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神社のある風景

山里の神社を中心に、歴史や建築等からの観点ではなく、風景という視点で巡ります。

松尾神社

2008年02月27日 | 兵庫県
兵庫県篠山市石住

地形図をちょっと見た限りでは山麓にあるように見えるが、よくよく見れば、極めて小さな谷地形に鎮座していることが判る。
実際、境内は行き止まりを感じさせる狭く小さな空間にある。
だがそれが、参道入口からは、奥行きのある景観を見せ、いかにも神域に相応しい雰囲気を湛えている。
水など無いと思える小さな谷だが、滲み出す程度の水はあり、地形的にも湿度は高いらしく、境内は苔むしている。

訪れたのは、夏の早朝。
社務所らしき建屋には縁側があり、地元の男の子二人がそこに腰掛けていた。
朝の光を浴びて、何だか夏の田舎を舞台にした映画のワンシーンのようだった。
小さな社だけれど、とても趣ある神社である。



神社前は長閑な田園風景。


参道には、まだ朝の光は届いておらず、青味を帯びた、深く清浄な空気に包まれている。


本殿周りもまだ薄暗い。
左右と前方が斜面で形成される行き止まりの空間は、厳かな気配を感じる反面、どこか包まれているような落ち着きも感じさせてくれる。


振り返れば、参道が青い帯を描き、その向うは朝陽で眩しく輝いていた。
夏とは思えないほど清清しい朝のひとときだった。

2万5千分1地形図 宮田(南西)
撮影日時 070816 6時過ぎ

地図

大歳神社

2008年02月20日 | 兵庫県
兵庫県丹波市柏原町上小倉

大歳神社は西日本に多く、中でも兵庫県には400近くの大歳神社があるという。
農耕神らしく、大抵は田畑のそばに多いように思うが、ここは山懐に抱かれた場所である。
ただ、神社の横には溜池があるので、田畑を育む水源となる大切な場所、という意味合いがあるのかも知れない。

神社へは、集落内の狭い道を通らなければならない。
民家が途切れるところで害獣避けのゲートがあって、近くの民家で飼われている犬が吠え立てる。何となく不法侵入しているような気分で、あまり音を立てずに素早くゲートを開けたいのだが、やたらと大きな金属音を発してくれる。
ゲートから先は、山の中といった雰囲気で、のんびりと林道を進めば、すぐに神社前に辿り着く。



鳥居と石段と社殿に、苔と紅葉。暫し心奪われる。


小さな広場に、ぽつんと本殿。拝殿や狛犬は無い。左手には池を背にして摂社がある。


境内背後の林内では、紅と黄の鮮やかな饗宴。


手水鉢の中も、落葉が彩りを添えていた。

撮影日時 071202 12時前後


夏の大歳神社



撮影日時 070718 14時半前後

2万5千分1地形図 柏原(南東)

地図

青玉神社

2008年02月17日 | 兵庫県
兵庫県多可郡多可町加美区鳥羽

私の持っている古い道路地図には、この「青玉神社」の名称のほかに、「大杉群」と記載されている。
名木や巨木の類は各地に散見されるが、「群」と付くとなるとタダゴトではない気がする。もう見たくてたまらなくなった。

神社の目の前には「道の駅」が出来ている。これは駐車場所に困らないので有難いのだけれど、神社の雰囲気を、多少、損じているかも知れない。ドライブの休憩がてらに立ち寄る人も、それなりにいるようである。
職場の後輩であるT君の田舎が近所にあるので、彼が田舎に帰る度、ぜひ青玉神社に行けと勧めるのだが、長らく無視されている。まあ興味が無いのだから仕方ないけれど、それでも勧めたくなる神社なのである。


道の駅が出来たからかどうかは知らないが、参道は、やや整備されすぎの感がある。
ヤマヒルとマムシに注意の看板があって、やや落ち着けない。マムシはともかく、ヤマヒルには免疫が無いので出遭わないことを願うばかりである。


拝殿の周りには、大杉が天高く聳えている。


いかにも聖域というか神域というか、神秘的で清澄な空間。


幸い、マムシにもヤマヒルにも出遭わず、巨木の林立する境内の雰囲気を満喫することが出来た。

2万5千分1地形図 大名草(南西)
撮影日時 070607 9時頃

地図


八柱神社

2008年02月13日 | 兵庫県

兵庫県篠山市初田

JR篠山口駅の南東、初田集落の奥にある。
峠の手前、谷の源頭と言うべき地形にあるので、湿度が高く苔生していそうだ。
こういうところにある神社は非常に気になるので、行かずにはいられない。

集落が途切れるところから砂利道になる。神社まではすぐで、参道入り口からは民家も見えているが、参道の奥を覗き込んだ時には「はっ」とさせられた。
少し大袈裟かも知れないが、深い山中だと錯覚してしまいそうなほど、深く緑濃い空間に見えた。その瞬間に、私のとても好きな神社になった。
ただ、スズメバチやらアブやら名も知らぬ羽虫の類が多くて辟易させられた。盛夏は避けた方が無難かも知れない。



鳥居の奥には大きな杉が林立する。よくある参道のように整然としたものではないので、どこか躍動感を感じさせる。


小さな谷を渡ると、石造りと木製の鳥居が接するように立っている。木漏れ日が涼しげに見えるけれど、纏わりつく虫を払ったりスズメバチから逃げたりと大変である。


本殿と摂社。境内周りの杉は細いが、整然と立ち並んでいる。


本殿。

撮影日時 070802 12時半前後


その後、何度か訪れているので、霧の八柱神社を。






掃除に来られていた地元のおばさんが、「人は少ないし、足腰は弱っていくし、存亡の危機ですわ」と言って笑ってらっしゃったのが印象的だった。

撮影日時 071114 8時半前後
2万5千分1地形図 篠山(北西)


地図


波々伯部神社

2008年02月06日 | 兵庫県
兵庫県篠山市波々伯部

字面を見て、いきなり読める人は居ないだろう。ほうかべ神社と読む。明治頃までは「ははかべ」と読んでいたようだが、言い難さ故か転化したらしい。
すぐ北側の畑井には母上八幡神社というのがある。もともとは母上神社だったらしいが、これは「ははがみ」と読む。「ははかべ」と「ははがみ」。何か繋がりがあるのだろうか?
と、まあ多少こじつけの感はあるが、こういう想像をするのは楽しい。


日の出前に参拝。拝殿、本殿ともに篠山では大きい方である。


夜明けのいい色だったので、構図を変えてもう一枚。
左に大きな杉が見えるが、境内には他にも大杉がある。ただ、広場のように明るく開けた境内なので、鬱蒼とした雰囲気は無い。


朝陽が射してきて摂社を照らす。


参道は立派だが、車も進入してくる。
山里と言うより開けた里の神社である。日中は参道も境内も明る過ぎるし、ひと気も多いので、雰囲気に浸るのは難しいかも知れない。

2万5千分1地形図 福住(北西)
撮影日時 070524 5時過ぎ

地図

八王子神社

2008年02月05日 | 兵庫県

兵庫県西脇市黒田庄町黒田

地形図では、神社記号の他に、恐らくは本殿の位置を示すのであろう建物の記号が記されている。この記号の位置が道路から離れている場合、その間に参道があると想像出来る。
私は参道の雰囲気が好きなので、こういった情報を元に、地図上から行ってみたい神社を探したりしている。
黒田集落の北側にあるこの八王子神社も、道路から100メートルほど山側に記号がある。ひっそりと山裾に佇む参道と神社がありそうだ。



山裾の砂利道を進むと神社前に着く。想像通り、ひっそりとした参道と小さなお社があって嬉しくなる。


境内入り口には比較的大きな杉がある。さほど長い参道ではないし、境内も狭いが、これだけで、ぐっと懐の深い空間になる。


写真には写っていないが、右手には土俵がある。
ちょうど地元の方が参拝に来られた。余所者が来るような場所ではないので驚かれたが、維持管理の苦労などを聞かせていただく。
なるほど、確かに清浄な境内であり、頭の下がる思いがした。

2万5千分1地形図 谷川(北西)
撮影日時 071219 11時前後

地図


一之宮神社

2008年02月04日 | 兵庫県

兵庫県篠山市中

中集落の東の外れにある。
地形図に神社名が無いのはともかく、他の地図を見ても、名前の記載どころか神社記号さえ載っていないものもある。
忘れ去られた祠のようなものかも知れない、と思いながら、雨の中を参拝。
人家から離れ、道路の行き止まりに位置するので静かな環境。規模は、よくある山里の神社らしいもので、ちゃんと管理もされているようだ。
雨の音しかしない落ち着いた空間を、一人で満喫した。



鳥居から参道


苔生した参道


摂社


本殿


2万5千分1地形図 村雲(南東)
撮影日時 070530 8時前後

地図