すでに17回目となる全国病院広報事例発表大会は、「地域医療は広報で癒される」を今年11月29~30日の2日間、倉敷市で行われることになっています。応募の受付は、8月末日まで行われます。そこで今回の当コーナーでは、その企画概要を紹介し、病院広報の理解の一助になればと考えました。
開催を主導してきたのは、日本HIS研究センター(NPO)で、もともとは、BHI(Best Healthcare Infomagazine)賞を競う情報誌のコンクールであったことは広く知られるところです。松本市の相澤病院の院内報「あいあい」、高知市の近森病院の院内報「ひろっぱ」など、当時BHI賞に輝いた病院広報紙の多くは院内報で、B5判1色刷りの8~16ページ、版下作業に多大の時間がとられる印刷物でした。
その後病院の事務室にもPCガ進出し、DTP(Desktop Publishing)などの編集技術に変革が起こり、写真や多色仕様の仕上がりが主流となりました。原稿のやりとりもインターネットを使うことによって短時間で、出来映えのする企画デザインの情報誌が生まれるようになりました。
大阪の大道会の院内報「Live30(ライブサーティ)」や岡山済生会総合病院による院内報「やわらぎ」などがいち早くその流れにのってBHI賞を引き寄せ、医療現場に新しい時代の到来を描いて見せたのです。
しかし、その後、応募施設や主催者には、どこか満たされないものがありました。伝えるべきことが伝わるには、広報誌だけでいいのだろうか。また、そうした活動の加熱が、ただの集患行為の悪いイメージに終わることはないのだろうか。あるいは、そもそも広報とは、その目的とは何か。つまり広報誌だけで本当に広報がめざす開かれた経営に近づけるのかという本質への問いかけがNPO内にも起こりました。それらは「広報とは、広報誌を発行すること」という強固なメンタルモデル(思い込み)との闘いの始まりでもありました。
そこで広報誌のコンクールと同時に開催してきた事例研究「企画大賞」をメインに、さまざまな試行錯誤の結果生まれた広報事例の中からBHI(Best Healthcare Information)賞を決めようと改革してきたのが現在のスタイルです。
●応募・発表のポイントは、たった3つ
受け付けられた事例(抄録PDF)は、要件を満たしているかの事務局チェックの後、まずホームページに掲載されます。あらかじめ選任された審査員が、それらの事例を閲覧・審査し、大会当日の発表(入賞)事例を10~13例を選考します。
BHI賞や優秀賞など一連の賞は、あくまで当日の会場審査を通じて決定されるわけです。詳しくは主管病院である岡山県精神科医療センターのホームページ(www.popmc.jp/) またはHISサイト(www.j-his.jp)をご覧ください。
さて、応募・審査に際して重要な点は、広報誌であれホームページであれ、どんな事例であっても、その活動事例におけるその施設の「目的」と「プロセス」と「成果」をわかりやすく明記することを求めます。「プロセス」とは、誰々がどのように進めたかをわかりやすく示してください。外部の支援があったことも重要です。
最後の「成果」は、その活動を通じて目的がどの程度、達成されたかですが、経済的効果のほか、心理的社会的な効果や組織内の定性的効果などが述べられていると審査は理解しやすいでしょう。これらのことは、発表においても同様で、それぞれに独創性や上質のプレゼンスキルがあれば好評が得られるのではないでしょうか。
HISフォーラムin岡山 概要
期日:2013年11月29(金)~30日(土)
会場:倉敷中央病院・倉敷市民病院
主管:岡山県精神科医療センター
BHI賞13(全国病院広報事例発表大会)概要
応募受付:2013年7月1日~8月31日
応募要項は大会事務局などへ
※なお、今年度の「HISデザイン大賞」は実施されません。
日本HIS研究センターについては、こちら
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