くらぶアミーゴblog

エッセイを綴るぞっ!

そこまで、どこまで、アイ・ラブ・ユー その13

2007-07-31 21:47:40 | 連載もの そこまで、どこまで、アイ・ラブ
 この連中、ライダー仲間でもあるのだが、宮城だけはまだ免許を持っていなかった。
 誰かのバイクを借りて、住宅街をヨチヨチと走ったことがある程度である。
「お前、事故ったらどうするんだよ」
「それなら、僕を後ろに乗せて、連れて行ってくれよお」
 こうなると、宮城は、一歩も引かぬ。
 深夜である。
 すでに2時を回り、電車もバスもない。全員が酒を飲んでおり、さらに言えば全員が未成年である。
 宮城の言うように、真に差し迫ったことならば、警察に電話をして、彼女の家の様子を見てもらうことも出来るはずだ。自分が行くにしても、タクシーを呼べばいい。
 しかしそこが若さゆえの浅知恵であろうか、この五人には、そういう考えが浮かびもしないようである。
 何でも自分たちの力で解決しようという、エゴもあったのやも、知れぬ。
「検問にでもあったら免許取り消しなんだぞ」
 三鷹が言った。
「人の命と免許と、どっちが大事なんだよ」
 宮城が反論した。


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