神社のある風景

山里の神社を中心に、歴史や建築等からの観点ではなく、風景という視点で巡ります。

熊野神社

2013年11月15日 | 再訪

京都府南丹市園部町黒田


紅葉の進捗具合が気になるので、ちょっと気軽にドライブに行くことにする。
こういう目的地も定めず気儘に走る場合、大抵は篠山市、南丹市、亀岡市の範囲だ。
篠山市から南丹市に入ったところで霧が出てきた。
一面が霧に覆われるという感じではなく、朝の光と濃淡のある霧が交錯するかのように陰影を描いて、刻一刻と風景が変化する。
写真に最も適していると思える状況でもあるが、べつに目的地があるわけでもなく、真剣に写真を撮るつもりもしていなかったので少し焦る。
この辺りでこのチャンスを活かすならどこがいいか?
最初に思い浮かんだのは摩気神社だが、つい一ヶ月ほど前に友人と訪れたばかりだし、出来ればもう少し風景の種類に幅のあるところがいい。
ということで次に思い浮かんだのが、六年前に訪れたことのある熊野神社だ。
あの参道と二の鳥居に霧が流れる光景は、かなりいいのではないか?
摩気神社への分岐を少し未練がましく見送りながら熊野神社に向かうことにした。



熊野神社前に着くと、あれ、霧は? という感じだった・・・。
遠目には霧に覆われているように見えた山裾なのだが、駐車場所から歩いてくる数分の間に晴れてしまったのだろうか?
それでも、六年ぶりに出逢う風景は心惹かれるものであったし、鳥居前の色付き始めたモミジと、奥へと続く参道の雰囲気を見れば、引き返す気にはなれない。
ブログ開設間もない頃にアップした、この神社の写真の出来の悪さを、ちょうどこの機会に払拭したいという気もしてくる。



記憶と違わぬようでありながら、どうして六年も再訪しなかったのだろうとも思えてくる風景。



途中、祠(愛宕山と刻まれた石灯籠があったから愛宕社だろう)があり、そこに記憶には無い電気柵があった。
グリップ部を握って外し、更にすぐ先にある鉄製の扉を開けて進むと、この自然石を積んだ石段が現れる。
動物による農作物の被害は深刻なのだろう。
参道沿いに植えられたモミジの苗木も、鹿による食害を防ぐためにネットで覆われている。
野生動物の被害には頭を悩ますところだが、こういった植栽が幾つか見られたのは嬉しいことだ。
地元の方が参道を美しくしようと思ってらっしゃるからだろうし、将来、この杉林の中でモミジが豊かに色付いている姿を想像すれば、心も豊かになる。



以前には無かった青い砂利も敷かれている。
ちょっと殺風景とも思える貧弱な杉林であり、無機質な感じのする荒い自然石の石段ではあるが、歩いていて楽しい。



振り返れば、ちゃんと潤いある光景もある。



石段を上りきり、緩やかにカーブを描く平坦な小道を進むと二の鳥居。
霧が残っていないのが残念だし、光線状態もイマイチでいい写真は撮れないが、この鳥居の風景はとても惹かれるものがある。
周囲の木が紅葉し、霧がかかり、右手から朝陽が差し込む、そんな瞬間に出逢えたら、と思う。



社殿に近づくにつれ、潤いが増してくる。



ちょっと変わった形状の拝殿の向こうには、狛犬と本殿覆屋も見えてくる。



以前にも書いたが、こういう「くぐる」建物は大好きだ。






それに、こういった建物を介して見る風景は、一幅の絵のようでもある。



お久しぶりです、という感じで本殿前。



お邪魔します、という感じで覆屋の中へ。



右手からの淡い光に描かれる陰影が美しかった。



本殿裏手にある木も、淡い光に表情豊か。



本殿前の木には、季節はずれの蝉の抜け殻が残っていた。
そういえば、夏にあれだけ賑やかな蝉の抜け殻は大量にある筈なのに、いったいどこへ消えるのだろう。
蟻などが食べるのだろうか? それとも、地面に落ちて土に返るのだうか?



手水への道は苔生している。
手水は山からの小さな流れを利用したものだが、以前とは違って四角く掘られて水を溜めるようになっていた。
まだ安定していないのか、水は少し濁ってしまっていたが、やがて苔生して清水を湛えるようになるだろう。
殆どの神社は何か手が加えられると残念な方向になってしまうのだが、ここはいい方向に向かっているようで嬉しい。



境内社の周りも苔が豊かだ。



霧がかかっていたわけではないけれど、薄曇のような光線状態だったところに陽が射してきた。



二の鳥居を見れば、寧ろ陽射しのせいで霧の名残が感じられる。



一番いい表情に出逢うために、何度か足を運ばねばと思う。



やや明るくなった参道を帰ることにする。



往きとは違って木漏れ日の道だ。



足許にはキノコが点在して秋の風景。



木の幹に引っ掛かった落ち葉も秋の風景。



往きには目立たなかった貧弱な公孫樹も、陽射しを浴びて豊かな黄葉を見せてくれる。






地面に落ちてしまった葉っぱにも、豊かな表情。
秋の撮影は、とても楽しかった。


撮影日時 131114 9時10分~10時20分
地形図
道路地図
駐車場 神社手前に観景寺とその駐車場もあって、神社と無関係とは思えないものの停めていいか判らない。
少し歩かねばならないが、府道に広くなっている場所がある。


春日神社(大野)

2013年06月22日 | 再訪

兵庫県篠山市大野


ここは随分と前に掲載したことがあるが、前回掲載した川北の春日神社から北へ1キロほどのところにあるので、久しぶりに立ち寄ってみることにした。
周囲を田畑と民家に囲まれた小山にあって、地形図からは何の変哲も無い場所に思えるのだが、意外なほど懐の深い空間になっていて、周囲の明るさとは対照的な雰囲気を湛えている。
どういうわけか地形図には神社記号は記されておらず、この神社のすぐ北側にある大歳神社のみ記載されているので、初めてここを訪れたときは、たまたま鳥居が目に入ったからであったのを思い出す。
私は事前に綿密な計画を立てるわけではないけれど、 かといって何の情報も無しに行き当たりばったりということも無いので、現地で初めてその存在を知った神社に訪れるというのは稀なケースだ。



初めて車から見たときの、鳥居の先は真っ暗、という印象通り、今回も入り口と杜の中との明暗差が大きくて写真にしにくい。
鳥居が明と暗の境にもなっている。



鳥居をくぐって参道を見ると、何やら違和感。
確か以前に来たときは朱の鳥居は無かった筈だ。
それはいいのだが、参道を横切って板が渡してあり、土嚢もあって目障り。
更に右手にある木が揺らいだような気がして見てみると、その木の幹にある穴に、カマドウマがうじゃうじゃと30匹ほど・・・。
最近の若い男性の中には、セミやトンボでさえ怖がって触れない者も珍しくないし、私はそんな極端に昆虫が苦手なわけでもないが、カマドウマはかなり苦手である。
古い民家にも棲み付くので、便所コオロギなんて名前で呼ばれたりもする。



明るい場所から暗い鳥居の先を見れば、何か吸い込まれるような気分になるが、逆の場合は惹かれるものの吸い込まれそうにはならない。
どうも私は暗い場所が好きなようだ。



たぶん稲荷神社自体は以前からあったもので、鳥居だけが新設されたのだろう。
風景としていいアクセントになってくれたように思う。
ただ、足元にはブルドーザーが通ったような跡があり、参道を横切って右側から本殿方向へと続いている。
もしかして本殿まで車で上れる道を作るのだろうか?
軽トラが本殿まで入れる道を設けている神社はよく見かけるが、出来ればそうなってほしくはない。



それにしてもこの鳥居、明らかに右の柱が短い、というか深く埋めすぎたのだろう。
いい風景なのにちょっと落ち着けないような気分になる。



反対側に周れば、光の加減で全く違う表情になる。



石段の先は、私の好きな「くぐる」形状の建物。



本殿。
やはり道をつける工事中なのか、本殿横に資材等が置かれていてブルーシートも見える。



参道を振り返って見下ろす。



朱の鳥居はやはりいいアクセントになってくれる。






本殿はシンプルですっきりしたものだ。



だがここは、この位置から撮るのが一番美しいと思う。
苔生していて、アマガエルが四方八方へピョンピョンと慌しく逃げていく。
が、すぐ近くまでブルドーザーの通った跡が迫っており、ここから二つの境内社を回る苔生していた小道は半分ほどが土を剥き出しにしていた。



その小道を通って参道に戻る。
せっかくいい環境と雰囲気がある場所なので、出来る限り現状を維持して工事をしてもらいたいと思う。


撮影日時 20130614 5時20分~5時50分
地形図
道路地図
駐車場 神社横で道路が広くなっている


宮川神社

2013年05月31日 | 再訪

京都府亀岡市宮前町宮川


ここを掲載するのは二回目だけど、自宅から一時間以内で行けるし、とても気に入っている場所でもあるので今までに何度も訪れている。
ちょっとドライブがてら、といった感じで友人を連れてきたことも何度かあって、神社に興味の無い友人が、ここの雰囲気を気に入ってくれたりもした。
だからここは、仲良くなった人や、その人の感性に自分との共通点を見出したりすると連れてきたくなる場所でもある。
そんな風に親しみある神社だから、回数でいえば今までで一番多く訪ねた神社かも知れないが、それだけに気軽に立ち寄るので、ちゃんと写真を撮ることがあまり無い。
いつも思いつきで立ち寄って、木々に包まれながらせせらぎを聴いてぼーっとする。
それだけで何となく満たされて帰る、といった感じだ。
だから今回は気合を入れて、夜明け前から撮ろうと思ったのだが、結局、日が出てからの撮影になってしまった。
まあ、また何度でも行けばいいし、何度でも行くだろうと思う。

記事の内容とは全然関係無いのだけど、今更ながら携帯をガラケーからスマホに切り替えた。
話に聞いていた通り、第一印象は使い勝手が悪い。
私はネットはPCでいいと思っているし、数多くあるアプリにも興味は無いので、通話とメールが出来ればそれでいいくらいなのだが、神社等へ行く際に地図機能だけはほしいと思っていた。
それに関しては満足したので、 あとは慣れるだけなのだが、ついでに自分のブログをスマホで見てみてちょっと驚いた。
写真の色合いがPCで見たときとだいぶ違うのである。
青みが強く、全体的に派手な色合いになっていて、これで見てもらうのはちょっと嫌かなぁ、と思うものの、PCの発色が正しいとも限らず、まあ今まで通りの感覚で撮るしかないのだけど。
それにしても、スマホに付いているカメラが、使っているデジタル一眼より画素数が多いって・・・。 



何度も来ているから新鮮な感動は無いものの、代わりにホっと寛げる穏やかな空気がある。



初めて見たときは、ちょっと寺院っぽいなぁと思った参道だが、今では余所で似たような雰囲気の場所に出逢うと、宮川神社っぽいなぁ、なんて思うようになった。






晴天で光は鋭いけれど、朝ならではの柔らかさがある。



拝殿と本殿。
ここで違和感を覚える。
何故かと考えて、石段の手摺が原因であることに気付く。
確か前回までは無かった筈で、改めて境内を見渡してみると、いま上ってきた石段にも、この先の杜の中へ続く小道にも手摺が銀色に光っていた。
より多くの人に安全に参拝してもらうためにはいいことなのだが、写真を撮るにはちょっと厳しくなる。









拝殿から谷川方向を見れば、緑いっぱいで嬉しくなる。



拝殿奥から杜の中へと続く小道。
ぐるっと周って本殿横に出られるのだが、この小道が宮川神社に惹かれる大きな理由であると思う。
ただ、今は常緑広葉樹の落葉の季節であるので、ちょっと落ち葉がうるさく感じられる。
時期によっては、もっと苔生して素敵な道になる。
右上には手摺が見えているので、小道がどういうふうに付けられているか判ると思うが、それを無視すれば、まるで森の奥深くへどこまでも続いていくかのような趣がある。






この小道の魅力を更に高めてくれるのが、横を流れる清流だ。
ちょっと水量が少ないので雨後の方が見栄えがするし、よく見れば対岸にゴミがあったりするけれど、立ち去り難いほど居心地がいい。






小道に沿って、ひっそりと摂社。



やや雑然として、目を見張るような大木も無いが、杜の気配を満喫できる。



本殿覆屋の横に出てくる。



その覆屋に覆い被さるように磐座。
何度来ても、楽しく清々しく心地よい神社空間だと思う。


撮影日時 20130517 6時~7時10分
地形図
道路地図
駐車場 なし 神社前の道路脇に邪魔にならないよう
 


内尾神社

2013年05月04日 | 再訪

兵庫県丹波市氷上町三原


午前2時過ぎに出発、4時に内尾神社に着く。
訪ねるのは5年ぶり、というか、丹波市自体が久しぶりだ。
内尾神社はとても好きな場所なので、最近では珍しく、夜明け前からの撮影を試みたが満足できる一枚が撮れず。
それでも、夜明けを待っている間、鹿や梟が鳴き、明るくなってからは常に小鳥が囀っていて気持ちよかった。
神域という言葉が相応しい空間でもあり、杉の大木に囲まれて佇んでいれば、時間の経過を忘れる。
とはいえ、この朝の最低気温は3℃で、長時間に亘って居座る私は鼻水をすすりながらの撮影である。
ここは神社の向かいがゴルフ場なので、朝早くからゴルフ場整備で結構騒がしくなるのが残念。












本当はもっと暗いうちから撮っているのだけど、その幽玄な気配が全く写せなかったのでボツ。






それにまあ、時間に関わらず、この空間に湛えられた空気は揺ぎ無いものだろう。



今回は鳥居を振り返ったときの光の状態が気に入った。
鳥居から遠ざかっていく感じで何枚か。これに限らず時系列はバラバラです。


















杉が主体の杜なので、僅かな落葉樹の新緑が映える。



参道もいいけれど、この拝殿を取り巻く木々の濃密な気配も見事だ。



ここに立つと、荘重という言葉が思い浮かぶ。












襟を正す思いがする場所ではあるが、楽しさやワクワク感が勝ってあちこち動き回る。






何となく思いつきで御神籤を引いてみた。
今まで生きてきて御神籤を引いたことなんて数えるほどしかないけれど、いつも可もなく不可もなくといった感じだった。
今回は───末吉だった・・・つまらない。
まあ死を匂わせる文章が綴られた「大凶」を引いたことのある友人に比べれば、平凡な末吉でいいけれど。



本殿。






境内社。
以前に来たときに、アライグマが池に潜って金魚を捕食しているのを見たし、そのとき金魚は残り一匹だったと思うが、数か増えていた。
アライグマのほうは、どうなっただろう?


撮影日時 20130503 5時~7時過ぎ
地形図
道路地図
駐車場 あり


一之宮神社

2013年02月27日 | 再訪

兵庫県篠山市中


ブログを開設して間もない頃に掲載した神社だ。
訪れたのも神社巡りを始めるようになって間もない頃のことで、6年ほども前のことになる。
特に深い関心があったわけでもなく、ただ何となく神社巡りを始めただけなので、当時の私は今以上に見るべきところを見ていなかった。
過去記事を見ていると、写真の出来の悪さは勿論のこと、いったい神社で何を見ていたのか、と思うことが多々ある。
そういった反省も含め、久しぶりに訪ねてみることにした。
ただ、撮影時間帯や季節は以前の方が拘っていたように思うし、しかも雨の中だった。
それなのに今回は、友人と一緒のお気楽撮影だったりする・・・。





1月に掲載した玉依神社と同じく、ここも午前と午後の二回訪ねた。
理由も同じで、午前は天気が良くてコントラストが強すぎたためである。



鳥居は数年前に色が塗り直されたようで、鮮やかな朱色に代わっていた。



鳥居の奥に聳える門のような大木。
巨木と呼ぶにはまだ早いが、既にちょっとした風格みたいなものも感じられる。
これは午前に撮ったもので、雪が結構残っていた。



午後には雪がだいぶ融けていた。



境内に積もった雪が光を反射して、拝殿の天井を照らす。



拝殿越しに境内社。



拝殿のある場所から更に高みに本殿覆屋がある。






苔が豊かなので、やっぱり初夏に来るのがいいかな、と思う。



だが、ここの一番の見所は、この本殿だろう。



何故、前回は撮らなかったのか。
いや、雨の朝で暗くてまともに撮れなかったのかも、とは思うが、それにしても印象に残っていないのである。









うーん、過去の自分が理解できない・・・。



それにしても、ちょっと息を飲む佇まいだ。
小さな集落の山陰に、ひっそりとある神社の本殿とは思えない壮麗さ。






私の下手な感想など必要ないだろう。
ただただ見入る。



本殿前から拝殿を振り返る。



境内社。
午前中はずっとこんな陽射しだったので、ファインダーを覗きながら「コントラストがぁ!」を連呼していたら、「初めて憶えた単語を得意がって繰り返す子供かっ」と友人に言われた・・・。
写真は撮りにくい状況だったけれど、屋根や木々から時おり落ちてくる雪が、キラキラ輝きながら風に舞って綺麗だった。



拝殿越しに参道方向の杜。






そういえば、こんな雪の神社の写真は初めてである。
寒くはあったけれど、楽しくて居心地のいい時間を過ごせた。


撮影日時 130226 10時15分~11時40分 13時40分~14時10分
駐車場 神社前駐車可
道路地図
地形図 
 


三輪神社

2012年12月18日 | 再訪

奈良県宇陀市室生砥取


二年ぶりの再訪。
前回も秋に訪れ、夕暮れ時の綺麗な紅葉に接することが出来たが、今回はまだ色付きも浅く、時間も中途半端だったので期待せずに参拝に向かった。
ただ、ここの雰囲気には忘れ難いほど魅せられたので、写真を撮る条件はともかく、その雰囲気が味わえればいい。



峠の手前に車を止めて、緩い坂道を上りきると神社入り口。






やはり紅葉の盛りには早かったものの、「ああ、いいな」と思わせてくれる風景がある。






石段を上ると陽が差してきて、参道の石垣を照らす。
また、「ああ、いいな」と思う。



二の鳥居のある空間は、ちょっと息を呑むような空気が湛えられている。



夕暮れ時の前回は深く森厳な気配に感じたが、今回は柔らかい光に包まれるような感覚になる。
その全く違うような気配であっても、やはり同質の、この場に漂う雰囲気というものもある。


 今回は拝殿付近の写真は殆ど撮らなかった。
前回、拝殿の奥にあった欠損している鳥居は無くなっていた。
あれはあれで独特の雰囲気があってよかったのだが。


 さて、参道に戻り、暫し木漏れ日と戯れることにする。
最初に中途半端な時間帯と書いたけれど、思いの外いい時間帯であったようだ。 
前回と同じく、朴の木の大きな落ち葉も目に楽しい。 


 






ふと気付けば、自分でも驚くくらい寛いだ気分になっていた。



名残惜しいが、そろそろ帰ることにする。






何度も振り返りつつ参道を戻る。



往きとは太陽の位置もだいぶ変わった。









最後にもう一度振り返って、「また来よう」と思い、神社を後にする。


撮影日時 121107 10時~10時50分
駐車場 神社入り口より砥取側へ50メートルのところで道が広くなっている。
地形図
道路地図


龍穴神社

2012年12月04日 | 再訪

奈良県宇陀市室生


ここを掲載するのは二度目だけど、訪れたのはたぶん6度目か7度目になると思う。
何度訪れても「いいなぁ」と思える場所で、いつ訪れてもその神域の気配は揺ぎ無い。
ただ、境内は杉を中心とした常緑樹しか無いため、季節などによる変化も乏しく、受ける印象もあまり変わらない。
というわけで、今回は写真はあまり撮らなかったし、龍穴の方にも寄らなかった。
それでも、寄れば必ず何か満たされるような気がするから、これから先も、きっと何度も訪れるだろうと思う。






車道から鳥居を一歩くぐれば広がるこの風景には息を呑む。
私の頭の中で描く、森厳という言葉のイメージにぴったり当て嵌まる空間だ。
霧の日や雪景色だと、もっとそれらしくなるだろうし、いつかそういう光景を撮ってみたい。









やや中途半端な時間帯に訪れたが、木漏れ日が美しかった。






境内横を流れる谷川の対岸に山道がついているので歩いてみた。
本殿を真横から見ることが出来、色彩の乏しい杉林の中で朱が鮮やかに浮かび上がっていた。
この道は、恐らく龍穴の注連縄を付け替える際に使われると思うが、少し進んだところで立ち入り禁止になっていた。


撮影日時 121107 9時~9時20分
駐車場 神社前駐車可
道路地図
地形図


三輪神社(再訪)

2011年05月10日 | 再訪

京都府京都市右京区京北明石町


これで四度目の掲載になる。
ただ、過去に訪れたのは夏に二回、秋に一回なので、春は今回が初めてとなる。
小さな神社なので撮る場所は限られているし、霧などの特殊な気象条件にでも出逢わない限り、そうそう代わり映えのする写真が撮れるとは思えないけれど、とにかく好きな場所なので、時々ふっと行ってみたくなるのだ。



神社前に着いてみて驚いた。
まだ桜が満開であったこともそうだが、そもそもここに桜があることに気付いていなかった。
一般のヤマザクラより花は白く、小振りで控え目な印象だが、こちらに迫ってくるように「ぱあっ」と勢いよく咲いている。



まだ辺りは薄暗いので桜だけが輝くが、その奥にひっひりとある鳥居も魅力的だ。



鳥居奥の木々を見上げれば、淡く朝日が注ぎ込んでいる。
深い杜でもなく大木があるわけでも無いが、その連なりは表情豊かで思いのほか奥深い。






参道はまだ朝の賑わいは無い。






参道左手が少し伐採されたようで、やや明るくなっていた。
ちょっと寂しいような物足りないような気分になるが、静かで落ち着ける環境であるのは変わりない。






いつも通り、社殿の無いこの空間に見入る。
自ずと視線は上へと転じ、空との繋がりを思う。



光線状態は今ひとつではあったけど、何となく満たされた気分で神社を後にする。






帰り道、廻り田池に立ち寄って写真を撮った。
三輪神社から直線距離でも5キロ以上離れているし、一緒に載せるのもどうかと思ったが、一つの記事にするほどでもないので併せて掲載。
ここを目的に行くような場所ではないけれど、いつも通りかかる度にちょっといいなと思える表情があって、しかも今回は朝の冷え込みで水蒸気が立ち上って、いつも以上にいい表情を見せてくれた。


2万5千分1地形図 殿田
撮影日時 110506 5時~6時20分

駐車場 神社前駐車可
地図


二宮神社

2011年01月18日 | 再訪

兵庫県篠山市大山新


引き続き、昨秋の風景を。
ここは三度目の掲載で、何れも撮影の季節、時間帯が同じなので、文章は少なめにしようと思う。
ただ、今回は色付きのピークをやや逃したようであるし、ちょっと日差しが強かったせいで明暗差も大きくなった。
いろいろ諸条件があるので明確には言えないけれど、やっぱり写真の腕は上がってないような・・・。
それはともかく、秋にはぜひ訪れたくなるいいところです。

写真のストックがほぼ尽きたので、暫く更新が遅れそうです。すみません。



















































撮影中、地元の老夫婦の方が参拝に来られた。穴場と言っていい紅葉スポットは、地元の方もご自慢の様子。
私も、静かに紅葉が見たい友人がいれば、ここに案内することにしている。


2万5千分1地形図 宮田
撮影日時 101129 9時50分~11時30分

駐車場 あり
地図


後川稲荷神社

2011年01月11日 | 再訪
兵庫県篠山市後川中


今回も昨秋に出かけたときのものを。
最後の紅葉を見ようと久しぶりに篠山の神社に行こうとして、ふと、この後川稲荷神社のことを思い出した。
前回に訪れたのは4年近く前の5月で緑いっぱいだったけれど、その中にモミジが多くあったことを思い出したからだ。
といっても、ここは標高約350mの山間部。篠山盆地より紅葉は早いので、恐らく散ってしまっているだろうと期待せずに出かけた。

前回は駐車場の存在を知らなかったので、集落の外れに車を駐車し、少し歩いて訪れたが、今回は神社の西側にある駐車場に車を入れる。
神社は清陰寺というお寺の境内にあるので、どちらかといえばお寺の駐車場である。
まずは鳥居でなく山門をくぐり、何となくお寺の庭に侵入するような気分で左手に進む。



二度目とはいえ、ちょっと落ち着かない気分だが、鳥居はすぐである。
奥に見えている建物が清陰寺だ。



やはり紅葉は散ってしまっており、鳥居だけが鮮やか。
けれど、ちょうど朝日も顔を出して、初冬の朝の清々しい空気が気持ちよい。






さして長い参道ではないし、すぐ右手にはお寺が見えているのだが、やはり朱の鳥居が連なる様には惹かれるものがある。



苔も彩を添えてくれるのが嬉しい。






朱色が、朝日で色合いを豊かにする。



割拝殿手前の境内社。



石段を上り、割り拝殿をくぐると正面に本殿。
写真には撮っていないが、左手には朱色に塗られた祠のような鈴堂という建物があって、かつてはこちらが本殿だったらしい。
現在の本殿は昭和初期に建てられたものである。



山里の稲荷神社といえば、小さくて朱塗りというのが定番だが、ここはなかなか立派で落ち着いた佇まい。



そして、本殿背後の眷属堂には、以前と変わらずユーモラスなような不気味なような気配で・・・。


2万5千分1地形図 福住
撮影日時 101129 8時40分~9時10分

駐車場 あり
地図