━ みぞおちの違和感 ━
寝不足や度重なる精神的ストレスが続き、みぞおちあたりが重苦しく、
張ったような感じとなり、だるさや疲労感があり、
なんとなく調子が優れないという症状が続くことがあります。
”万病腹に宿る”という言葉がありますが、お腹はどこを圧しても
柔らかい状態が健康の証です。
ところが、寝不足や度重なる精神的ストレスが続くと、
みぞおちあたりに凝(こ)りや圧痛があらわれ重苦しくなってきます。
このような症状を取り除くために、厥陰(けついん)心包経(しんぽうけい)の
【中衝 ちゅうしょう】のツボが効果をあらわします。
ツボ療法・・・【中衝】穴は、中指の先端にあるツボで爪の甲から
3ミリほど手のひら寄りのところ。
━ 背中のつまり・腰痛・足の痛み ━
家庭内で、一日の疲れを取るために指圧をしたりされたりする時に、
うつ伏せになって、背骨の左右両側、脚の裏側と刺激していきますが、
その場所が太陽膀胱経と言う気(エネルギー)の流れの道筋です。
この経絡の異常を調べ、調整するツボが【京骨 けいこつ】です。
【京骨】穴を圧して痛いとか、しこりなどの症状があれば、
背中のつまり・腰痛・足の痛みなどの警告信号の前ぶれです。
うつ伏せになって、背中や腰、脚を指圧する前に、
【京骨】のツボの圧痛やしこりを取り除いておくと、
膀胱経がコントロールされ、それだけで背中や腰の凝りが解消されます。
ツボ療法・・・足の外側の縁(へり)を踝(くるぶし)のから小指に向かって
いくと高く隆起した骨に突き当たります。
そこが【京骨】のツボです。
━ 貧血 ━
血液中の赤血球や血色素が減って、赤血球のヘモグロビンが
充分酸素を取り込まないために、体の隅々に酸素不足を起こし、
頭痛・頭重、めまい・立ちくらみ、動悸・息切れ、耳鳴り、倦怠感、
肩こり、顔色や唇の色が悪い、浮腫(むくみ)などの症状を呈するのが
貧血です。
これに対して、病院では鉄剤などの薬を投与して改善を図りますが、
東洋医学では、気(エネルギー)血(血液)の停滞を取り除き、
全身隈なく気血が流れるように手助けをすることで貧血を治していきます。
そのなかでも大切なのが【気海 きかい】と1.24【血海】のツボです。
気(エネルギー)の海(貯蔵庫)である【気海】穴と
以前紹介した血(血液)の海(貯蔵庫)【血海】穴を
併せて刺激することで、身体の隅々まで気と血が行き渡り、
徐々に不快症状が消失して元気が回復してきます。
ツボ療法・・・ へその真下2横指(指幅2本分)のところに
【気海】のツボがあります。
━ 腸炎(下痢)・便秘 ━
相反する症状である下痢と便秘に対して、薬物による治療は、
下痢の時には下痢止め、便秘には緩下剤と全く正反対の薬を投与して
症状を和らげます。
ところが、ツボ療法の場合は、消化器系のアンバランスを是正し、
自然治癒力を高めるということで、下痢にも便秘にも同じツボを使う
ことがあります。
なかでも【小腸兪 しょうちょうゆ】はこれらの症状に有効です。
ついつい飲みすぎ食べ過ぎ、精神的なストレスによる
下痢・軟便、便秘の症状に【小腸兪】をゆっくり指圧をすると、
下腹部が温かくなり、消化器系の不快症状が緩和されていきます。
さらに5.17の【大腸兪】とあわせて行うとさらに効果が期待できます。
小腸に邪気が注ぐところである【小腸兪】は、下腹部の不快症状を
和らげ、腰痛、脚のむくみなどにも有効なツボでもあります。
ツボ療法・・・ 第一仙椎の棘突起下左右2横指(指幅2本分)の
ところに【小腸兪】のツボがあります。