a journal of sociology

社会理論・現代思想を主に研究する今野晃のblog。業績については、右下にあるカテゴリーの「論文・業績」から

私的辞典考;その4

2010年07月29日 | 言語
 私にとっては更新が楽なので、ここ数回で私が使っている仏語関連の辞典を私的なお薦めとして紹介している。今回は、仏語の類語辞典の紹介を。

 仏語で文章を書くときに困ること一つは、仏語が同じこと場の繰り返しを嫌がる言語であること。個人的感覚では、英語もまた日本語と比較すると同じ言葉の繰り返しを嫌う傾向にあるが、その英語と比しても、仏語は極端に繰り返しを嫌がる言語らしい。

 で、そうなると、ボキャブラリーにあまりバリエーションがない私はすぐに困ることになる。そして、勢い類語辞典に頼りまくることに……。

 さて、現在私が使っているDictionnaire des synonymesは、全部で三冊。アシェットとロベール、そしてラルースのものである。

 あくまで個人的印象なのだが、一番使い勝手の良いのは、アシェット社のDictionnaire des synonymes。この辞典がよいのは、各語の意味の区別に、用例を用いている点である。私の場合、類語に「意味の説明」が付いているだけでは、使うべき文脈でないところで使ってしまうので、用例で使えるか使えないかを判断出来るこの本は非常に便利である。そう言う意味で、語が使える文脈を判断がしやすいように思われる(でも、あくまで個人的感想)。

 おそらく、類義語の収録数が一番多いのは、ロベールのDictionnaire des synonymes pocheだろう。が、この辞典、類語が羅列されているだけで、その説明はない(文語かファミリアルな表現かぐらい)。だから、私程度のレベルだと、もう一度仏和辞典なり仏語辞典なりを引いて意味・用法の確認をしなければならなくなり、もうひと手間がかかることになる。
 ただ、収録語数が多い分、論文を書くことになると、一番この類語辞典を引くのではないかと思う。

 それから、思いのほか、使い勝手が良いのが、ラルースのDictionnaire des synonymes。これは、各類語の差異が説明されているので、仏仏辞典としても使うことも可能である。

 以上が私の使っている類語辞典。本当は、日本で出ている仏和の類語辞典も購入したいのだが、ちょっと高価なので今の経済状態では……。


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