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神社のある風景

山里の神社を中心に、歴史や建築等からの観点ではなく、風景という視点で巡ります。

櫛石窓神社

2008年04月13日 | 兵庫県

兵庫県篠山市福井

地図などの表記は「櫛岩窓神社」であるが、基本的には社号標や鳥居の扁額の文字に倣っているので、「櫛石窓神社」としておく。
尤も、正確に言えば「窓」の字は、とても変換出来ない難しい字である。

篠山市の北東部、国道173号線沿いにあって、国道にも看板が出ている。
この道は頻繁に利用しているが、国道から神社を見る限り、細い杉に囲まれていて、あまりぱっとしないし、式内名神大社であったことなど窺えない。交通量も多いのに、神社に寄る車も見かけない。
境内に足を踏み入れると、多少、印象は変わる。多分に判官贔屓の傾向はあるけれど、やはりどこか風格を感じるように思う。
神社巡りを始め出した頃に訪れた神社でもあるし、以後、何度も訪れているので、この場所自体に愛着もある。



過去に撮った写真が何枚かあるのだけど、気に入ったものが無い。せっかくだからと最も華やぐ今の時期の写真を撮りなおしに行った。
鳥居が金属製なのが少し残念。


二の鳥居。ここも以前は金属製だったが、昨年、木製のものが新調された。


鳥居越しに拝殿。
今は参道は普通の砂利だが、以前は土の上に石英質の石が撒かれていて綺麗だった。薄暗い時など、地面に花びらが散っているようにも見えたのだが・・・。


歴史ある神社なのに、周りは細い木ばかりだ。拝殿の正面にある木だけが、やや大木の風格を有している。
この辺りは、まだ石英が残っているので、ちょっと花びらが散っているように見えなくもない?


最初、これが本殿で、覆屋だと思ったのだが・・・。


この角度から見ると判るように、本殿は、拝殿より随分と奥にあり、しかもブロック塀に囲まれていて近づけない。


ブロック塀は、つま先立ちをして、やっと中が覗ける高さ。従って、カメラを高く掲げ、ファインダーを見ずに撮影・・・何とかちゃんと写ってくれた。


社務所のそばにある枝垂桜。


帰り道の国道から、山桜と新緑。


2万5千分1地形図 村雲
撮影日時 080413 9時~9時半
5、7枚目は080406 9時過ぎ

地図


苅野神社

2008年04月11日 | 兵庫県
兵庫県丹波市柏原町上小倉

以前に紹介した大歳神社のすぐ近く、国道176号線沿いにあって、大歳神社からは1kmも離れていない。
国道沿いということもあって、あまり興味が湧かずにいたのだが、寄ってみると社号標に「式内」の文字。苅野神社の名前も、そのとき初めて知った。
かように下調べも碌にせず神社を巡っているわけて゜、それがまた楽しくもあるのだけど、帰ってからネットで検索して得た情報などから、「もっと注意して見ておけば良かった」と思うこともしばしばである。
地形図には階段の記号があるし、等高線の具合から判断しても参道はほぼ階段ばかり、小さな谷間に社殿を表す家屋記号があるから湿度はやや高め、向きは地形を考えれば南向きであろうから、順光状態では面白くないので撮影するなら曇りの日、もしくは早朝。
とまあ、こんな情報を基本として神社を巡っているわけです。



国道の交通量は多く、神社前は騒々しい。鳥居の奥の暗がりを見ると、ホッとして早く逃げ込みたくなる。


理想的な薄曇りだったので、モミジの葉を淡い光が透かし、緑が滴るように映えてくれた。


参道脇には杉の大木もある。


境内は、やはり苔生していた。
拝殿に火災報知器が見えるが、確か監視カメラもあったと思う。ダミーの可能性もあるし、設置している神社は他でも見かけるが、神社で悪さをする人がそうそう居るとは思えないのだが。床下あたりからはモーターのような音も聞こえてきたので、湿気を防ぐために床下換気扇もあるのかも知れない。色んなところで維持管理は大変だなぁと思ってしまう。


拝殿と本殿。
本殿前には波板が斜めに設置されているが、屋根から落ちてくる雨滴の泥撥ねを防ぐためだろうか。美観を損なうけれど、これも仕方ないのか・・・。


2万5千分1地形図 柏原
撮影日時 070718 14時過ぎ

地図

山口神社

2008年04月06日 | 兵庫県
兵庫県丹波市山南町上滝

恐竜の化石が見つかって話題になった場所から程近い。
化石や鉱物などを探し出すのも楽しそうだなぁ、と思いつつ、やはり私は神社に向かう。
鳥居のそばに「千年杉」の立て札があったので、周りを見渡してみるが、それらしき大木は無い。
長い参道を上りって境内に辿り着くと、なるほど、と思える大きな杉が聳えていた。が、すぐ横にある建屋は無粋なものだ。
無粋と言えば、すぐ下にある工場らしき建物から常に騒音が聞こえてくるが、境内の雰囲気の良さに、いつしか気にならなくなった。
境内には土俵もあって、落ち着いた空間の中にも、動きというか、賑わいのようなものが感じられる。
先日の加茂神社の頁でも書いたが、丹波市山南町の神社は桧皮葺が多く、ここもそうであり、小さいながらも意匠を凝らした本殿は、大杉、土俵などと一体となって、清清しい空間を創り上げている。



神社入り口は集落の外れにあって、民家からは離れているものの、背後は工場らしき建物があり騒々しい。


鳥居からすぐ右に曲がった参道は、この先で左に折れる。割と長い上りで、運動不足の身にはこたえる。


二の鳥居からは本殿が見えてくる。
やや荒くなった息が、ホッと静まるところ。


拝殿は無く、すっきりと本殿を見通せる。


やはり桧皮葺は、緑や木々とよく調和する。


写真では判らないが、かなり細かいところまで装飾が施されている。


土俵と本殿。


とても神聖に感じられる空間。
奥にある大木が「千年杉」。


2万5千分1地形図 柏原
撮影日時 070718 12時半~13時半

地図

新井神社

2008年03月30日 | 兵庫県

兵庫県丹波市柏原町大新屋

式内社でもある新井神社は、茅葺の本殿で知られており、県の重要文化財にも指定されている。
いままで祭神や建築には触れてこなかったし、今後もそのつもりだけれど、建築の重要度はともかく、良い建物は風景としても映えるものである。
ただ、一般的には開放的で爽やかな神社と言うべきなのだろうが、正直なところ、根暗(?)な私には身の置き場に困ってしまうような明るさがあって、早々に退散してしまった。
本殿にある、有名な猿の木彫りも撮り忘れ・・・。



道路からすぐ境内。垣根なども無く、境内が見渡せてしまう。


苔生した茅葺の屋根は、素朴で温もりを感じさせるものだ。


柔らかな雰囲気でありながら、木の陰影は重厚感あるもの。
・・・しかし、重文でありながら、屋根の傷みは激しい。


これが深い杜にあったならなぁ、と思わなくもないが、いままで見た茅葺の社殿は、どれも比較的明るい場所にあったように思う。
日当たり悪く、湿度が高いような場所は、茅葺では傷み易いのかも知れない。


2万5千分1地形図 柏原(北西)
撮影日時 080313 10時過ぎ

地図 


加茂神社

2008年03月28日 | 兵庫県
兵庫県丹波市山南町金屋

丹波市の山南町は、どういうわけか桧皮葺の神社が多い。
しかも、本殿を覆屋で保護しているところも少なく、「観る」という立場の人間からすれば、とても有難い状態であるが、維持管理する方は大変であろうと思われる。

この加茂神社も、小さいながらも見ごたえのある本殿だ。
地図にこういった情報が載るわけではないし、開けた谷の傍にある神社としか読み取れなかったのだが、こういう神社を見ると、とても得をした気分になってしまう。
ごく普通な山里にある、小粋な神社といった感じだ。



見ての通り、入り口から本殿までは直ぐで、境内は狭く、小さな神社。
写真では判り難いが、左側にある小さな境内社も桧皮葺である。


複雑な形状の屋根。秀麗な姿だ。


彫刻等、細かいところも凝っていて、ひとつひとつ見ていくのも楽しい。


振り返れば、水田と集落が望まれる。




境内社も趣がある。
明るく伸びやかな場所でありながら、繊細で味わい深く、気持ちの良い空間だった。


2万5千分1地形図 柏原(南西)
撮影日時 070718 11時過ぎ

地図

追手神社

2008年03月24日 | 兵庫県
兵庫県篠山市大山宮

篠山では比較的知られた神社で、近くには追入神社というものもあり、追いかける神様と追われる神様の伝承などがあるのだが、伝承や神社そのものよりも、境内に聳える「千年モミ」の方が有名だろう。
ただ、訪れたのが黄葉シーズンだったため、同じく境内にある「夫婦イチョウ」の方が目立っていた。
国道からも見えるので、その見事な黄葉につられて、つい立ち寄るドライバーも多く、やや落ち着けなかったが、普段は案外とひっそりしている。
明るく開けた場所ではあるけれど、木陰にベンチなどあって、付近の方々の憩いの場といった雰囲気である。



黄色く染まった境内の奥に本殿。
絵になる光景なのだけど、立て看板が・・・。


モミの木としては日本最大の「千年モミ」。
遠近感のせいもあるが、それなりの大木である「夫婦イチョウ」が小さく見える。
こんな木を見て育った人は、「木」というものの概念が、私などとは違っているのではないだろうか。


本殿。
地元の方が来て、本殿と全ての摂社の蝋燭を灯されていかれた。


本殿前から境内を振り返る。
秋色の絨毯といった感じであるが、知らないうちにギンナンを踏み潰していたらしく、帰りの車の中では暫くギンナンの匂いに悩まされ・・・。


2万5千分1地形図 柏原(南東)
撮影日時 071114 13時前後

地図

稲荷神社

2008年03月16日 | 兵庫県
兵庫県篠山市谷山

世に「花の寺」と呼ばれる寺がいくつもある。
牡丹寺、紫陽花寺、椿寺というように、花の名前を冠したものも数多い。
しかし、「花の神社」とは聞いた事がない。
私が知らないだけ、という可能性もあるが、寺ほど一般的でないのは確かだろう。
何となく語呂もよろしくない。

篠山市の中心から南に1.5キロほどのところに、谷山という集落がある。
中心に近いといっても、山と水田の広がる長閑な場所であるが、
この集落から山に入ったところに神社があって、6月にはユキノシタの花が咲き乱れる。
派手な花ではないし、寺に倣って「ユキノシタ神社」なんて呼ぶのもどうかとは思うけれど、最初に見た時は、その賑やかさに心が弾んだものである。



小さなお寺を通り過ぎた辺りで、道は暗い林の中へと入っていく。
この谷間の奥に神社があるなら、とてもいい雰囲気になりそうだが。


残念ながら、道は谷間の奥へは向かわず、いきなり直角に折れて山腹へと上っていく。



石段を上りきると、石垣に満開のユキノシタが目に飛び込んできた。
手水鉢もユキノシタで埋もれてしまいそうだ。


サツキもまだ残って、ユキノシタと競っている。


もともとユキノシタは群生することの多い植物だが、ここまで数が多いのは初めてである。


もう一段、高いところに本殿。
狛狐には金網が被せてある。


稲荷神社にしては質素な本殿。
こういう年月を経た木の色は好きだ。


本殿横にもユキノシタ。


本殿裏にも、やっぱりユキノシタが。

撮影した日は晴れていたけれど、ユキノシタは曇り空の方が似合うように思う。


2万5千分1地形図 篠山(北東)
撮影日時 070617 10時半前後

地図


瀧尾神社

2008年03月12日 | 兵庫県

兵庫県西脇市黒田庄町黒田

瀧尾神社と言うからには、滝と関係があるのかと思ったのだが、周辺の地形を見ても滝などありそうにない。
京都市にも同名の神社があって、そこは龍の彫刻が有名だが、龍と瀧なら繋がる気はする。尤も、なぜ龍が出てくるのかは知らない。
この他の地域にも幾つかあるようで、中には滝が近くにある神社もあるようである。
八幡神社や春日神社といった、勧請型信仰によって各地に広まった、というわけでも無さそうで、祭神も同一ではなかったような・・・。

滝が好きだからという理由で神社名に関心を持ってしまったが、どうも知識の無さを露呈するだけになって恐縮だけど、敢えてもう一つ言うなら、この瀧尾神社の背後に聳える山の名は白山であり、更にその奥の山は妙見山だったりする。
白山信仰に妙見信仰・・・これも、瀧尾神社との繋がりが気になるところではある。



これは二の鳥居で、一の鳥居から結構な距離があるが、ここまでは参道というより普通の車道になっている。


すっきりとした参道の先に、小さな神門。


神門越しに拝殿を望む。


拝殿は、かなり横長であり、境内もそれに合わせるように、広く開放的である。


本殿は桧皮葺の立派なもの。

私が行くような山里の神社としては大きなもので、「山」よりも「里」の気配が濃い。
境内が広いと、何となく身の置き所に困ってしまうのだが、訪れる人も無く、静かに陽が降り注いでいた。


2万5千分1地形図 谷川(北西)
撮影日時 1,2,4枚目 071219 10時頃
        3,5枚目 071018 11時過ぎ

地図


日吉神社

2008年03月10日 | 兵庫県

兵庫県朝来市生野町黒川

眼病に霊験ありとして有名な青倉神社に行った帰り道に、黒川ダムを通った。
ダム上は晴れていたのに、ダムの堰堤に押し寄せるように、ダム下は霧に包まれていた。
ダムの下に広がる本村集落も、すっぽりと霧に覆われていたが、霧の奥に、辛うじて鳥居が見えた。
地図上では参道に思えた道に参道の雰囲気は無く、鳥居は橋の直前にある。
少し残念に思いながらも、霧の描く陰影に惹かれて参拝。



橋の手前に杉の大木。生野町の巨木十選と書かれているが、さほど大きなものではない。


小さな神社で、本殿まではすぐである。
と、左の杉の大木にド○モダケがぶら下がっていることに気付いた。
携帯電話会社のマスコットキャラに、こんな山中で出会うとは思わなかった。
神様も、微笑んでらっしゃるか、はたまた苦笑してらっしゃるか。


境内は狭く、本殿も小さいけれど、なかなか深い山の気に包まれている。


例によって、神社横の森を探索。


杉林も、霧と朝の光で表情豊かだ。


飽和状態にある湿度が身体に纏いつく。
が、潤されていくようにも感じる。


2万5千分1地形図 大名草(北西)
撮影日時 070607 5時半過ぎ

地図


春日神社

2008年03月07日 | 兵庫県

兵庫県篠山市後川上

後川と書いて、「しつかわ」と読む。
後川は篠山市でも最も山深いところにある集落の一つだ。
標高300~450m。谷間に開けた狭い平地に沿って、細長く、複数の集落を形成している。
篠山には春日神社が多く、ここもその一つ。
東から西に向かって流れる小さな谷間にあって、こういう地形は、朝に訪れると光線状態に恵まれることが多い。



実のところ、小さな祠くらいのものを想像していたので、立派な鳥居に迎えられてびっくりする。
扁額には「龍神春日社」とあり、龍神信仰も併せ持つようだ。


杉林の中の参道。
ここは、夏も比較的涼しく、気持ちのよい道だ。


参道を奥まで進むと、左手の高みに境内が望まれる。
この辺りだけ鬱蒼としており、日を浴びる境内のモミジが眩しく輝いて見える。
ここから境内への踏跡もあるが、参道は直進している。


参道は、長床と呼ばれる拝殿の手前まで来て直角に折れる。
面白い構造で、長床の下をくぐり、更に石段を上ると境内になっている。
向うに見えるのは、本殿の覆屋。
撮影するスペースが無いので、谷の対岸に渡って撮影。


参道からは気付き難いのだが、対岸から見れば、かなり大きな建物であることが判る。


長床の下をくぐる。左右は物置のスペースがある。


薄暗い場所を通り抜ける時は、何故かワクワクしてしまう。
ここも、夏でも涼しい場所。


入り口から見れば、二階建てのような建築だが、境内に入って振り返れば、平屋建てに見える構造。


本殿は、完全に覆われていて、扉を開けて参拝するようになっている。


中に入れば、キツツキが開けたらしい穴が無数にあって、何だか微笑ましい。


境内で輝いていたモミジが気になったので、秋にも訪れてみた。
残念ながら色が悪かったので、他の木を撮影。
本殿の背後から。


2万5千分1地形図 福住(南西)
撮影日時 1~3、6~9枚目 070519 8時半~9時半
        4、5、10枚目      070822 9時前後
       11枚目      071202 7時半過ぎ

地図