「やることないから誰か遊んでぇー」
週末は自宅に帰る私だが、今年のLabor Thanksgiving Day(勤労感謝の日)」はど真ん中の水曜日だったので、交通費を節約するために単身マンションで過ごすことにしたのだ。
祭りやマラソン大会など、イベントがあって祝日でもいることはあったのだが、何もない北関東の休日は今年唯一である。
実際にハッピーマンデー化が進み連休が増えているから、用も無いのに一人でいることは1年にわずかしかない。やはり寝泊りしているだけで「住んでいる」わけではないのである。
1日中ジムで動いていてもよいのだが、せっかくこの地方にいるのだから「ならでは」の名所に行きたいとも思っていた。
まず反応してくれたのは八兵衛である。妻がやって来たときも山のようにパンフレットを持ってきてくれたのだ。
「天気が良ければバーベキューがいいでしょう。観音様の近くにキャンプ場があるんですよ。メンバー集めて仕込みやっときます」
「でもさー。準備や片付けする人大変だからいいよー。何か景色のいい所行くとか温泉浸かりに行くとか簡単なヤツで・・・」
そんな時、昼食時にT女史が話しかけてきた。「磯辺さん、O石の冬桜ってご存知ですか?ぜひ一度ご覧になってください」彼女は我々の休日プランのことは知らなかったのだが、大きなヒントになった。
世帯持ちの八兵衛に休日つきあってもらうのはいかにも悪い。転勤して来てすぐに単身マンションを選択しなかったために、満室で入れず、最近近所に引っ越してきた独身の「いっけい」に頼んでみた。いっけいは八兵衛のスタッフである。
「ここ、いいみたいですよ。温泉と宴会セットにして企画します!」マラソンの時に寝坊してきて「似非アスリート」であることが発覚してしまったいっけいは張り切っていた。。。
瞬く間に話が大きくなってしまい、私が「遊んでー」と声を掛けた職場の同僚はほぼ参加することになった。冬桜見学に温泉&宴会プラン・・・さながらプチ慰安旅行モードである。
参加者は9人、このサイトでも登場済みの人物ばかりである。グッチー、いっけい、スティーブ、キョウちゃん、ヤマさん、八兵衛、ダックさん、ニカウさんだ。ひとり者の会にしようと気を使ったのにみーんなやってきてくれた。
行き先は東部の県境に近いところで、桜山公園という。全山で7000本の冬桜が群生し、春と冬2回も桜が楽しめる貴重なところだそうだ。特にこの時期は桜満開には少し早いが紅葉と同時に見られるという知る人ぞ知るお勧めスポットで、休日はかなり混み合うそうだ。(そりゃそうだ。日本人ってどこにもわーっと集まるからねえ)
マンション出発は8時予定、普通に道路が空いていれば1時間ほどで到着する距離だ。駅前で待ち合わせたスティーブは大きな紙袋を持ち込んできた。中には缶ビール、チューハイボールにつまみ類が満載だった。
いっけいが車をスタートするとスティーブは「さあ、飲むかーっ!」紙袋をごそごそ探り始めた。。。。。
「えっ?まだ朝の8時よ。。。ドライバーに悪いよ」「でも放っておいてもヌルくなるだけだからねー」スティーブは完全に慰安旅行モードだ。
「そっ、そうですな・・・」嫌いじゃない私は「いっけい、ごめんねー」とプシュッと始めた。行程は順調で予定通り1時間ほどで桜山公園に到着、一番近い駐車場も余裕で停めることができた。
「ばっちりじゃないですか。早めに来てよかったねー」いっけいに話しかけたら「そこのお土産屋のおやじがね、11時までには来ないと停められなくなるって。お客さん連れて来るって言ってあるから、話合わせてねー」
はぁ?もしかして下見に行ったわけ?
さすがにそこまでは行き過ぎだろ、と思ったが聞くとスティーブが施設保全の仕事で付近まで行くと聞いて八兵衛がいっけいを派遣したようなのだ。。。喜ぶべきか、嘆くべきか・・・
スティーブ達が寄ったというお土産屋に行くと、チラシを配られた。もう1,2週間経つと一番の見頃らしい。。。
「平日に『桜まつり』やるんですねえ。湯原昌幸なら知ってるよー」おやじはチラシを並べながら
「がっはっはー。オレが作ったんだけど、名前間違えちゃってさー、神田じゃなくて吉野桜子なんだよー。まあ、いっかー」
そ、そうですね。どちらも知らないからよろしいんじゃ・・・
「まだ蕾が多いんだけどねー。紅葉は見頃だからゆっくり見て行きなよ。帰りは寄ってくれよなー。日本庭園の方から進むんだぜ」にっこり笑っておやじと別れた。
おーっ、中々紅葉の美しい庭園じゃないか・・・展望台へ向かって進んでいくとポワーンと白く不思議な雰囲気で冬桜が群生していた。これがそうか・・・なるほどT女史は「少し寂しい感じがする桜」と表現していたが、全体的にソメイヨシノのようにドバーっと派手に咲くわけではなく、「ちんまりした」感じはする。しかし近くで花弁を見るとまさしく「桜」だ。
紅葉は紅葉でかなり素晴らしい。。。両方を一辺に見られるなんて実に不思議な空間だなー。午前中だから朝日で山々の緑が映えるし、ポカポカ暖かい。味噌おでんを買い込んでビールで乾杯し、しばらくその不思議な光景とのどかな雰囲気を楽しんだ。
めいめいその辺を散策し、駐車場に戻ってくると地元で獲れた野菜などをおばあさんが売っていた。いきなり実に見事な「しいたけ」だ。ひと盛り千円って書いてあるけど、このでかいヤツ500円にしてくれないかなー。八兵衛はしきりにネギっていたが、この傘の巨大なしいたけは言わば客寄せの見本で売ってはいないらしい。(食ってもあまり美味くないんだって)
「きぬかつぎ」「とうのいも」・・・どちらも初めて聞く名前だ。地元の特産物なんだろか?まん丸の大根や切り口が赤いヤツも売っている。「生いもがら」って一体何だろか?まだまだ世の中には私の知らぬことが実に多いものだ。
田舎にありがちな下ネタ系アイテムもお約束のようにあるし・・・
桜山公園を出発すると次は県境を越えて「かんな」というところの温泉センターに向かう。ここは岩盤浴付きの天然温泉で、屋内外に大小20以上の湯船がある、いわゆるスーパー銭湯である。
毎週竜泉寺を訪れている私はそれほど驚くものではないが、岩盤浴では実にたくさんの汗が噴き出て(少し飲んでるからホントはいけないんだけど)きた。スティーブは2時間風呂に入り続け、身体中の水分を飛ばしたような顔をしていた。
すべてはこの後の「乾杯」を美味しくするためである。そのための労は決して惜しまない連中だ・・・
飲み放題コースで刺身に蟹、そしてメインの鍋は上州豚に上州地鶏のダブル水炊きだ。きのこやら野菜が山のように盛られダシがよく出て実に美味、最後はうどんで締めくくりだ。
米国では翌日が「Thanksgiving Day」・・・家族が一同に集まってごちそうをたらふく食べる日だそうだ。こちらはその日は「勤労感謝の日」・・・宴会好きが集まってたらふく飲む日となった。。。
何せ車の中にもクーラーボックスがあり、常時開けるとあらゆる種類の酒を飲める「移動居酒屋」なのである。スティーブと私は移動中もずーーーーっと飲み続けていた。。。
朝の仕掛けが早かったから、帰りも夕刻だ。私は1日ドライバーを務めてくれたいっけいとグッチーを労うために、解散後彼らをマンションの近くの居酒屋「たろう」に誘った。
そこで盛大な2次会をやったようなのだが、「TPPについて熱く語った」以外はほとんど記憶にない始末であった。
みなさんお疲れ様でした。幹事の方、素晴らしい企画ありがとうございましたぁ!
週末は自宅に帰る私だが、今年のLabor Thanksgiving Day(勤労感謝の日)」はど真ん中の水曜日だったので、交通費を節約するために単身マンションで過ごすことにしたのだ。
祭りやマラソン大会など、イベントがあって祝日でもいることはあったのだが、何もない北関東の休日は今年唯一である。
実際にハッピーマンデー化が進み連休が増えているから、用も無いのに一人でいることは1年にわずかしかない。やはり寝泊りしているだけで「住んでいる」わけではないのである。
1日中ジムで動いていてもよいのだが、せっかくこの地方にいるのだから「ならでは」の名所に行きたいとも思っていた。
まず反応してくれたのは八兵衛である。妻がやって来たときも山のようにパンフレットを持ってきてくれたのだ。
「天気が良ければバーベキューがいいでしょう。観音様の近くにキャンプ場があるんですよ。メンバー集めて仕込みやっときます」
「でもさー。準備や片付けする人大変だからいいよー。何か景色のいい所行くとか温泉浸かりに行くとか簡単なヤツで・・・」
そんな時、昼食時にT女史が話しかけてきた。「磯辺さん、O石の冬桜ってご存知ですか?ぜひ一度ご覧になってください」彼女は我々の休日プランのことは知らなかったのだが、大きなヒントになった。
世帯持ちの八兵衛に休日つきあってもらうのはいかにも悪い。転勤して来てすぐに単身マンションを選択しなかったために、満室で入れず、最近近所に引っ越してきた独身の「いっけい」に頼んでみた。いっけいは八兵衛のスタッフである。
「ここ、いいみたいですよ。温泉と宴会セットにして企画します!」マラソンの時に寝坊してきて「似非アスリート」であることが発覚してしまったいっけいは張り切っていた。。。
瞬く間に話が大きくなってしまい、私が「遊んでー」と声を掛けた職場の同僚はほぼ参加することになった。冬桜見学に温泉&宴会プラン・・・さながらプチ慰安旅行モードである。
参加者は9人、このサイトでも登場済みの人物ばかりである。グッチー、いっけい、スティーブ、キョウちゃん、ヤマさん、八兵衛、ダックさん、ニカウさんだ。ひとり者の会にしようと気を使ったのにみーんなやってきてくれた。
行き先は東部の県境に近いところで、桜山公園という。全山で7000本の冬桜が群生し、春と冬2回も桜が楽しめる貴重なところだそうだ。特にこの時期は桜満開には少し早いが紅葉と同時に見られるという知る人ぞ知るお勧めスポットで、休日はかなり混み合うそうだ。(そりゃそうだ。日本人ってどこにもわーっと集まるからねえ)
マンション出発は8時予定、普通に道路が空いていれば1時間ほどで到着する距離だ。駅前で待ち合わせたスティーブは大きな紙袋を持ち込んできた。中には缶ビール、チューハイボールにつまみ類が満載だった。
いっけいが車をスタートするとスティーブは「さあ、飲むかーっ!」紙袋をごそごそ探り始めた。。。。。
「えっ?まだ朝の8時よ。。。ドライバーに悪いよ」「でも放っておいてもヌルくなるだけだからねー」スティーブは完全に慰安旅行モードだ。
「そっ、そうですな・・・」嫌いじゃない私は「いっけい、ごめんねー」とプシュッと始めた。行程は順調で予定通り1時間ほどで桜山公園に到着、一番近い駐車場も余裕で停めることができた。
「ばっちりじゃないですか。早めに来てよかったねー」いっけいに話しかけたら「そこのお土産屋のおやじがね、11時までには来ないと停められなくなるって。お客さん連れて来るって言ってあるから、話合わせてねー」
はぁ?もしかして下見に行ったわけ?
さすがにそこまでは行き過ぎだろ、と思ったが聞くとスティーブが施設保全の仕事で付近まで行くと聞いて八兵衛がいっけいを派遣したようなのだ。。。喜ぶべきか、嘆くべきか・・・
スティーブ達が寄ったというお土産屋に行くと、チラシを配られた。もう1,2週間経つと一番の見頃らしい。。。
「平日に『桜まつり』やるんですねえ。湯原昌幸なら知ってるよー」おやじはチラシを並べながら
「がっはっはー。オレが作ったんだけど、名前間違えちゃってさー、神田じゃなくて吉野桜子なんだよー。まあ、いっかー」
そ、そうですね。どちらも知らないからよろしいんじゃ・・・
「まだ蕾が多いんだけどねー。紅葉は見頃だからゆっくり見て行きなよ。帰りは寄ってくれよなー。日本庭園の方から進むんだぜ」にっこり笑っておやじと別れた。
おーっ、中々紅葉の美しい庭園じゃないか・・・展望台へ向かって進んでいくとポワーンと白く不思議な雰囲気で冬桜が群生していた。これがそうか・・・なるほどT女史は「少し寂しい感じがする桜」と表現していたが、全体的にソメイヨシノのようにドバーっと派手に咲くわけではなく、「ちんまりした」感じはする。しかし近くで花弁を見るとまさしく「桜」だ。
紅葉は紅葉でかなり素晴らしい。。。両方を一辺に見られるなんて実に不思議な空間だなー。午前中だから朝日で山々の緑が映えるし、ポカポカ暖かい。味噌おでんを買い込んでビールで乾杯し、しばらくその不思議な光景とのどかな雰囲気を楽しんだ。
めいめいその辺を散策し、駐車場に戻ってくると地元で獲れた野菜などをおばあさんが売っていた。いきなり実に見事な「しいたけ」だ。ひと盛り千円って書いてあるけど、このでかいヤツ500円にしてくれないかなー。八兵衛はしきりにネギっていたが、この傘の巨大なしいたけは言わば客寄せの見本で売ってはいないらしい。(食ってもあまり美味くないんだって)
「きぬかつぎ」「とうのいも」・・・どちらも初めて聞く名前だ。地元の特産物なんだろか?まん丸の大根や切り口が赤いヤツも売っている。「生いもがら」って一体何だろか?まだまだ世の中には私の知らぬことが実に多いものだ。
田舎にありがちな下ネタ系アイテムもお約束のようにあるし・・・
桜山公園を出発すると次は県境を越えて「かんな」というところの温泉センターに向かう。ここは岩盤浴付きの天然温泉で、屋内外に大小20以上の湯船がある、いわゆるスーパー銭湯である。
毎週竜泉寺を訪れている私はそれほど驚くものではないが、岩盤浴では実にたくさんの汗が噴き出て(少し飲んでるからホントはいけないんだけど)きた。スティーブは2時間風呂に入り続け、身体中の水分を飛ばしたような顔をしていた。
すべてはこの後の「乾杯」を美味しくするためである。そのための労は決して惜しまない連中だ・・・
飲み放題コースで刺身に蟹、そしてメインの鍋は上州豚に上州地鶏のダブル水炊きだ。きのこやら野菜が山のように盛られダシがよく出て実に美味、最後はうどんで締めくくりだ。
米国では翌日が「Thanksgiving Day」・・・家族が一同に集まってごちそうをたらふく食べる日だそうだ。こちらはその日は「勤労感謝の日」・・・宴会好きが集まってたらふく飲む日となった。。。
何せ車の中にもクーラーボックスがあり、常時開けるとあらゆる種類の酒を飲める「移動居酒屋」なのである。スティーブと私は移動中もずーーーーっと飲み続けていた。。。
朝の仕掛けが早かったから、帰りも夕刻だ。私は1日ドライバーを務めてくれたいっけいとグッチーを労うために、解散後彼らをマンションの近くの居酒屋「たろう」に誘った。
そこで盛大な2次会をやったようなのだが、「TPPについて熱く語った」以外はほとんど記憶にない始末であった。
みなさんお疲れ様でした。幹事の方、素晴らしい企画ありがとうございましたぁ!