━ 頭痛・肩こり・目まい・耳鳴り ━
朝夕めっきり寒くなってきました。
その寒さ、冷えが原因となっての病気や症状が意外と多いのです。
「病高くして内なるものは、これを陰の陵泉にとる」と漢方の古典に
記されていますが、冷えによって起こる上焦(じょうしょう)の病には、
【陰陵泉 いんりょうせん】を刺激することで最適という訳です。
上焦の病とは、主に首から上の症状で、
頭痛・肩こり・目まい・耳鳴りなどに【陰陵泉】が有効ということになります。
また【陰陵泉】は、腰痛、膝関節炎、更年期症状などの冷えによる症状にも
効果があり、寝冷えしてお腹が痛んだときなどにも有効です。
ツボ療法・・・【陰陵泉】穴は、膝内側から下方に向かって指でなどって
行き、脛骨(けいこつ)の後方のくぼみに取ります。
━ 五十肩 ━
40歳以上ことに50歳台によく発症するので「五十肩」と
いわれています。
肩関節そのものより、関節の周囲の腱や筋肉、靱帯などに異常が起る
一種の老化現象で、正しくは「肩関節周囲炎」といいます。
特に、エプロンの紐を後ろ側で結んだり、髪の毛を整えたりする動作が
できなくなり、肩の重圧感、疼痛、知覚異常などの症状で、ひどくなると
夜も眠れなるほどとなり、日常生活に支障をきたしてしまいます。
病院では、鎮痛剤や温熱療法、関節内に副腎皮質ホルモンの注射を
したりしますが、治癒に1年以上かかることがあり、薬の副作用も
問題となってきます。
しかし、【天宗 てんそう】穴へのツボ療法を行うと、副作用もなく
回復を早め、症状の緩和に大いに効果があります。
急性期で、痛が激しい時は肩関節を動かさないように安静にしますが、
【天宗】のツボを刺激し、痛みを起こさないように加減しながら、
徐々に関節を動かして、関節が拘縮(こうしゅく-関節が動かなくなる状態)
しないようにします。
ツボ療法・・・ 肩甲骨のちょうど真ん中で、骨が薄くなってくぼみに
なっているところが【天宗】のツボです。
━ こむら返り・足のムクミ・脚の疲れ ━
朝方、そろそろ起きようとしているときや思い切り背伸びをした時に、
突然、ふくらはぎに激痛が走り、全く動けなくなる症状(こむら返り)は、
ほとんどの方が経験しているのではないでしょうか?
寝不足や筋肉疲労などによるものや、血行障害、温度変化などによって、
足の筋肉がけいれんするために起こる激痛ですが、
普段から血液の循環を良くしておき、足に疲労が蓄積しないように
することが大切です。
足にある【承山 しょうざん】のツボを家庭でも指圧やマッサージなど
おこなっているとこむら返りの予防にもなり、足のムクミ、脚の疲れを
解消してくれる効果の高いツボです。
以前、手の親指付け根に【魚際】というツボを紹介しましたが、
【承山】穴のある、ふくらはぎは魚のお腹に似ているということで、
その形から別名“魚腹”と呼ばれています。
ツボ療法・・・【承山】穴は、ふくらはぎの筋肉がアキレス腱に
変わっていく所で、ふくらはぎを上からなでていくと
柔らかい筋肉が固い筋(すじ)に変わるところに取ります。
━ 喉(のど)の違和感・咳(せき) ━
「暑さ寒さも彼岸まで」とか言いますが、残暑が残るこの時期、
日中と朝夕の温度差が激しくなり、油断をしているとくしゃみや
発熱といった風邪の症状と悪化しないまでも、喉をやられ咳が
いつまでも続くことがあります。
喉のイガイガ・むずがゆいさといった違和感があるため、
ちょっとしたきっかけで咳が出ると止まらなくなることがあります。
そんな時に重宝するが【陽谿 ようけい】のツボです。
ツボ療法・・・【陽谿】穴は、手首の甲側で、親指をそらすと出る
2本の腱(けん・すじ)のくぼんだ谷間に位置します。