神社のある風景

山里の神社を中心に、歴史や建築等からの観点ではなく、風景という視点で巡ります。

熊野新宮神社

2008年12月10日 | 兵庫県

兵庫県篠山市二之坪


熊野神社は各地にたくさんあるけれど、熊野三山を別にすれば、初めて訪れた熊野神社がここだったと思う。
単に熊野神社とせず、新宮の文字が付いているのは、本宮、那智、速玉、それぞれから勧請した三つの神社が近隣にあったからのようだ。
那智から勧請された神社は廃れてしまったらしく、本宮からの勧請と思しき神社は、ここより南に約1キロのところにあるが、こちらも一度、廃れた時代があったようだし、規模もかなり小さなものである。
この熊野新宮神社も、社域はさほど広くはないが、立派な石垣や、八朔祭と呼ばれる篠山市指定民俗文化財のお祭などがあって、三社の中では最も隆盛して現在に至っている。
私がいつもよく言う「奥行き」、「奥深さ」があるわけではないのだけれど、過去に二回訪れていて、今回が三度目。
どこか惹かれるものがあるのに、それが写真に写せない。この三度目の訪問では、紅葉に助けられた。



狭い道に面して、お城を思わせるような立派な石垣がある。


石垣に挟まれて視線は自ずと前を向く。迎えてくれる二本の杉の大木、そして拝殿の屋根と紅葉に、誘い込まれるように足が速まる。


社殿の背後で、社殿を飾り立てるように色付く木々。


振り返ると、田畑と里山の広がる長閑な風景。


拝殿。
先ほど奥行きは無いと書いたけれど、距離的な奥行きはともかく、手前に落葉樹、背後に常緑樹があることで、奥行きの感じられる空間となっていた。


よく見れば、拝殿にはネットが。動物の侵入を防ぐためだろうか?


拝殿の彫刻。


本殿。
写真では小さくて判りづらいが、木製の狛犬は凛々しい姿だ。


本殿瑞垣。
主のいない蜘蛛の巣も、枯葉も、右から射し込む淡い光も、秋というより初冬の気配。


本殿背後から境内社。


全体を見渡す。
大きな社務所の屋根と石垣が印象的。


最後に、最も紅葉が美しく見える角度から。


2万5千分1地形図 福住
撮影日時 081130 12時~12時40分

駐車場 なし 境内に乗り入れ可
地図