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神社のある風景

山里の神社を中心に、歴史や建築等からの観点ではなく、風景という視点で巡ります。

岩神社

2010年12月07日 | 再訪
奈良県宇陀市大宇陀区栗野


ここも再訪というか再掲載。
規模もとても小さく、先日掲載した春日神社と同じくらいの広さだが、とても奈良らしい雰囲気を湛えていて、小さくても地方色というのが感じられて面白い。
前回は夏だったけれど、今回は秋なので表情はだいぶ違う。
ただ、それでもこの場所が持っている雰囲気というものは変わらないもののようで、夏には木陰になる場所が、葉が落ちて日溜りになっていたりしても、憩うのにとてもいいなぁ、と、以前と同じ感想を抱く。
子供が遊んでいても、お年寄りが集っていても似合いそうな場所だ。



国道からも神社の紅葉はよく見えた。
朱色の橋と紅葉、それに秋の日差しがいかにも里の神社といった風情で迎えてくれる。



ここの鳥居は、あまり「境界」を意識させない。
右手にはゲートボールなどが出来る広場があるし、里の延長線の長閑さがある。



ただ、鳥居をくぐって左手にあるもうひとつの鳥居から本殿方向を見ると、独特の神寂びた気配が伝わってくる。



たくさんの境内社が賑やかなようでいて、ある種、静けさを醸しているようでもあり・・・。



視線を右に転じると、柔らかな紅葉が賑わいに加勢する。



あー、でもやっぱり賑わいだけじゃない、静けさや温かさや、いろんなものを想起させる。






小さく簡素な境内社も、様々な空気を纏っているようだ。



これから更に葉が落ちて、木々は寂しい姿になるけれど、たぶんここの雰囲気は変わらないのだろう。


2万5千分1地形図 古市場
撮影日時 101118 10時15分~10時45分

駐車場 神社への分岐付近で国道が広くなっている。
地図


三輪神社

2010年11月29日 | 再訪

京都府京都市右京区京北明石町


紅葉を見るのによさそうな神社は無いだろうかと、適当に過去の写真を見ていたら、この三輪神社が目に留まった。
ここは過去二回訪れているが、いずれも春のことで、緑の鮮やかさが印象に残っている。
おそらく秋の表情も期待出来るに違いないと思い、訊ねてみることにした。
三回目の探訪で三回目の掲載。
ほんの小さな空間に拝所があるのみだけれど、他では得難い空気がここにはあって、行く度に心惹かれる。



神社前の道路でなにやら工事をしていたが、鳥居の先はいつも通りの静けさを湛えている。
木々の色づきは今ひとつで、それも黄色ばかりだ。






晴れれば背後から光が差し込んで、色づいた葉を輝かせてくれる筈なのだが、あいにく天気も悪く、時おり小雨も降る。
でもここは、晴れていても曇っていても、すーっとその場に溶け入るように、辺りの空気と同化出来てしまいそうな優しさがある。






微妙な色づきは、優しげな色でもある。






それに、この拝所を包むかのように取り囲む落葉樹を見れば、派手さは無くとも息を飲まずにはいられない。
空気は流れても、揺るがず湛えられているものがある。









拝所の前に立てば、自ずと目は高みへと向く。
谷間にあって薄暗いのだけど、どこか清々しい明るさのある場所だ。









鳥居方向を見る。
こちら向きの方が光線状態はいいようで、暗がりの中で色づいた葉が輝いて見えた。
行ったり来たりを繰り返して、身体が冷え切ってしまうまで、辺りの風景に見入った。


2万5千分1地形図 殿田
撮影日時 101116 10時~11時40分

駐車場 神社前駐車可。
地図


松尾神社

2010年06月16日 | 再訪

京都府亀岡市西別院町犬甘野


ここを訪れるのは四度目で、以前にも紹介している。
参道が長く、緑濃い。
そこを歩く度、この木とこの枝を伐ると、もっと奥行きの感じられる、素敵な参道になるだろうなぁ、などと夢想したりした。
べつに庭師の方のような技術や知識があるわけではないけれど、参道の手入れをしてみたい、と強く思わされた場所だった。

前回の参拝から二年以上が経過して、久しぶりに再訪したくなった。
雨の降る日だったが、まだここの雨天の風景は見ていないし、ちょうどいいと考えて神社に向かう。
神社から離れた広い場所に車を止め、傘を差して歩く。
雨に潤う新緑の参道を思い浮かべながら歩けば、やや強い雨も苦痛でなくなる。



神社前に着くと、何か違和感を覚える。
天気の違いによる印象の差かと思ったがそうではなく、天気が悪いにも関わらず妙に明るいからだ、と気づく。
ああ・・・と思わず声を発してしまいそうになったのは、鳥居周りから、その奥へと続く参道にかけて、相当数の木々が伐採されている様子が窺えたからだ。



参道に入り、鳥居を振り返る。
左手は、以前は向こう側が見辛いほどに木々が密生していて、確かに雑然としているようにも感じられたし、それ故に手入れしてみたいなんてことも思ったのだが、今はあからさまなくらいに見通せて、ちょっと悲しくなってくる。
杉、檜、椿などの一部を除いた常緑樹、それから落葉樹の殆どは伐られてしまったようだ。
それなりに太い木も切り株だけになってしまい、期待した新緑の潤いも感じられない。
でも、皮肉なことに、雨脚が強まって辺りが煙ると、隙間だらけになった木々の間から入り込む光は程よいものとなり、森厳とした深みのある参道を描き出した。



伐られた木や切り株があちこちに見られる。
良くは判らないけれど、庭師が入った直後の庭というのは、随分とバッサリいったなぁ、と思うことが多い。
結果的に見れば、その方が庭の美しい期間を長く保てるのだろうし、現時点で丁度いい具合にしようと少し手を入れたところで、すぐに元の雑然と茂った状態に戻るであろうとは思う。
参道は庭とは違うし、庭園的な美的感覚だけで語るわけにはいかないにしても、それでも、もう少し太い木や落葉樹も残してほしかったと思う。



二の鳥居辺りも、やはり相当数の木が減ってしまっているようだ。
緑に包まれているといった感覚になれた場所なのに、殺風景な空間になってしまった。
ただ、ここも雨のお陰か、美しいと感じさせられるものは湛えている。



二の鳥居と拝殿、その向こうには三の鳥居が見える。



三の鳥居から四の鳥居と本殿覆屋。
右手には磐座へと続く石段がある。



前回の撮影は7月で、この辺りは苔の豊かなところだったが、今年はどうなるだろうか。



本殿前から振り返り、見上げる。



同じく本殿前から狛犬を。
以前はここから磐座の存在がわからないくらい緑が茂っていたが、今はすっかり見通せるようになった。
鬱蒼として、秘められた場所という感じだったのだが。





磐座が纏う苔や羊歯も減っていくかも知れない。
もちろん長い目で見れば、また木々は育って、また苔も羊歯も増えていくのだろうけど、やはりこういう光景は寂しいものだ。


2万5千分1地形図 法貴
撮影日時 100507 10時10分~11時10分

駐車場 軽なら神社の傍に停められるが路駐。普通車は離れたところで道路の広い場所に駐車したほうが無難。
地図


二宮神社 その2

2009年03月20日 | 再訪

兵庫県篠山市大山新


以前に紅葉の美しい場所として紹介した神社である。
前回は一昨年の秋に撮影したもので、再掲載の今回は昨年の秋の撮影なのだけど、同じ場所を再掲載するのに、再び同じ季節の写真というのも芸が無いなぁと思わないでもない。
内容も似たり寄ったり、というか、光線状態、色付き共に一昨年の方が良かった気もするし、写真そのものの出来も、何かしら良くなったというような要素は見当たらず、いや、寧ろ悪くなったかな、なんて思えてきて少しばかり気落ちしたり・・・。
とはいえ、一般的には常緑樹の多い神社という空間が、このように鮮やかな落葉樹に彩られる場所も少ないので、私の中では「紅葉の神社」といえば、この二宮神社が最初に頭に浮かぶ。
今後も秋になれば訪ねたくなるだろうし、いちおう去年の秋の記録、ということで・・・。



社頭と境内とでは、紅葉のピークに10日前後の差がある。
鳥居前のモミジは色付きが早い。
周囲は杉や檜に覆われた山林だが、鳥居の周りだけは秋の装いで着飾っているかのよう。



前回と同じく、紅葉を愛でる人もおらず、静かな華やぎである。



鳥居をくぐれば、色付いているのは入り口付近だけで、参道奥はまだ緑色のままだ。



鳥居前の紅葉が散って寂しくなると、今度は参道奥が賑やかに色付く。



北向きの社殿、谷間の地形、ということで、太陽は正面左よりの山の端から顔を出し、まずは参道右手の木々を照らす。



やや日が翳る。



今度は参道左手の木々を照らす。



光の動きに注意していると、みるみる太陽が移動していくので驚く。
ゆっくりと時間が流れているようであったのに、何だか忙しなくなってくる。
撮影の方も忙しい。



参道から左へ分岐する境内社への道。



社務所前から社殿方向。



日が翳ったせいか、木々の色付きは、賑わいよりも静寂を際立たせるような・・・。



社務所と手水舎の屋根の上で、赤と黄の競演。



本殿の背後は、南天の実が彩を添える。


2万5千分1地形図 宮田
撮影日時 1~3枚目、13枚目 081119 13時10分~13時40分
               4~12枚目             081130  10時~11時10分

駐車場 あり
地図                  

 


質美八幡宮 その2

2008年12月25日 | 再訪

京都府船井郡京丹波町質美


再掲載である。
「いい神社だなぁ」と思った場所で、掲載した写真が納得いかなかったり、全く違う季節や時間帯で別の表情が写せたりしたら、こんな風に再掲載しようと思っているのだけれど、実際のところ、前回より良い写真なのかというと、自分でもよく判らなかったりする。
それに、納得いかない写真は山ほどあるし、それらの場所をいちいち再掲載していくわけにもいかないから、その基準は気が向いたらといった感じで適当なものだ。
ただ、今回は季節が違うので、前回とは違う雰囲気であるとは思う。
訪れた回数も、これで5回目。勿論ここだけを目的に、それだけの回数を訪れたわけではなく、若狭や丹後方面の行き帰りに、ついでに寄れる場所にあるという理由が大きいが、私としては、それだけの回数を立ち寄ってみる価値のある場所、ということで、少しでもいい表情を紹介出来たら、と思う。



前回は春だったが、今回は秋の装いが始まる頃。
鳥居より奥は深い参道であるが、どちらかというと山の気より里の気配が強く、それでいて深く静かな空間になっている。


何となく清々しい印象の鳥居だ。


参道から振り返る。
鳥居の向こうは長閑な山里の風景である。


たぶん、この神社で最大の杉。


足許がややぬかるんだりしているところもあるが、とても気持ちのいい参道。
歩いているうちに、身体に溜まった汚れが落ちていくような気がする。


参道横の風景。
正面の緑に輝く低木はコシアブラだろうか。やがて白に近い黄色に色付くはずだ。


二の鳥居の前から振り返る。
色付くのが早い桜の木は、決して鮮やかに紅葉はしないが、ちょうどいい具合に光が射し込み、美しく輝いてくれた。


二の鳥居は正面からの光線状態が悪かったので、くぐってから振り返った風景を。


高みに拝殿が見えてくる。


拝殿の先、更に高みに本殿。


本殿彫刻。
淡い西日が、精緻な陰翳を描いてくれた。


本殿右手の境内社。
さして大きくはないヒノキの、その根の逞しい存在感。


社務所(?)前のモミジ。
次は、真っ赤に染まった姿を見てみたい。


2万5千分1地形図 胡麻
撮影日時 081106 14時半~15時40分

駐車場 神社西側の狭い道を進むとスペースがある。
地図

 


三輪神社 その2

2008年07月16日 | 再訪
京都府京都市右京区京北明石町

ここも以前に紹介した神社である。
撮影時期は、前回と同じ7月ということで、大して代わり映えするものでもないと思うが、時間帯をずらしたことと、晴天であったことにより、私には珍しく明るめの写真になっている。
そのため、前回に比べれば静謐な雰囲気というものに欠けるかも知れないが、滴る緑に溶け入りそうな空間の中で、社殿の無い簡素な美しさが映えたのではないかと思う。



小さな谷間にある、ほんの僅かな空間なのだが、歴として神域の空気が湛えられている。


行き止まりは見えている。だが、さして長くは無いその参道に、何故かとても奥行きを感じる。


木漏れ日と、せせらぎと、緑、緑、緑。


豪華であることも、素朴であることも、それぞれに意味はあるのだろうけれど、この場に佇むと、意味を探すことさえ無意味に思えてくる。


静寂と太陽の賑わい。


拝する。


2万5千分1地形図 殿田
撮影日時 080709 10時40分~11時10分

駐車場 神社前に駐車可
地図
 

八柱神社 その2

2008年06月25日 | 再訪

兵庫県篠山市初田

ここは以前に紹介した神社である。
ホームページなどの場合、写真の差し替え、といった形で済ますところだし、ブログでも、過去の記事をトップに持ってきて写真を差し替えることは出来るのだけど、過去の記事は過去の記事として残しておきたいので(消してしまいたいものもあるが・・・)、こういった形を取らせて頂くことにした。
過去の記事でも書いているけれど、とても好きな神社の一つである。
四季の変化が乏しい神社ではあるし、あまり代わり映えのしない写真かも知れないが、今後も時々、こういった風に過去の神社を再掲載したいと思っている。



林道から参道に入ったところ。
初めて、ここからの景色を見たときの高揚感は忘れられない。
左手には摂末社。林道の少し先にも摂末社がある。


この深い緑の空間は、なかなか得難いものだと思う。
大きな自然石を使った石灯籠は、上部が落ちてしまっている。


写真では判らないが、本殿には2対の狛犬がいる。


苔生した境内に、苔生した狛犬。


相変わらず虫が多いのには閉口させられるが、それでもやっぱり長居してしまった。


2万5千分1地形図 篠山
撮影日時 080615 10時10分~11時10分

駐車場 なし 軽自動車なら参道に乗り入れ可。普通車は、集落外れの広い場所に駐車した方が無難。
地図