超兵器磯辺2号

幻の超兵器2号。。。
磯辺氏の文才を惜しむ声に応えてコンパクトに再登場。
ウルトラな日々がまたここに綴られる。

欠場の危機

2011-11-01 09:17:20 | スポーツ・健康
妻が椎間板ヘルニアと診断されて数週間、それ以前も何か調子がイマイチのようだったから、発症してからは結構経っていたらしい。
一時は立ったり座ったり、マイカーの運転もしんどかったようだが、通院治療で痛み止めをもらって安静にし、トドメにスピリチュアルヒーリングの先生に目いっぱい強力な「気」を注入してもらって、ようやく回復したようだ。
エノフェスの「サンセット・ヨーガ」にも行けず、獣(けもの)のようにねぐらでじっと直していたようだった。

先週土曜は2回目のヒーリングで、私も横にいた。10キロ県民マラソンを控え、何度か1時間ほどジョギング練習をしていたところ、40分過ぎたくらいから妙に左膝が痛み出す症状があったため、時間があったら私も軽く「気」を注入してもらおうかとも思っていたが、母親と二人で2時間以上かかっており、あまり引き留めても悪いし別にどこも異常はなかったので遠慮しておいた。
ところがである。翌朝、竜泉寺の炭酸泉に十分に浸かり、かなり強めのストレッチを念入りに行って帰宅後、息子達を練習場に送って再び帰宅したあたりで妙に「腰」に違和感が発生した。

「んっ?」何か変だなー。姿勢を変えるごとに「ギシギシ」と腰の中心部が痛むようだ。まあ、ちょっと疲労があるだけかな、とウエットに着替えてサーフビレッジあたりまで出動した。
そんなに大きな波があるわけではなかったが、時折いい感じのセットが入り、大勢のサーファをくぐり抜けて滑っていたのだが、波待ちでプカプカ浮いている状態でどんどん腰の痛みが激しくなり、とうとうテイクオフすら思うようにならなくなった。この人混みで咄嗟の時にターンできないと大きな事故になる恐れがある・・・
「こりゃーだめだな」ドリフのいかりや長介風に呟いて、上がってきた時はもはやサーフボードを引きずってしまうほど重い症状になっていた。

帰宅してから「どういうわけか腰が痛んでこれ以上入ってられなくなったよ」とこぼしたら、すかさず妻は「椎間板か?!」
縁起でもないが彼女も最初は何となくの違和感から突然激痛に変わったらしい。「伝染るってことはねえよなー」と苦笑しながらも、「もしかしてやばいかも・・・」という気はしてきたのだった。
ニトリに床暖用のファーを買いに行った時も、その後ユニディでガレージハウスの見積もり依頼をしていたときも、立ち上がるときは無様に腰をさすり、おばあさんのように腰を引いて歩く始末だった。
ヒーリングで復活した妻の痛み止めをもらって飲み、腰のど真ん中にロキソニンパックを貼ってみた。。。
別に冷たくしてバチが当たったわけではないと思うが、今度はオレの番かよ・・・翌早朝は駅まで歩くのはつらそうだったから、妻に車で送ってもらうことにした。
この地方のサラリーマンは勤勉なのか朝5時台の東海道線も席には座れない。。。東京までは1時間足らずだが、グリーンでないとちょーっと辛いかなー。
いよいよヘルニア(「ヘル」という響きが地獄を思わせてよくないよねー)の仲間入りか・・・と妻に詳しい症状を聞いてみたが、微妙には違うようだ。

なんとなーく痛い日々が続き、ある日突然何の前触れもなく激痛に見舞われるのは似ているが、妻が訴えたように足まで痺れがある、とかクシャミや咳をすると痛みが走る、というようなことはない。
情けないことに「ぎっくり腰」かとも思ったが、どうも思い当たる節がない。。。治療としては痛み止めを飲んで安静にする他、よほどひどければ背骨にブロック注射とか外科手術もあるらしいが、特効薬などはないらしい。
このままひどくなるようだと、仕事にも支障が出てくるし、「マンションで寝たり起きたり」なんてことになったら孤独極まりない・・・翌日症状は相変わらずだったが、早朝から通勤はそれほど苦にならなかった。
しかし放っておいても良くなるとは思えなかったので、思い切って午前中の予定を全部キャンセルし、夏に人間ドックを受検したゴージャスクリニックに電話をしてみると、何とか昼前に予約をとることができた。
初診にありがちだが、2時間近く待たされた後、整形外科で私と同年代の外科医の診察を受けた。
前日の午前から急に痛みが激しくなり、歩くのにもしんどくなってきたこと。これまでにこういう症状が出たことや腰を悪くしたことはないこと、重い物を運ぶ作業の連続とか思い当たる節がないこと、などを申し上げた後、ベッドに寝かされた。

まず仰向けになって足を真っ直ぐ伸ばし片方ずつ上に持ち上げられ・・・「ズキリと痛むことはないですか?」「うーん。足そのものは痛くはないようです」
片方の足を曲げてその膝をぐるぐる回し・・・「これではどう?」「痛くないです」
立てた膝の上にもう片方を載せて、医師が体を多いかぶせ・・・「上に向かって反発してください」「ぐい」
両足を伸ばして足首を上から押さえ・・・「上に向かって反発してください」「ぐい」
今度はうつ伏せになって両足を伸ばして・・・「上からこぶしで叩いて行きますよ。痛いところで言ってください」どんどんどん「どこも痛くないです」
今度は「指圧の心は親心」のポーズで背骨の両サイドから・・・「ちょっと強く押しますよー」ぐいぐいぐい「うーむ。痛くないときと変わらないくらい痛いかなー」(意味不明なことを言っていた)
尻から下を外側、内側まんべんなく(妙にいやらしく)撫で上げ・・・「左右で感じ方が違うところありますか?」「同じようにくすぐったいです」
最後に「レントゲン撮らせてもらっていいですか?」色々と意味深に首をかしげながら医師は検査カードを渡した。

「これ背骨を横から見たところですが、少し変形しているのわかりますか?それとここ少しずれてますね」げげーっ!いよいよヘルニアか?!目の前がくらくらしている私を前に医師は苦笑いして
「これはサーフィンなどですぐになるものではないです。いわばスポーツ選手が長年にわたって少しずつなっていくような年齢的なもの。年齢の割に過度な運動をしたりすると変形部が神経に障って痛んだりするんですよ」
なんと!「運動のし過ぎ」だと?!なんと情けない・・・真っ暗になった目の前が恥ずかしさに血が上って赤くなってきた。。。
確かに夏場のサマータイムで帰宅時間が早くなって以来、フィットネスジムで動いている時間は倍近くなったし、土日は1日に何回も海に入ったりする上に、マラソン対策で1時間のジョギング・・・そう言えばなんとなく腰周りに違和感を感じてきたのもあのあたりからだ。

「病気というわけではないので、安静にして様子を見てください。痛み止めと筋肉をリラックスさせる薬、シップ薬を出しておきます」
「先生、実は今日来たのは、今週県民マラソンで10キロ走ることになっていて・・・」横にいた看護師が吹き出した。
「まあ・・・病気じゃないから悪化はしないけど、痛むんならやらないほうがいいですね。出なきゃいけない理由あるなら別ですけどねー」
私は八兵衛の顔を思い浮かべていた。昨年、スタート地点で谷川真理さんとハイタッチするために列に並んでいた私を冷酷にも「置き去り」にした彼は後半ゴール数キロ手前で私に「風のように」抜き去られたのを今でも根に持っている。「いやあ、練習しても体力はつく歳でもないしねー」なんて言いながら着実にリベンジに向け準備しているはずなのだ。

返り討ちにしてやろうとこちらも隠れて「走り過ぎ」て腰椎変形で欠場、などという敵前逃亡のようなことはしたくないがなー。リバーサイドジョギングという4キロくらいの「お遊びコース」があるのだが、昨年そちらを選んだスタッフをどやしつけ今年は「リバーサイド禁止!」というお触れを出してしまった手前、今更そちらへ逃げるわけにも行かぬ・・・・
私のサーフシーズンは大体年内目処だからあとわずか、痛みがひどくなって海に入れなくなるのもこの先困るなー。
2日たってすこーしは良くなっているような気がするが、とても走れる状態ではない。唯一の楽しみだったJPOPダンスもスローヨーガもエキサイティングエアロも我慢し、痛み止めを飲み続けてシップを貼ってもあと2日じゃ完全回復は無理か。。。
沿道の応援など残念無念でできそうもないから、今年は支援部隊で主催のスーパーマリオと焼き鳥でも焼いてようかな。