a journal of sociology

社会理論・現代思想を主に研究する今野晃のblog。業績については、右下にあるカテゴリーの「論文・業績」から

気になる本:本の検索「の旅」その1

2009年01月30日 | 読書
どうでもよい話。である反面、ちょっと気になることも。


 というのも、一応私は、自分の専門の中心をアルチュセールの社会理論に置いている。そして、アルチュセールについて何か新しい本が出ていないか、調べたところの話である。

 あまり良いとは思わないが、私は新しい本が出ているかどうかどうかを調べる時は、Amazonを利用している。Amazon.comだったり、Amazon.frだったり、Amazon.co.jpだったりするが……。

 本の書評、その他の一般的な評を知りたい時は、他のサイトを利用するが、「早さ」という点では、Amazonの方が先だったりすることもある。まあ、それは言語や本の種類によっても様々だと思うのだが。(あと、なぜAmazonで調べるにかも、理由があって。というのも、本の存在がわかっても実際に手に取れるかどうかは別問題だから、Amazon.fr等の方が、本の存在がわかればかなりの確立で手に入れることもできて、その点では便利だったりする)

 「早さ」という点で言うと、例えば、以前、仏の新聞ルモンドで、仏植民地の反省に関する著作が中心的に紹介されていた時のことである。そこで紹介されていた本は、私はAmazon.frですでにその本の情報を得ていた&すでに手元にあったりしたのであった。

 以上は、単なる前置きである。(自分が本の情報収集をAmazonに頼っている言い訳である)

 ところで、先ほどアルチュセールについての新刊がないかどうか、Amazon.co.jpとAmazon.frで調べていた。まあ、アルチュセールというのは特殊な思想家の部類に入るので、あまり頻繁に関連書が出ているわけではない。新しい本というのは、実のところ見あたらなかった。

 ただ、アルチュセール関連の著作の中では、佐藤よしゆきさんの権力ト抵抗―フーコー・ドゥルーズ・デリダ・アルチュセールが、一番売れている本だった。ちなみに、二番目は、私も訳者として参加させてもらった再生産について―イデオロギーと国家のイデオロギー諸装置
である(高価な本で、その上公刊してから三年以上が経っていることを考えると、検討ではないかと思う(手前味噌な話だが 笑)。なお、アルチュセールというキーワードで検索をかけ、その上で「売れている順」でリストを表示させた場合の話である)。

 さて、次にAmazon.frで同様にAlthusserについて検索をかけてみると……。上の、権力と抵抗の仏語版であるPouvoir et Resistance : Foucault, Deleuze, Derrida, Althusserが、二番目にランクされていた。全体の中でも50000位台であるから、かなり売れているのではないかと、思う。この辺は、Amazonという本屋の特性、また、ランクの計算&表示方法も考える必要があると思うが、ただ、順位を考えるとすごいことだと言える。

 ちなみに、一位は、ランシエールのLe spectateur émancipé。この本がすごいのは、全体でも2200位台という売れ行き。

 なんだそりゃ? 哲学者の本が、全体の本の売れ行きのそんな順位にリストされるって言うのは、すごいというより、やっぱ仏って変な国だと思う。

 この「検索の旅」、まだまだ続きがあるのだが、それはまた次回。
 


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