━ 胃腸疾患、食欲不振、胆のう炎 ━
春でも夏でもない梅雨の時期をひとつの季節として、ほとんどの日本人は
認識しています。
そして「春」「夏」「秋」「冬」プラス「梅雨」の“五季”とすることが、
東洋医学の陰陽五行からも理にかなっています。
梅雨の雨は、農作物に恵みを与え、稲や野菜、植物などがすくすくと生育
するための大切な季節なのです。
しかし、梅雨時のジメジメとした湿気はからだにとって“湿邪”となって、
脾胃の働きを阻害します。
五臓に悪い影響を与える「風」「暑」「湿」「燥」「寒」などの外気を
「五悪(ごあく)」といいますが、食中毒や胃腸疾患などが多く発生するのも
湿気が原因しています。
そこで消化器系が嫌う外気(湿気)に負けない気血の調整が大切ですが、
【太乙 たいいつ】のツボ刺激が効果を発揮します。
温灸などで【太乙】穴の皮膚がほのかに赤くなる程度に熱刺激を行ったり、
3秒圧しては離すの指圧を7~8回ほど繰り返して行います。
ツボ療法・・・お臍(へそ)の上2横指(指幅2本分)の点から
左右両側2横指(指幅2本分)進んだところが
【太乙】のツボです。
医師「いいニュースと悪いニュースがあります。
最初にどちらのニュースを聞きたいですか?」
患者「……悪いニュースのほうをお願いします」
医師「あなたの両足を、膝上から切断しなければなりません」
患者「あぁ、なんてこった!
……それから、どんないいニュースがあるというのですか?」
医師「隣のベッドの人が、あなたの靴を買いたいそうです」
━ 痔疾、婦人科疾患、冷え性 ━
「痔」は、「やまいだれ」に「寺」と書くように、寒い場所で長時間
座り続けて、お経を読んでいるために起こることが由来したかのようですが、
「峙」=そばだつ(じっと立ち続ける)ために生じた病が正しそうです。
同じように、しゃがむ、かがむ、中腰などの姿勢をとる機会の多い職業の
人は、腹圧が高くなるので、肛門周辺の血液が心臓に戻り難くなって、
うっ血しやすく、痔になりやすいのです。
そこで、痔をもつ人は排便の後、意識的にキュッと肛門をすぼめることは
有効な方法です。
また軽い体操をしたり、姿勢の転換をはかったりして、肛門への負担を軽く
するように工夫し、“よい排便”をこころがけることも大切です。
そして効果的なのが【下リョウ げりょう】のツボです。
温灸などで【下リョウ】穴の皮膚がほのかに赤くなる程度に熱刺激を
くり返し行います。
ツボ療法・・・腰椎と尾骨の間にある平らな骨(仙骨)には左右対称に
2列4個ずつの孔(あな=くぼみ)がありますが、
その一番下のくぼみのところが【下リョウ】のツボです。