くらぶアミーゴblog

エッセイを綴るぞっ!

そこまで、どこまで、アイ・ラブ・ユー その6

2007-07-19 08:18:27 | 連載もの そこまで、どこまで、アイ・ラブ
 帰ろうとして立ち上がっていた三鷹も、また話しの輪に加わった。
 宮城が電話に専念しているのをいいことに、その彼女のうわさ話をするのである。
 それにしても、だ。
 平日の夜である。時刻は深夜一時をまわっている。
 宮城と宝田、そして黒川は浪人だから、いくら夜更かしをしてもいいだろうが、三鷹は翌朝も出勤しなければならない会社員なのである。
 大学生になったばかりの尾上も、まだ一年生だから、午前中から授業があるはずだ。
 それでも、この連中はダベり続け、共通の話題でいつまでも笑いあっている。居間には煙草とアルコールの匂いが満ちていて、
「明日の夜も集まろうか」などと話している。
 みんな、若いのだ。この年で19歳になろうという歳だ。常にエネルギーで満ちあふれている。
 こうして仲間が集まると、急に思いつき、夜にバイクで遠出をしたこともあった。港や渓谷で朝を迎え、三鷹などはそのまま出勤していくのである。
 若い頃というのは、そんな下らないことに費やすエネルギーが、無尽蔵にあったように思われる。
 さて、宮城邸の電話であるが・・・。