中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

休職・復職Q&A⑦ 

2024年03月13日 | 情報
Q; 従業員150人規模の製造販売業で、人事労務の管理職をしています。
うつ病で休職している従業員が復職を希望していますが、
産業医面談だけでは、復職の可否を判断できません。
復職を希望する休職者が産業医面談する際に、上司や人事担当者が同席することは可能でしょうか。
あらためて、人事労務部門の我々と面談するのも、復職を希望する従業員にとって、二度手間のような気がします。
また、どのように対処したらよいでしょうか。

A; 〇結論;同席することは可能です。法令に触れることはありません。

〇原則ですが、復職希望者が復職を希望した際に、産業医による復職希望者との面談結果は、復職を認めるかどうかの重要な判断材料です。
しかし、産業医の意見で復職の可否が決まるわけではありません。
可否の決定権は会社にあります。
また、産業医がNOの判断をした場合は、原則として会社側は産業医の意見を尊重して、復職を認めません。
しかし、産業医がOKしても、会社側が復職を認めないことは、十分にあり得ることなのです。(ここから先は、別の問題です。)

〇次に、産業医面談の場に、上司や人事担当者に同席する件ですが、
小職としては、原則として、別個に行う方式を推奨します。
第一の理由は、復職希望者一人に対して、会社側は産業医を含めて3人(産業医、人事労務部門、上司)以上になりますから、
まだ心身ともに回復が十分ではない復職希望者への圧力は相当に強いと考えます。
それに、産業医と、人事労務部門が知りたい情報は異なりますので、
面談内容が複雑化し、面談時間が長時間化することが考えられるからです。

〇ですから、産業医の報告書を読んで、産業医の意向を聴取してから、
会社は、復職希望者との面談に臨むことをお勧めします。
二度手間ではないかという指摘もあるでしょうが、
復職の判定はそのくらいデリケートな問題であると認識してください。

〇関係部門は、産業医面談に至るまでの、休職者の情報を掌握しているはずなのですが、
復職が成功するか否かは、ケースバイケースで、
それほどに慎重に対処しても、やってみなければ分からないのが実情と考えます。


コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする