病院広報(はとはあと)評価支援情報

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見ること、見えることは、現世を生きること

2018-03-04 16:13:20 | はとはあと最新情報
見ること、見えることは、現世を生きること

モノを見る目というとき、目の働きは、見える見えないという眼科的機能だけではなく、心身の全機能と結びついて感知し思考するという意味でも大変重要なことです。目的と目標、似たような言葉のニュアンスをいまさら論じるほどの意味があるのかと思われるかも知れませんが、研究や事業に欠かせない「計画」や「問題」、まして「デザイン」を語るとか構築するうえで、論旨を明確にしていくことが、その後の展開の質を高めるのに絶対欠かせないわけです。先日の新聞では、白内緒を手術して視力を回復した人は、しなかった人より平均寿命をのばしたとのことでした。この世をシッカリ見ることは、生きることにつながりそうですね。

今は亡き白川静先生の「常用字解」によりますと、目の行く先、目配りの先は、取るに足りない目先のことと誤解されやすいように思いますが、実は「目的」の「的」には、「あきらか」という意味合いが含まれていて、かねてからの目的を達成して問題が明らかになり晴れやかな気分になるということが書かれているのですね。
そして、同じような印象の言葉である「目標」の「標」を見てみると、目標(めじるし)とも読まれ、いわゆる標示物、木の梢に取り付けたとりあえずの標識(しるし)という説明があります。

病院施設には、数多くの標示・貼り紙が見られたり、院内の各種サービスや機能を標示するサイン、案内表示板がありますが、それらはあくまでその場の機能を担う標であり、それによって病院の法人の本質や理念の意思表示しているわけではありません。
言いたいことは、それらの事実を踏まえて、その施設は何をしたいのかという「目的」を適切にすることです。わかりやすい説明で補強しながら、その過程を案内するのが目しるしで「目標」という役割認識を担っています。

とかく気をつけないと間違いやすいのは、目的と目標の字の印象が似ていることから、問題の前にある(目に見える)仕事の達成を目的と勘違いすることではないでしょうか。むしろ大きな事業では、一人一人が全容を体験することは出来ないかも知れません。だからこそ広報活動という情報の共有プロジェクトの適切さが必要になります。病院広報においても、広報誌を発行することは目標であっても、それ自体が病院の目的ではないということです。仮に広報誌やホームページがなくても、病院の目的は、それら目標の集積によって存在することを知りましょう。見ること、見えることは、現世を恙なく生きることなのです。


写真は、京都の知恩寺での「すこやか検定講座』の様子

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