超兵器磯辺2号

幻の超兵器2号。。。
磯辺氏の文才を惜しむ声に応えてコンパクトに再登場。
ウルトラな日々がまたここに綴られる。

GOKUにシビれる

2016-03-02 20:59:44 | 旅行お出かけ
再び妻と「芝居」なるものを見に行った。前回「しばいのチカラ」編で紹介して以来だから、4か月ぶりくらいとなる。前回は初心者の私にとっては中々難しいテーマを扱ったものだったが、今回はいわゆる「エンターティメント」に近いものだ。某有名人気グループのメンバが主役となり、若手の俳優やベテラン勢など個性豊かな面々が取り囲んでいる。舞台俳優とされる人はあまり存じ上げないのだが、何と最新の「ウルトラマンX」の防衛チームの橘副隊長が僧玄奘として登場する、つまりは「西遊記」である。公演は19回予定されていて、我々は最後から2番目だった。ものすごい人気で中々チケットが取れないらしく、妻は19回の公演全てにエントリーして1回だけ当たったという。公演は代々木公園の中の特設劇場で行われる。

学生時代はよく足を運んだ渋谷駅だがやたらに再開発されており、東急線で地下に入ってしまうとどこに何があるのかさっぱり分からない。109を横目に山手線沿いに歩くと坂の上にNHKホールが見えてきた。その横が代々木公園のようである。紅白歌合戦のNHKホールだが、ものすごく前に一度だけ訪れたことがある。日比谷公園の近くに勤務していた頃だ。若手のU田クンが先輩のO内さんにNHKホールの場所を訪ねていた。「よくNHKは渋谷区神南秘書箱何とか号とかいうから、渋谷から歩けるんじゃない?」O内さんもかなり怪しい。。。「君らは情けねえなあ。NHKホールの場所も知らんのか?」「磯辺さんは行ったことあるんですか?」「当たり前だろ」「オーケストラか何かですか?」「いや、堺正章とコロッケショーだけど・・・」隣りで聞いていたKギ女史がイスから笑い転げた。。。(どこに笑うところがあるのか、未だに分からぬ)

    

さて劇場の入口まで歩くと、年齢層はそれなりに広いが圧倒的に女性が多いことが分かる。記念グッズなどを一通り物色し、エントランスを入って行くと前回よりもたくさんの観客が詰め込んでいた。特設なので、シートなどは若干安っぽいものだが、ウルトラマンステージのようちゃちな舞台ではなく、本格セットでかなりの奥行をもっていた。座ったシートは何と最前列ど真ん中!今まで色んなステージやコンサート会場に足を運んだが、最前列というのは生まれて初めてだ。ライブビューや映画と異なり、生身の役者がそれこそ手を伸ばせば触れる距離で演じるというのはすごいことなんだろう。正月に甘辛と行ったウルトラマンステージは前から4列目だったが、横にせり出した細い舞台の真横だったので、ウルトラ戦士と怪獣がドタンバタン戦う時の振動や埃などもやってきた。(下手すりゃ怪獣の尻尾にも触れるくらいだった)

    

開演時刻となり劇場内が真っ暗になって、独特のBGMが孫悟空が生まれるところから物語が始まった。「西遊記」と言えば我々の世代は堺正章さん演じる孫悟空に岸辺シローさん、西田敏行さん、そして惜しくも亡くなった女優夏目雅子さんの三蔵法師だったが、残念ながら私はこちらの方はほとんど見ていなかった。どちらかというとドリフの人形劇の方ばかり見ていた。三蔵法師一行は4名なので、確かカトちゃんは酔っ払いハゲで出ていたと思う。シーンが切り替わるところでピンクレディーのちょい歌があったり、時の首相の人形が出てきたり中々社会を風刺したものだと思うが、やはりドリフものはPTAから目の敵にされていた。また正月の「新春かくし芸大会」ではドリフが中国語で西遊記を演じていたように思う。私よりも息子甘辛が「西遊記」が大好きだった。香取信吾さんが孫悟空でうっちゃん、チビノリダーが共演、三蔵法師は深津絵里さんだったが、子供たちの間でものすごい人気があった。小学生だった甘辛は「西遊記」にハマり込み、これがきかっけで「封神演義」などの中国の物語を読みまくり、今や私よりもはるかに詳しくなっている。

さて、ど真ん中最前列で見るGOKUは圧巻という他なかったが、初めての経験で戸惑うことが少なくなかった。役者と目が合ってしまいやりどころに困るのである。特に橘副隊長(月船さららさん)の僧玄奘が「聞いてくれますか?」と悟空に悲しい身の上話を始めた時、うつむき加減にじーっと私の目を見つめるのである。役者が観客の目を見て演じるというのは聞いたことがあるが、どちらかというとまんべんなくアピールするんだと思っていた。しかし舞台の真ん中からじーっと見下ろされると「全く逃げ場がない」のである。思わず「オ、オレ?」と自分を指差してしまいそうになった。。。しばらく凍り付いてしまったが、休憩時間になって呪縛が解けたように周囲を見渡すと、最前列の男子は私一人だったのである。ちょっとドタバタしていたが、歌踊りあり、アクションあり、アドリブ満点の笑いあり・・・でも最後は泣かせるニクい演出だった。一人ひとりの役者の顔が紅潮していったり、ホントに涙を流したり。。。

  

話自体は西遊記のストーリーに比較的沿ったものだったが、迫力の最前列の余韻にひたって劇場を後にした。渋谷周辺など滅多なことで来ないので、食事は我が街周辺にはあまり見られないところにしようと「肉バル」というジャンルの店に入ってみることにした。美味しい肉を食べながらお酒を飲めるという趣向の店で、若者で賑わうエリアから反対側(五島プラネタリウムがあった方?)だから結構静かで雰囲気のよい店だった。自分で選んだ肉の部位やレバーペーストなどをつまみながら、舞台について語り合うのも一興だ。
「なんかさ、副隊長(私はついそう呼んでしまう)が、じーっとオレの目を見つめてるような気がしてビビったよ」隣に座っていた妻に言わせると、間違いなく私を見つめていたという。「一列目で男性はあなただけだったからねえ」やっぱりそうか・・・・

    

舞台は開演して1時間で1回休憩が入り、後半もほぼ1時間、あの動きで1日2回も公演するのは大変な体力だと思うが、正直チケットも安くはない。パンフレットも高級感溢れていたが、1冊は映画を見る代金とほぼ同じ・・・しかしファンというのはすごいもので、抱えきれないほどのグッズを買い込んでいる人が結構いた。甘辛が家を空けがちになり、親とあまり行動を共にしなくなる今年、数少ない共通の趣味として数回くらいは行ってみようと思う。何となくそう考えていたら、翌晩不可思議な夢を見た。渋谷駅から少し歩くと目の前に実家が現れたのである。(これはたぶん久々に周辺を歩いた影響だろう)実家は私が幼い時のスタイルで座敷の縁側が昔のように少し広いものだった。その縁側に亡き父がせっせと手作りで椅子やらテーブルやら舞台のセットのようなものを大工仕事で作っているのである。(これまた芝居の影響か?!)
正月以来墓参りに行っていないので、そろそろ「掃除しにこい」という意味だろうか?


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12 コメント

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Unknown (小夏)
2016-03-04 17:24:13
うっわ~、お芝居ですか、いいなぁ~
それも一番前中央だなんて。で、なになに主役に視線いただき語りかけられるなんて、すっごぉ~い!!伺っただけでもドキドキもの。さぞや全身ビビビの空中浮揚ものだったでしょうねー。
お父様ご出演の夢、ほっこりします。またお彼岸がやってきますね^^

「肉バル」お肉ブームにバルはやはりある一部のエリアの食文化なのでしょうか~。
渋谷のオトナなお店で演劇観賞後のひと時なんて実に素敵です

渋谷区神南〝秘書箱”
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Unknown (磯辺太郎)
2016-03-04 22:00:55
小夏様

お芝居というには、今回は庶民的なノリでした。
生まれて初めての最前列中央ですが、すごいです!緊張しました。まさしく空中浮揚状態・・・思わず頷いたり、合いの手を入れてしまいます。

お彼岸も近いですねえ。墓参りでもしてくるか・・・

肉バルって言葉、今回お店探しで初めて知ったのですが、我が家や最寄り駅周辺にはどうも見当たらない文化です。
観劇鑑賞後の肉バルコースには家内が結構満足していました。「オトナ」ですかねえ。

確かNHKに何か抽選やら応募するときは秘書箱とか言っていたような気がします。今はないのかな。
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Unknown (小夏)
2016-03-04 22:24:39
師匠~
おとぼけ、、ですよね?
私書箱ですよね
まさか、、おとぼけじゃなかったら、ゴールデンリトリバーもパジェロも木端微塵はじけます
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Unknown (磯辺太郎)
2016-03-05 07:32:32
小夏さま

全然おとぼけじゃないんですが・・・ぞぞーっ。。。
秘書箱って使ったことないけど、郵便局にあるんですね。
何か放送局に応募するときにいつも聞いていたので、呪文のように考えてました。

最近は「NHK何とか係」だけで着くようですね。NHKの住所は確か渋谷区神南・・・秘書箱は何とか郵便局でいいので、住所と混ざることないんですね。
大真面目でした・・・しばらく休業しようかな。
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Unknown (小夏)
2016-03-05 08:12:36
いえいえ、こちらにお邪魔して以来、相模川を飛び石でお渡りになった衝撃の出来事を更新。
公の場で師匠が使われなくてよかったー、とも安堵しております。
大体、何かの応募で何百となく書いたゲス(今流行り)な行為で覚えた私書箱。そんなものと関わりあわず清く正しく突き進まれた証です。(もうあんまり言ってくれるなスイマセン)
師匠箱が無かったら人生の張り合いがなくなっちゃいますから休業などなさらないでくださいね~。もう言いませんから

http://www.pref.kyoto.jp/kyotodoboku/1345506984918.html
お姉さま友人のお嬢さんが「小夏さんが好きそうなもの」と先の京都行きの前に教えてくれた亀の飛び石(^_-)-☆
何で知っているんだろう・・。
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Unknown (月美)
2016-03-06 03:19:18
何故かこんな夜中に一緒の部屋で寝ている愛犬が、何か見えるかのように 壁を見て吠え出したので、怖くなって目が冴えてしまったので、ここにお邪魔してしまいました(笑)奥様とお芝居 いいですね~。それも最前列中央という席で「オ、オレ?」とご自分を指差す程の呪縛された感 わかる気がします。昔 今井美樹さんのコンサートで最前列中央で興奮した事を思い出しました。秘書箱 眠れないついでに調べてみたら こんな風に出ていました。http://hisi4labikodri.net/blogpage/15
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Unknown (磯辺太郎)
2016-03-06 17:17:38
小夏さま

相模川飛び石事件・・・よく覚えておいでですねえ。どう関係しているのか、よく分かりませんが、ご指摘?で公で恥をかかなくてすみました。
へーえ、師匠は秘書箱ものの応募をたくさんなさってたんですか。きっと色んなものが当たったんでしょうねえ。

京都には色んな飛び石があるんですねえ。確か兼六園にもありました。師匠は飛び石がお好きなんですか?
相模川のは正しくは飛び石ではなくて、テトラポットでした。たぶん見つかったら、捕まってしまうほどイケないことだったと思います。
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Unknown (磯辺太郎)
2016-03-06 17:36:02
一緒のお部屋でお休みになっている犬?!もしかして、今流行りのトイプーですか?
壁を見て吠える・・・お化け嫌いの私にはとても耐えられない状況です!電気点けっぱで、ラジオを流してしか寝られません。。。
おー、今井美樹さん、いましたねえ。(今でも活躍してるか)最前列中央のアイコンタクトの呪縛、分かって下さる人がいて嬉しいです。

なるほど秘書箱・・・って月美さん!!!
小夏師匠に何を「おとぼけ」と言われたか、今電撃的に閃きました!
私書箱じゃーーーーん。今の今まで気が付かぬとは。
もしかして月美さんが救いの手を差し伸べてくれたのかな。最初はそれすら気が付かなかった・・・・
やはり少し休業が必要か?!
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Unknown (小夏)
2016-03-06 21:03:50
ししょうがぁ~~~~、やっときづかれたぁぁぁ(震え声)

飛び石は嫌いではありませんが、亀とかこういったみんながほっこりすっきりするようなバカバカしいもの(する行為)が好きです

月美さん、秘書箱拝見しました!
知らなかったー、こういうのがあるのですね。なんとなーく見られたくない物品受け渡しの香りもしますわねぇ
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Unknown (磯辺太郎)
2016-03-06 21:30:45
小夏さま

あ、ありがとうございます。三蔵法師に導かれたGOKUの気分であります。元々あまり縁がないアイテムだったので、微妙な違いに気が付きませんでした。なるほど、リメンバー、ネグリジェ・・・ゴロではなくて字なんですね。
ボクらからすると、「飛び石」と言えば「風雲たけし城」なんですよね。スタジオが結構近くにあったらしく、研究所仲間で何度も応募したんですが、ついに選ばれませんでした・・・
秘書箱。。。見られたくない物品・・・まあ、男子には思い当たることもありますわな。
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