではいかない男と女のそれぞれの「ストーリー」というか
「人生のゲームプラン」が真っ向からぶつかり合い、
男が「自分とは違う自分を演じているといつの間にやら感情が消えて、
これじゃいかんと、演劇を使って、自分を何とかしたい」という事を話し、
結構収入やらがいいところをうっちゃって自分を取り戻したい、という覚悟、
こういうことを感じる前提としての「本質を見抜く力」が関係を近くして、
女にとうとう、この恋愛は「略奪愛」でした、と本音を吐くまでの関係性が出来てる。
「演劇を真剣にやるといつの間にか裸の自分をさらけ出してしまう」というか。

 そこに10月公演で演る「表へ出ろぃっ」で使うムーブマイムや
場面をそれとなぁく混ぜ込んで、「次回予告」という形にもまとめて
「なんか観てみたいよなぁ」と興味をそそられる作りにまとめた。
にしてもだ、この演目、去年野田秀樹と中村勘三郎で演ったときの
上演時間は80分、19時に始まって、終わったのが20時20分。
で、ここのチラシを見ると上演時間は60分。
稀代の名優ふたりと若手女優で80分、それも密度の濃いやつだったのを
どういう「魔法」を使って20分の尺を「埋めて」いくのか、すごく楽しみだ。



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