超兵器磯辺2号

幻の超兵器2号。。。
磯辺氏の文才を惜しむ声に応えてコンパクトに再登場。
ウルトラな日々がまたここに綴られる。

県防災訓練

2011-09-12 04:42:07 | 職場
今年も県が主催する防災訓練の日がやってきた。昨年は遠かったが今年は同じ市内だから比較的楽だった。JRの操車場だったそうだが、街中から10分ほど車で走ったところにこんなに広大な土地があるというのはやはり北関東というのは少し田舎なんだな。
大震災が発生して半年、今年はどんなに気合を入れたメニューなのかと思っていたら、意外にも「変わり映えしない」プログラムだった。
確かにこのエリアは地盤が安定していて直下型の地震はまず来ないし、海がないから津波もない。内陸だから台風もほとんど来ない。気をつけるのは火山の噴火と河川の氾濫くらいだが、それほどハザードが多いわけでもない。あんまりピンと来ていないのかもしれないなー。

防災ヘリにドクターヘリ、警察ヘリに自衛隊の偵察ヘリ、はしご車にバイク隊、高機動車など昨年は何を見るのも初めてだったから会場の座席に釘付けだった。しかしほぼ同じメニューで2回目なのに加え、自衛隊の総合火力演習を先日目の当たりにした私は開会式を終えた時点でもう退屈で死にそうだった。
「新入社員もお手伝いに来てるようなので、我がコーナーの様子見てきます」
会場では次々と訓練が消化されつつあったが早々に抜け出した。

   

ちょうどテントの近くに国土交通省の「自然災害体験車」というのがあった。この防災訓練、もう二桁回数は来ているというスティーブに聞くと、「何か土石流かなんかの3D映像でしたよ。結構迫力あったなー」映像は約13分くらいらしい。
スティーブ、八兵衛と3人で次の回の列に並んでいると、前の回入場者がぞろぞろ出てきた。その中には黄色いユニフォームを着た我が方の訓練部隊が混ざってるじゃないか・・・?!
俺んところ失敗するとエライ目立つからせめて出番が終わってからにしてよ・・・と思ったが、自分も抜け出してきているので笑って手を降っておいた。

      

入り口で3Dメガネを渡され、中に入ると正面にOHPで使うようなスクリーンがあって、小さな映画館のようなシートがあった。係員が入って来て「お荷物は手で抱えて、上映中は立ち上がらないでください」
怪訝な顔をする私にスティーブは「今にわかりますよ」今年のはバージョンアップしたらしいです。
映像が始まった。ものすごい大雨が降り続く中、家族4人が食事をしている。
テレビの天気予報では大雨により数百ミリの降水量が予想され、ときどき停電になったりし始める。

ははーん。そのうち土石流がどばーっとこちらに向かって流れてくるんだな?3D映像はよくできているが、この前仮面ライダーの3D映画を見たばかりだし、まあそれほど驚くことでもないかなー。
やがて雨は家の中で会話しにくいくらいひどくなり、遠くで「ゴトゴトッ」という不気味な音が聞こえ、家の前の小川の水がほとんど無くなっているのを見た父は、家族を非難させることにした。避難所に着いた瞬間、上流から「ゴォーっ」というすごい音とともに巨大な石と大量の土砂、濁った水が上流から襲いかかってきた。
おーっ、中々の迫力だ、と思って見ていたら、「うわーっ」突然椅子が「ガクンガクン!」と揺れ出したのである。振動効果付きの車両なのか!
こっ、これがあるから荷物は抱えてろってか・・・やるな、国土交通省。。。

車を出てくると、隣にあったのはお馴染み地震体験車「なまず号」である。かなり前に一度体験したことがあるのだが、大地震もあったことだしもう一度「震度7」の感覚を刻みつけておこうと列に並んだ。
「震度7レベルになると自分の意志で立ち上がったり、移動したりすることができません」
八兵衛は初めてだったらしく、「こりゃー、すげえ!机の下になんか潜れませんねえ」
しかし私は正直「気抜け」していた。んっ?こんなもんだっけ・・・?!
確かにすごい揺れだが、神輿の上で片足立ちするのに比べれば、立ち上がって歩くくらいはできる。まあ、慌てて外へ飛び出さないことだな。。。

   

その隣は消火器の使用体験コーナーだ。目標の手前からジグザグに消火液を噴射し、火の根元を狙うべし。今回は何度も使えるように消火液の代わりに水が入っていた。ガス圧で噴射するようだ。
その日は久々のカンカン照りで、テントで配っていた団扇が早々に売り切れてしまうほど暑かったので、消火器に残っていた最後の水は自分に向けて発射した。。。
その隣は自衛隊の「炊き出し用車両」である。今年は被災地で大活躍したんだろな。

   

「こんなの珍しいですかあ?」と聞いてきた女性隊員に少し話を聞けた。別に女性だからって炊き出し任務ってわけではなさそうだが・・・作っていたのは「トン汁」である。
「毎回トン汁なんですか?自衛隊の定番?」おしるこの時もあるそうだ。彼女は苦笑いしていた。タンクの蓋を開けて中を見せてもらうと小さいタンクが入っていて具だくさんの汁が良い匂いをさせていた。
「ちょっと味見していいですか?」と聞いたときにはもう備え付けの「お玉」で汁をすすっていた。「ははは。行儀わるいですねー」娘くらいの年齢の隊員にたしなめられた。。。

     

テントに戻ると新入社員が色々と見物に来た人に説明していた。ハナちゃんもモモちゃんも、立派に「お客様応対」していた。作業着が初々しいが中々頼もしい。やはり子供の相手などをするのは女性のほうが感じがよいものだ。。。
テントには配ってはいなかったが、展示用の非常食糧がいくつか置いてあった。コアラのマーチと黒飴に今年は新しく「缶入りソフトパン」というのがあった。
コアラのマーチを開けて食ってみたが、チョコレートが入っていない・・・(備蓄食だからねー)
缶入りソフトパンは「スペースシャトルに積載」と書いてあったので、一つもらってきた。
中身は普通のブドウパンだ。まあ、そこそこの味かなー。。。

     

あんまり遊んでいるとまずいので一旦会場の席に戻った。防災ヘリの空中消火、警察のヘリからレンジャー部隊が中層ビルに降下して残された人を救助している。
素晴らしい技量だが、やはり少し退屈だなー。お馴染みCh-47は飛来しなかった。。。
あちこちで本当の災害で苦しんでいる人がいるから、訓練している場合じゃないのかもなー。そしてトドメのアナウンス・・・
「会場の皆様にお知らせします。プログラムではここでドクターヘリによる重症者の緊急搬送訓練ですが、被災地に救援に向かっているため本日は中止になりました」
そりゃーそうだ!本番じゃ、しょうがないよなー。活躍を期待しよう。

    

その後、新型はしご車による消火訓練だ。よく見ると何かスマートな形をしているな、数年前新宿本社屋で乗せてもらったはしご車よりも大きく新しいようだな。はしごの先端が折れ曲がっている。
「あーっ、あっちのヤツ、アウトリガー出してねえ!安全措置ちゃんととらなきゃだめでしょ」
高所作業車と同じ構造なので、安全にうるさいスティーブは口うるさく文句言っていた。
まあまあ、非常事態なんだから・・・地面が柔らかいからめり込んじゃうのかな。

   

やがて我々の仲間の出番がやってきてそれぞれ会場で作業が始まった。。。移動系会社の支店長がすぐそばにいて心配そうに見守っていた。昨年、衛星通信装置のアンテナを垂直に伸ばしていったところ、最高点でアンテナの首が「ポロっ」と落っこちてしまったのだ。
今年は皆、見事な手際ですべて訓練はうまく行ったようだ。
後ろにいたスティーブに「車が通れないときのために、バイク隊いるかもしれないねー」
郵政会社の職員がいざとなった時に赤いバイクで色々と情報収集する、という訓練を見て思い付いたのだ。「乗れる人がいませんよ・・・」
「オレが乗ってもいいんだ」オフロードバイクにまたがって、いち早く現場へ急行する自分の姿を思い浮かべたりしたのである。