くらぶアミーゴblog

エッセイを綴るぞっ!

ショートショート・トリップ その1

2005-08-22 18:19:36 | 

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 土曜日の朝。
 突然、“ある目的”を果たさなければならぬことに気づいてしまった。これは火急のことである。これをしなければ、僕の中で夏は終わらないのだ。

 ついでにもう一つ、生のしらすというものも食べたくなってしまった。先の“夏の終わり”と全然カンケーないようだけれども、僕ぁ慌ただしく用意を始めた。
 釜揚げのしらすはスーパーでも売っているが、生のしらすはそうそう食べられないらしい。何となれば、本日の行く先は鎌倉の腰越漁港となるのである。ここは江ノ島にほど近い小さな漁港だが、しらすの水揚げで有名なのである。


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 鎌倉で江ノ電に乗り換えた。この単線電車、何度乗っても面白いなぁと思う。家の軒先をかすめるようにして疾走していくのだ。そして極楽寺駅を過ぎると、車窓には一気に相模湾が広がるという大仕掛け。いや、別に仕掛けてはいないです。



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さあ、ここが目的の食堂
しらす丼では有名らしいです


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 まずはさ、冷えた酒を一杯やろうじゃないの。さあ、さあ。
 ここで日本酒を頼むと、こんな正調昭和式コップになみなみと注がれて出てくるのであります。実に正しい給仕と言えるのであります。




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 しらす三昧定食『こゆるぎ』(1250円)。待望の生のしらすは小鉢に入ってます。
 おろした生姜にレモンを搾っていただくと、生のしらすは瑞々しい味がしましたです。これはイワシの子供とのこと。そう言えば、ほんのわずか、清涼な苦みもありました。飯の上に散らばった釜揚げのしらすも、かき揚げに入っていたしらすも、みんな大変に美味。何しろ目の前の漁港で、朝に揚がったものなのですぞ。


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 しっかりと腹を満たし、腰越漁港の防波堤で一休み。それから再び江ノ電に乗って鎌倉へ戻る。もう一つの目的は、恐らく、古都鎌倉のどこかで達成出来るはずなのです。

 つづく