神社のある風景

山里の神社を中心に、歴史や建築等からの観点ではなく、風景という視点で巡ります。

後川稲荷神社

2008年04月17日 | 兵庫県
兵庫県篠山市後川中

以前に紹介した、後川上にある春日神社から程近い、後川中の集落にある。
春日神社の頁では、「篠山では最も山深い」と書いたが、かつては丹波と摂津を結ぶ交通の要衝であったらしく、多くの参拝者で賑わったらしい。
今では離れた場所を通っている国道がメインルートになっているが、かつての道は、県道となって摂丹を結んでいる。

後川中の集落に入ると、地図に載っていない狭い道が幾つか分岐している。
念のため歩いていたお婆さんに「神社はどこですか」と尋ねると、川の向こうだと教えられる。
後川中にはもう一つ神社があって、それが川向こうにある春日神社(紹介した後川上の春日神社とは別)なのだが、この辺りで神社というと、その春日神社のことになるようだ。
「この近くにもある筈なんですが・・・」
「お稲荷さんやったらあっちのお寺の横にあるけど」
ここで初めて、これから行こうとしている神社が稲荷神社であることを知る。
どこでもそうなのかも知れないが、少なくとも京都や丹波周辺では、神社は「お宮さん」、稲荷神社は「お稲荷さん」と明確に呼び分けていることが多くて、私のように地図の神社記号を頼りにあちこち訪ねていると、しばしば戸惑うことがある。



少し進むと、お婆さんの言葉通り清陰寺というお寺に辿り着く。
お寺の横に回ってみるが、神社が見当たらない。どうやらお寺の中にあるようだ。
お寺の片隅にある小さな祠みたいなものだろうかと危惧しつつ、山門をくぐってみる。左手にあるマキの大木の横を通って奥へ進むと鳥居が見えてきた。
朱の鳥居が連続し、ちゃんと参道もあってほっとする。


割拝殿らしき建物の向こうに本殿が見えてくる。思いのほか立派なものだ。


稲荷神社にしては渋めの本殿だが、その背後には・・・


眷属堂と呼ばれる赤と黒に塗られた建物があって、木造白塗りの狐がズラリ。
不気味と見るかユーモラスと見るか、とにかくなかなかに興味深い神社であった。


2万5千分1地形図 福住
撮影日時 070524 11時半頃

地図

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4 コメント

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こんばんわ (era)
2008-04-17 22:34:03
こんども濃いコースまわってますね。成果楽しみに
していますね。
室生龍穴は、こんども期待ハズレですか!
hiro1jzさんのことだから、それでもナイスな写真
を撮れた予感です。

この稲荷さんもスゴイですね。関東も稲荷さんは
たくさんあるんですが、山のなかの稲荷さんて
自分は知らないんですよね。とくに東京では、町の
神社の印象が強いんですよね。
ラストの写真はすごいですね。夜にはみたくない
ですけどね。

熊野は時宗の関係もあるんですが、来るもの拒まず
というか社会的地位の低い人でも参拝できたり素敵
な要素が多いですよね。自然環境を含めて大事な
神社だと思います。

乱獲というか将来のことも考えないマニアというか
オタが多くて心痛みますね。
本州最南端の神社で和歌山の少彦名が常世に渡った
とされる神社があるんですが、そこは貝の貴重種が
豊富な場所だったんですが、いまでは、ほとんど貝
が取れなくなっているそうです。
もちっと先のことも考える人が増えて欲しいです。

国家神道への反動は、ありますね。いまでは古代史
の大家の梅原猛さんも、古代史・神社の伝承を書く
ようになって大ブーイングだったそうです。
やはりアレルギーがあったんでしょうね。
信仰だけではなくエコロジー的な視点や祭りを通し
た伝統。その他もろもろで神社の魅力を再発見の
方向にすすむといいんですけどね。
復古主義的な方向は反対ですけどね。
風景というのも面白いファクターですね。これは
癒しなんかにも通じますもんね。
hiro1jzさん頑張れ。

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Unknown (hiro1jz)
2008-04-18 03:30:16
まあそろそろ諦めて龍穴神社はアップしようかと・・・。
11社回ってアップできそうなのは2、3社ですかね・・・、

なんとなく私のイメージでは、稲荷神社は山の上というふうになってます。
山里では、小高い山というか丘という程度の場所に、よくお稲荷さんがあります。
伏見稲荷も山、ですよね。

車に乗って排気ガスを撒き散らしている時点で、
環境については大きなことを言う資格がないのかも知れませんし、
手元に置いて育てたい気持ちもわからなくはないんですが、
やっぱりそこは堪えてほしいところです。

風景というファクターが、果たして役立つかは判りませんが、
ご声援に応える意味も込めて、風景として大好きな神社をアップしました。
以前に、兵庫県に紅葉の綺麗なとっておきの神社があるとお話した神社です。
こんな神社が人知れず眠っているから、神社巡りはやめられません。
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狛狐 (uzi)
2008-04-19 11:51:17
陶器製の狐さんはポピュラーなんですけど、木製ですか! 初めて見ました。
白い色が妙になまなましく感じました。
ライトアップなんてされたら、もうビビってしまいそう。
苔狛犬くんより、こっちを先に行きたいです。
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Unknown (hiro1jz)
2008-04-20 10:07:12
何の予備知識も無いまま訪れた私は、
昼間だというのに、見た瞬間ちょっとビビりました。
裸電球がぶら下がっていますし、もしかしたら夜には明かりが灯るのかも知れません。
明かりが無くとも、月明かりにぼうっと浮かび上がりそうです。
ちょっと見てみたい気も・・・。

チェス型狛犬、手のひらサイズなら欲しいなぁ(笑
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