地形図をちょっと見た限りでは山麓にあるように見えるが、よくよく見れば、極めて小さな谷地形に鎮座していることが判る。
実際、境内は行き止まりを感じさせる狭く小さな空間にある。
だがそれが、参道入口からは、奥行きのある景観を見せ、いかにも神域に相応しい雰囲気を湛えている。
水など無いと思える小さな谷だが、滲み出す程度の水はあり、地形的にも湿度は高いらしく、境内は苔むしている。
訪れたのは、夏の早朝。
社務所らしき建屋には縁側があり、地元の男の子二人がそこに腰掛けていた。
朝の光を浴びて、何だか夏の田舎を舞台にした映画のワンシーンのようだった。
小さな社だけれど、とても趣ある神社である。

神社前は長閑な田園風景。

参道には、まだ朝の光は届いておらず、青味を帯びた、深く清浄な空気に包まれている。

本殿周りもまだ薄暗い。
左右と前方が斜面で形成される行き止まりの空間は、厳かな気配を感じる反面、どこか包まれているような落ち着きも感じさせてくれる。

振り返れば、参道が青い帯を描き、その向うは朝陽で眩しく輝いていた。
夏とは思えないほど清清しい朝のひとときだった。
2万5千分1地形図 宮田(南西)
撮影日時 070816 6時過ぎ
地図