a journal of sociology

社会理論・現代思想を主に研究する今野晃のblog。業績については、右下にあるカテゴリーの「論文・業績」から

ポストブルデューの社会学

2005年07月10日 | 理論
 ブルデューが死んだのは2002年でしたから、もう3年がたつんですね。時間が流れるのは早いものです。フランスには、France cultureという教養ラジオ局があって、そこでは時々デリダが出てきたり、あるいはフーコーやドゥルーズの講義が放送されていたりするのですが、そこではブルデューの死去の際には、様々な番組が企画されていました。そこで、ブルデューと親交の深かったシャルチエが、ブルデューの死去に関して電話インタビューに応えていたのですが、インタビュアーの「ブルデューと哲学の関係についてどう思うか?」といった主旨の質問に、「しかしブルデューは社会学者ですが……」と、戸惑いながら応えていたのが非常に印象的でした。これって、仏における哲学のポジションを物語るエピソードだと思いませんか?

 さて、主題の「ポストブルデュー」の社会学についてですが、実は仏においても、その動きはあまり芳しくないように思われてなりません。第一に、仏においても社会学の専門分化が進行しており、ブルデュー的な大理論家は出てきにくい状況にあるからです。

 そうした中で、ブルデュー以後の社会学として注目されていることになっているのが、リュック・ボルタンスキーです(年齢的にはかなり歳なんですけどね‐笑)。その主著のひとつと目されているのが、De la justification。この著作、それなりに注目されており、例えばネグリもボルタンスキーについて論文を書いているぐらいです。しかし、その翻訳がないため、彼の理論はほとんど日本では紹介されていないですね。

 で、この場で少し紹介でもと、思ったのですが、ちょっと前置きが長くなってしまいました(;^_^A アセアセ…。詳細については明日以降に(^-^;。

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