くらぶアミーゴblog

エッセイを綴るぞっ!

ショートショート・トリップ その2

2005-08-23 14:46:44 | 

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小町通りにて

 古都鎌倉。
 どのくらい古い時代に開けたのか、歴史にヨワイので判然とせぬが、たしか源頼朝とかにカンケーあると思います。
 修学旅行などでは、こういう歴史ある街を歩かされたり歩いたりしたものですが、当時は特に面白いとは思わなかったです。
「歴史上の人物なんて、自分にはまったく関係ないもんね」といった感じだった。
 それが、だんだん歳をとってくると、これが不思議と面白くなってくるのですねぇ。

「鎌倉幕府というのは、武士が初めて政権をとった幕府だそうだよ」
「へぇ~」
「いい国つくろう、なんて年号を憶えたよね」
「へぇ~」
「あんた、聞いてんの?」
「へぇ~」

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 電線が複雑に交差する風景は、何だかノスタルジーを感じさせます。そう言えば、子供の頃に住んでた街には市電が走ってたっけ。



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とても立派な駄菓子屋さん
品数がすごいのだ


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 今回の旅の一番大事な目的を果たすために、商店街を離れていきます。こんな未舗装の道があったりして、歩くだけでも楽しいのですぞ。



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 ややゴジラ体型の狛犬が出迎えてくれた、ここは鶴岡八幡宮。きっとこんな場所だ。こんなところに“いる”はず。







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 ずーっと奥の奥まで歩いて、耳を澄ませて...。
 やった! やっぱりここでした。実はヒグラシの声を聴きたかったのですよう。
「カナカナカナ....」この声は、都内では聴くことが出来ません。郊外の空気のきれいな、少し鬱蒼とした林の中に、ヒグラシたちはいるようなのです。
 これで今年も、夏に決別出来そうだ。きちんと秋を迎えることが出来そうだ。



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 おまけ画像。鶴岡八幡宮の参道で、鳩サブレーの本店を見つけました。真っ白くてとてもきれいな建物。

 その1へ


ショートショート・トリップ その1

2005-08-22 18:19:36 | 

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 土曜日の朝。
 突然、“ある目的”を果たさなければならぬことに気づいてしまった。これは火急のことである。これをしなければ、僕の中で夏は終わらないのだ。

 ついでにもう一つ、生のしらすというものも食べたくなってしまった。先の“夏の終わり”と全然カンケーないようだけれども、僕ぁ慌ただしく用意を始めた。
 釜揚げのしらすはスーパーでも売っているが、生のしらすはそうそう食べられないらしい。何となれば、本日の行く先は鎌倉の腰越漁港となるのである。ここは江ノ島にほど近い小さな漁港だが、しらすの水揚げで有名なのである。


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 鎌倉で江ノ電に乗り換えた。この単線電車、何度乗っても面白いなぁと思う。家の軒先をかすめるようにして疾走していくのだ。そして極楽寺駅を過ぎると、車窓には一気に相模湾が広がるという大仕掛け。いや、別に仕掛けてはいないです。



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さあ、ここが目的の食堂
しらす丼では有名らしいです


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 まずはさ、冷えた酒を一杯やろうじゃないの。さあ、さあ。
 ここで日本酒を頼むと、こんな正調昭和式コップになみなみと注がれて出てくるのであります。実に正しい給仕と言えるのであります。




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 しらす三昧定食『こゆるぎ』(1250円)。待望の生のしらすは小鉢に入ってます。
 おろした生姜にレモンを搾っていただくと、生のしらすは瑞々しい味がしましたです。これはイワシの子供とのこと。そう言えば、ほんのわずか、清涼な苦みもありました。飯の上に散らばった釜揚げのしらすも、かき揚げに入っていたしらすも、みんな大変に美味。何しろ目の前の漁港で、朝に揚がったものなのですぞ。


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 しっかりと腹を満たし、腰越漁港の防波堤で一休み。それから再び江ノ電に乗って鎌倉へ戻る。もう一つの目的は、恐らく、古都鎌倉のどこかで達成出来るはずなのです。

 つづく


ひまわりとコスモスと

2005-08-19 15:54:49 | 
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霧に覆われた八ヶ岳高原

 熱波の降り注ぐ中央高速を、ひたすら西へ。都内から八王子インターまでが大渋滞だったけど、県境の小仏トンネルを過ぎると速度が出せるようになった。
 甲府盆地に向かう長い坂を下り、広大な桃畑のあいだを走り抜け、長坂インターで降りる。そこから高原を目指して高度を稼いでいくと、やがてダッシュボードに表示されている外気温は、23度まで下がった。これくらいが、ニンゲンが一番快適に過ごせる温度らしいですね。


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友人の別荘に到着したとき、ついに雨が落ちてきた
 しかしここから標高300mも下れば快晴なのである


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初めて会う人々とのパーティーがありましたっ
一番若いワタクシはホスト役


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ほうらほら、大人も酔えばいろんな怪しい動きを♪


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 友人は八ヶ岳で畑をやっているのですが、その畦道にはなあんとコスモスが咲き誇っておりましたあ。標高が千五百メートルくらいあるので、東京とは空気がまるで違うのですね。

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しかしその向こうにはヒマワリもっ!

追:この記事は『チャイディーの世界』「八ケ岳」
『michiko world』「秋を探して・・」
『ぽんすけ日記』「実家の周りには・・・」にぐるぐる~っとトラックバック。


二人だけのコトバ

2005-08-19 14:05:43 | エッセイ

 たまに、妹夫婦と会うときに、一つのささやかな楽しみがあります。
 それは彼らのあいだで交わされる、独特の用語を聞き取ることです。
 例えばこのあいだは、「ギャンス!」というコトバが盛んに交わされておりました。これは彼らが飼っている三匹のネコのうちの一匹、『しゃなん』

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こいつです

 の発する声だというのです。
「あの時、しゃなんが“ギャンス”と言ったの」
 これがきっかけで、最近はしゃなんの別称がギャンスとなっており、ついでに何かおかしな状況が発生したときにも、「あれはギャンスな状態だった...」なんて表現するわけです。こんな特殊(?)用語を聞いていると、面白くてしょうがない。


 それからこれは、友人とその彼女の話しですが。
 彼女が携帯メールを打つときに、しばしば誤字脱字が起こるらしいです。それが時折、味わい深いコトバとなることがあるので、彼らは日常会話でもそれを使っているようです。
「都合はいいぬ?」(いいの?)
「はからない」(分からない)
「とこかからてんわするよ」(濁点なし)
「もうぬる」(もう寝る)


 夫婦、あるいは恋人。
 付き合いが長くなれば、二人だけのあいだのコトバというのが、いくつも生まれてきます。それは陽光の中で笑いあい、ふざけあったときに生まれた、二人だけの暗号。ふと、別れてしまった人の記憶がよみがえるときも、そんなコトバだけが浮かんできたりすることもあります。
 そんな些細なものが積み重なり、やがては絆となって、二人は寄り添って生きていくのでしょうね。


東京湾大華火祭り、だっ♪

2005-08-18 15:33:11 | まち歩き

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レインボーブリッジのループの真下

 さる8月13日、土曜日のこと。芝浦の、こんな殺伐としたところを、地元のみんなは続々と歩いていくのであります。両手にはクーラーボックス、折りたたみ椅子、シートなぞ持って。“知る人ぞ知る”花火観覧の穴場に向かっているのですぞ。


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 埠頭に出ましたっ。ここは公認の会場ではないので、うるさい警官も、殺気だった花火フリークもおりません。のんびりとした仲間意識のようなものが漂っております。
 しかしこのあと、思いがけないハプニングにより、この群衆はさらなる仲間意識を持つようになりました。


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 激しい夕立でっす! みんなあっという間にずぶ濡れ(予報は晴れだったのだ)。
 僕たちはたまたま予備のシートを持っていたので、それで三角屋根を作っております。


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哀れみんなで河原乞食、濡れて泣きます芝浦埠頭
地面に敷いたシートもびっちゃびちゃですなぁ


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 それでも順調に暮れなずみ、開始時刻七時きっかりに雨はあがりました♪ 
 すぐさま若者の歓声と拍手が上がる。やっぱり夏は花火ですねぇ。

追この記事は『NEKOのブログ』「東京湾大華火祭」にトラックバック。こちらにはちゃあんと花火の写真があります。ワタクシは不精して撮らなかったの。