超兵器磯辺2号

幻の超兵器2号。。。
磯辺氏の文才を惜しむ声に応えてコンパクトに再登場。
ウルトラな日々がまたここに綴られる。

花見ウォーキング

2014-04-07 23:45:31 | 旅行お出かけ
今年は春分の日を過ぎて信じられぬほど一気に暖かくなったから、例年のソメイヨシノも慌ててどばーっと咲いた。これまで10数回あった異動で通勤したロケは10箇所ほどあるが、大体近くに見事な桜の公園があり、同僚達と花見をしたものだ。職場の花見と言うと「哀れな若手社員」が他グループからの領土侵入にびくびく怯えながらひたすら広大な場所を守備する光景があったが「社内旅行」と同様この手の職場イベントは年々減っているようだ。私が入社して間もない時に配属された現場は20代の若者などは珍しいくらい高齢なところで、どちらかというとお客さん扱いしてくれ、花見の場所取りなどは先輩(と言っても40過ぎたおじさん)がセッティングしてくれた。本社系の組織に異動すると何故かそれ「専門要員」みたいなお祭り担当がおり、場所の予約や飲食物の手配など全部完璧にこなしていたし、その人がいなくなってしまうと、既に職場にはもっと若手の社員が後から入って来て引き継いだから、結局幸いにも「哀れな若手社員」は演じなくてすんだ。言い訳ではないが、私はこの手のイベント仕事の要領が恐ろしく悪いから、グループにとってはよかったと思う。

一方、独身寮を出て社宅に入るようになると、割と年齢が近いから仲良しの家族同士で毎年「花見」をすることになる。敷地の中にも桜はあったし、ちょっと歩くと大きな公園もあった。私の母校の裏にあるK森神社・公園も桜が満開になるとそれは見事だった。ある年、社宅敷地内で花見をしようということになった時、子供も入れて10人くらいのグループだったが、奥さん連中と重いモノ運搬用の男手はさっさと買い出しに行ってしまった。「要領が悪くて役に立たない上にいらぬ物まで買いそうな」私は留守番を命じられた。子供たちは遊びに行ってしまい、残ったのは身重の若奥さんだけである。今でこそ家族ぐるみだが、当時は旦那は知っていても、奥方は誰と誰がペアなのか定かでない時期だったから、お腹の大きい若い女性と二人きり残されて一体何を話せばよいのか・・・海上自衛官の集団お見合いのように気まずく空回りしていた。。。ここにも何度か登場した「つぶやき一家」が現れるのはこの数年後である。

少子高齢化が進み、住む人も少なくなって老朽化した社宅も廃止、住人は退去することになったが、この周辺エリアを生まれ育った故郷とするのは私くらいしかいないのに、皆何となくこの周辺に家を建てて住みついてしまった。子供を転校させたくない、とか勤務地がどこに変わってもそこそこ通勤できるとか色々事情はあったかもしれない。子供も大きくなり受験やら部活やら忙しいからスケジュール調整が難しいが皆近所にいるから、このグループで毎年花見を楽しんでいる。今年は早々と予定が決まっていたのだが、何と来週の土曜日!あまりにも慌てて咲いてしまったので、桜はもう散ってなくなってしまう時期だ。先週末が最も見頃の時期だとニュースでは報じられており、最近学校の行事やら仕事などで休日に不在なことも多くなった妻がたまたま休みでいたので、せっかくだから花見に行こうということになった。甘辛は部活でいないからとうとう二人だけの花見になってしまったが。。。

どこにしようか・・・鎌倉方面、茅ヶ崎・西湘方面、桜の名所とはいたるところにあるものだ。世に有名な花見の名所はどこも混んでいるだろうし、二人だからわざわざ遠出する気にもならず(歳とると近場で済ますものだ)、結局条件は「川や池など水があるところ」「広々と明るいところ」「歩いて行けるところ」「トイレがあるところ」、今や唯一とも言ってよい「共通の趣味」となった散歩しながら、スーパーで酒と食い物を買い込ことにした。弁当や酒を山ほど買い込むからそんなに長い距離を歩けるわけではない。私は荷物積み込み用リュックを背負って超兵器を首からかけ、「なあーんだ、オレんちの正面にもでかい桜あんじゃんか」と川沿いの土手を指差しながらエントランスを出たところでちょうど道路を通りかかった女性がいた。甘辛が幼稚園の時から友達だった「なっちゃん」のママである。「ああーっ、久しぶりぃ!二人でお花見?」(ママさん連中の立ち話、苦手・・・)
「この前、ご家族で「湘南藤沢マラソン」走ってましたよね」「そうそう、パパとは●●の前でも会ったよね。微妙に接点あるよね」

  

一人でそこまで買い物に行った帰りだそうだが、ご主人は店舗の営業なので不在、大学生のお兄さんはPCオタクで家に閉じ籠りきり、なっちゃんは陸上部で三ツ沢競技場で今シーズン初の大会だそうだ。「甘辛、サッカー続けてるんでしょー?えらいよねー。がんばってね」小学校から中学、高校に進学したきっかけでそれまでやってきたスポーツをやめてしまう子が結構多い。選択肢が増えるから別世界へという子もいるだろうが、残念ながらモチベーションが続かなくなってやめてしまう子の話の方が多い。
「うちの娘、この前塾の帰りに甘辛と一緒になった時『なっちゃん』と呼ばれたって喜んでたよ。高校生になると女子でも名字呼び捨てが普通なんだってさ」コミックやドラマでは「ちゃん付け」やニックネームばかりだが、普通の学校生活では「鈴木」とか「田中」とか名字が主流らしい。

なっちゃんママと別れて我々は川沿いを河口に向かって歩き出した。橋を渡って神社を抜け大通りを少し歩いたところにスーパーがある。「橋渡った川べりにベンチのある広場あったじゃん。あの場所広々としててよくない?」「おーっ、酒屋も向かいにあるしなー。でも確かあそこ、桜の木なかったぞ・・・」
我々はスーパーでビールや缶チューハイ、弁当とつまみを山ほど買って、リュックにぎっしり詰め、もう一つ下流にある橋に向かった。目黒川とはいかないが、川沿いのハイキングコースには結構満開の桜が何本もあり、ウォーキングしながらも十分に堪能できる。ただ思い荷物を背負っているから、どこかで座を設けたいところだが、どうも落ち着いて腰を落ち着けるところがない・・・結局、いつもお友達家族と花見をした緑化公園まできてしまった。中央にある芝生広場の周囲にたくさんの桜が満開となって咲き乱れている。たぶんその日が最高の陽気で、盲導犬クイールのような犬もテントの横に気持ち良さそうに佇んでいる。

            

さすがに人で賑わっていたが二人だから場所はどこでもとれた。マクロレンズとかいう望遠レンズを装着したパワード203号は花に惹かれてやってくる普段は見ない野鳥撮影用だったが、見たことのある鳥しか来なかった。弁当を食ってビール、焼酎をがぶがぶ飲みながら、昔話に花を咲かせたものだ。甘辛がまだ幼かった頃、巨大な桜の木のてっぺんの方まで登って行ったこと、初恋のハニーちゃんが実は人妻だったと知り、ご主人を借りてきた三輪車でひき逃げしようとしたこと、立ち入り禁止の菖蒲池でドロドロになってザリガニを捕まえてきたこと、足先で行うリフティングを宴会のさなかも飽くことなくの練習していたこと、ささいなことで社宅向かいの駐輪場と中庭じゅうに聞こえる大夫婦喧嘩となった「K瀬家の乱」。。。(実は参加メンバで夫婦揃って仲直りして来るかどうか「賭け」をしていた。)

        

大体、二人で飲む時はたあいのない話を延々とすることが多いが、この時も持ってきた酒を飲み尽くし夕方に近くなってきたのでぶらぶら帰宅したのだった。風呂に入っていると、部活から甘辛が帰ってきたようだ。部活帰りで汚いから、とっとと風呂へ入るよう妻に言われたらしいが「父ちゃんと入ると『英単語』とかやらされるから煩わしい」と私が上がるまで待っていたそうだ。「英単語?今日は花見でがっぷり飲んじゃったからそんな元気ねーよ。」私が赤い顔をして苦笑すると「へーえ、二人で花見行ったんかよ・・・」同年代の女子がいなければ桜なぞ全く興味を持たない年頃だよなー。今週末は別の場所でわざわざ電車で全員集合することになっている。ちょっと趣向があって花火大会もあるお祭りだというのだが、昼間は公園で花見大会予定だから何とか少しでも花が残ってほしいものだ。何百本のすごい桜並木でなくとも、一本咲いてりゃー十分だからな。


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2 コメント

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Unknown (磯辺太郎)
2014-04-14 06:02:22
小夏さま

ウルトラアクションというシリーズのフィギュアなのですが、実は我が家のリビングテーブルにおかしなポーズで座っていて・・・犯人は息子でした。
時に師匠、秋葉原でこれの「ドアラ版」発見しましたぁ!値段は5500円!かなりレアなんでしょうねー。

いやー、奥さん今では仲良しなんですが、当時は誰の奥さんかもよく知らなかったので緊張しました~
パワード203号レンズは野鳥&彗星撮影用に購入した安いヤツです。キャノンのなんか高くてこずかいでは買えません・・・

ははは。師匠を「ちゃn付け」で呼べる方もおられるのですね。私も親類の行事などで時々「ちゃん」と呼ばれる時がありますが、何か恥ずかしいようなむず痒いようで、新鮮な感じもしますね。

お釈迦様の花祭りというのがあるんですか。長谷寺はもうすぐアジサイでにぎわう季節ですねえ。
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Unknown (小夏)
2014-04-13 19:08:27
ぎゃっはーーーウルトラの人形が激お茶目~
師匠ご夫妻がいままでされてこなかった分野のような・・。どなたの仕業か想像できないなぁ~。。
(まさか、おび紐で背中にしょって行ったのではあるめえな 独り言 爆)

若き磯辺師匠、見知らぬ身重の奥様と待たれたのですかっ!?ククク^^
んっパワード203号@@!
マクロレンズという望遠!?もしかしてキャノン100マクロですか?私前EOS君ではこのマクロで一本勝負していましたぁ~!!

わたくし事ですが、実家近所の高級お寿司屋さんに隣町からわざわざいらっしゃった友人ご夫妻に、
ご店主が「小夏ちゃん」とちゃん付けでおっしゃったのが友人たちにいたく心に残った模様です。
甘辛君の年齢とは次元が違いますが、人の心をほっと和ませるものがありますね^^

そうそう、先日お釈迦様の花祭りとか伝えられまして・・。
たしか前回湘南鎌倉で楽しんだとき、長谷寺で花祭りのお花がまだ残って飾られていたなぁ~~と懐かしく景色を思い出しました
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