━ 暴飲暴食による下痢 ━
最近、自分自身の手のひらをじっくり見たことがありますか?
指先の第一関節先と小指球(しょうしきゅう=小指の付け根にあるふくらみ)、
母指球(ぼしきゅう=親指の付け根のふくらみ)が異状に赤く(紅斑こうはん)
なってはいませんか?
それは、肝臓が弱っている証(あかし)かもしれません。
また、母指球(ぼしきゅう)に血管が浮いたような青筋が出ていたら、
腸の調子が悪くなっている証拠です。
忘年会続きで食べ過ぎ、飲みすぎで消化器系に負担がかかり、
腸が悲鳴をあげ、下痢・軟便をくり返しています。
このような症状に【魚際 ぎょさい】のツボを利用して、
青筋を散らすように少し強めに指圧してあげるとお腹の調子が整ってきます。
また、【魚際】のツボは、気管支炎や肺炎などにも有効です。
ツボ療法・・・【魚際】穴は、母指球(親指付け根のふくらみ)が、
まるで“魚”のお腹に似ており、その“際”(きわ)に
あるのでこのツボの名前がついています。
━ 目じりのしみ・しわ ━
皮膚の細胞の新陳代謝が盛んであれば、紫外線でできたメラニン色素や
疲労物質も排出されてしまうが、年齢的に血液の循環が低下すると、
そういった悪いものが皮膚に残ってしまいます。
また、年と共に、皮膚の弾力性を保つコラーゲンやエラスチンも
減少してしまう。
その結果できるものが、しわ・しみですが、
特に、目尻に「カラスの足跡」といわれるものがでてしまうと
顔全体の印象が、なんとなく年寄りくさくなってしまいます。
目尻の小じわ・しみを消すのに有効なツボが
【瞳子リョウ どうしりょう】です。
スキンケアで一番大切なことは、皮膚の血液の循環をよくすることです。
そのためには、顔の“気”の流れを良くしてあげる事が先決です。
ツボ療法・・・【瞳子リョウ】のツボは、目じりの外側
半横指(指幅半分)で、骨のくぼみにとります。
━ かぜ ━
病気には、内因といって体の抵抗力が低下して起こるものと、
病邪(びょうじゃ)が外から侵入して起こる外因のものがあります。
外因を起こす病邪には、風・暑さ・乾燥・寒さ・湿気などがありますが、
かぜ(風邪)は、“風”の“邪”気が体にとりついて悪さをして、
それに対して体が精一杯抵抗している姿です。
その風の病邪が侵入する門(入り口)が【風門 ふうもん】のツボです。
かぜ(風邪)のひき始めに寒気がして、背筋がスースーしたり、
ゾクゾクしたときは【風門】のツボを刺激(温灸かドライヤー)することで、
病邪が退散していきます。
しかし、この時期に治療しないと、風の病邪が奥に進み、
後頭部から後頸部、全身の節々や背中にかけて痛みだし、発熱してきます。
したがって、【風門】は、かぜの初期の治療には欠かせないツボでもあり、
普段から【風門】穴を柔らかくなるように指圧やマッサージなどをしておくと
かぜの予防にもなります。
また、このツボは、肺炎、寝ちがい、めまい、乗り物酔いなどにも
有効なツボでもあります。
ツボ療法・・・背中の第2胸椎と第3胸椎の間から左右へ2横指(指幅2本分)
向かったところが【風門】のツボです。
=二日酔い(肝機能調整)=
肝臓の働きは、胆汁を分泌して消化を助け、炭水化物をグリコーゲン
として蓄え、血液の流れを調整し、血液の凝固に関係する酵素を作り、
ビタミンを活性型にするなど、臓器の中でもいろんな働きをしています。
中でも大切な働きが、細菌毒、その他の毒の解毒作用があります。
この時期、忘年会などのお酒を飲む機会が増えるため、
はめをはずして飲み過ぎ、次の日二日酔いとなり、頭痛や食欲不振、
吐き気などで苦しめられたという経験を持つ人は多いのではないでしょうか。
そんな時にとっておきのツボとして【期門 きもん】があります。
このツボを刺激することで、肝臓の機能を調整し、
アルコールを速やかに無毒のものに分解するため、二日酔いによる
不快症状が和らぎ徐々に元気が戻ってきます。
肋骨弓の下にある【期門】のツボを、左右片方ずつ指先で押し込むように
ゆっくり(2,3秒)とした刺激を10~15回ほど繰り返し行ってください。
しかし、一番大切なことは飲み過ぎないようにして、肝臓を労わって
あげることです。
また、【期門】のツボは、消化器系の疾患や婦人科疾患、糖尿病、
心身症などにも効果があります。
ツボ療法・・・両乳首から真下へ下がった線と肋骨の下(肋骨弓)が
交わるところに【期門】のツボがあります。
=肩こり・首のつまり・頭痛=
ネット社会でじっとした姿勢で、長時間パソコンを操作している機会が増え、
最近“肩こり”の人が増えています。駅前のクイックマッサージが
繁盛している背景にもこういった原因が大きく影響しています。
その上、塾通い、テレビゲーム、運動不足などと身体を動かす機会が
少なくなった小学生までが、肩こりで悩んでいるという深刻な社会現象と
なりつつあります。
“肩こり”を軽視してはいけません。
症状が軽いうちに対処しておくことが大切です。
肩こりのための代表的なツボ【肩井 けんせい】は、
“肩”にある気血(生体エネルギー)が湧き出す“井”戸であることを示ます。
肩こりがあることで、イライラが嵩じ精神的にも悪影響を及ぼし、
疲れ目、頭痛、高血圧、のぼせ、首のつまりなどの症状が現れてきますが、
【肩井】穴の刺激は、それらの症状を効果的に解消してくれます。
【肩井】のツボ刺激で大切なことは、強い刺激は逆効果となります。
気持ちのいい刺激(指圧か温灸が最適)が基本です。
ツボ療法・・・【肩井】穴は、乳頭を真っ直ぐ上った線上で、
首の根元から肩先との真ん中に取ります。
=家庭でできるツボ刺激の方法=
1、 指 圧---押す時の最も大切な事は、徐々に力を加えるようにし、
無理な指の使い方をしないことです。気持ちよく感じる
刺激が最適です。
2、つまよう枝--数本の爪楊枝を輪ゴムで束ね、尖った先で刺激します。
皮膚の弱い方は歯ブラシやヘアーブラシでもできます。
3、たばこ灸-- たばこの熱を利用し、皮膚から1センチほど離し、熱さを
感じたら離します。5,6回繰り返し皮膚がほんのり赤く
なったらやめます。
お線香の熱でも同様の効果があります。市販の隔物灸
(商品名・千年灸など)が手軽で便利かもしれません。
4、ドライヤー--使い捨てカイロやドライヤーなどでツボに熱刺激を加え、
血液の循環を促進します。
低温やけどには注意してください。
5、磁気治療器--市販のエレキバンが一番手軽ですが、工作で使うゴム磁石
を小さく切って使う方法でもあります。アルミ箔を米粒ほ
どに丸め利用しても良いでしょう。