中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

休職・復職Q&A① 

2024年03月01日 | 情報
久しぶりの、休職・復職Q&Aシリーズです。
手前味噌ですが、好評です。ということは、多くの企業・事業所の悩みなのでしょう。

Q; うつ病で休職中の従業員から、復職の申請がありました。
弊社の就業規則と復職規程では、スムーズな復職ができるよう、
復職前に試し出勤の実施を必須としています。
しかし、当該従業員から、復職前の試し出勤を拒否し、いきなりの復職を要望してきました。
試し出勤を拒否するのであれば、復職を認めず、休職期間満了で退職させたいと考えています。他にどのような対処方法がありますか。

A; 〇 厚労省作成の「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」
においても推奨されているとおり、
復職前の試し勤務等は、休職者がスムースな職場復帰を実現するための、有力な手段として認知されています。
しかし、法令でもありませんから、会社として絶対に実施しなくてはならない訳ではありません。

〇 ご質問にある「試し出勤を拒否するのであれば、
復職を認めず、休職期間満了で退職させたい」とする案も、途中を省きますが、有力案です。
しかし、穏便に解決する方策として、
復職希望者が、望むのであればいきなり原職復帰させても、会社側としては何ら問題にはなりませんし、
復職希望者もリスクを覚悟の上での判断であるとして納得してもらいましょう。
因みに、企業が行う復職支援制度に懐疑的な従業員がいるということも聞いています。

〇 当該従業員の復職が上手くいけば、万々歳ですし、復職後の体調が悪化すれば、再休職という方策があります。
当該従業員の負荷が増すという問題点もありますが、
当該従業員の自らの意思で決定した結果ですので、受け入れてもらうことになるでしょう。

〇再確認です、その他の就業規則、休職・復職規程、
具体的には、産業医の了承、全体の記録保存、復職希望者との覚書の交換等、
安全配慮義務の履行をベースにして、万全を尽くすことは、いうまでもありません。

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