━ 下痢、腹痛、下腹部の張り、冷え性 ━
衛生知識が乏しく、食品に対する行政によるチャックの甘さなどによって、
かつては重い消化不良からくる「下痢」が多く発生していました。
そんな時代は医者にも行かず、花の咲いている時期の“ゲンノショウコ”を
採集し、陰干して、葉と茎とも煎じてお茶代わりにして飲んだものです。
ところが最近の下痢は、外からの原因は少なくなった反面、過敏性腸症候群
などのように、精神の緊張や不安、恐れなどの心理的ストレスによって下痢を
起こす人が増えています。
根治するためには、心理的ストレスを取り除くようにすることが第一ですが、
ツボ療法が症状を緩和するのに役立ちます。
そこで効果的なのが【陰交 いんこう】のツボです。
温灸などを使って【陰交】穴へ、近づけては遠ざけるの刺激を繰り返し行い、
ツボの皮膚が赤くなるのを目安に終了します。
また【陰交】穴は、冷え性、腰痛などにも効果を発揮します。
ツボ療法・・・臍より真下へ1横指(指幅1本分)ほど向かった
ところが【陰交】のツボです。
━ 消化器系機能低下、腹が張る ━
早いもので1月も3分の1を過ぎ、正月気分もなくなってしまいましたが、
この時期、年末・年始の飲み過ぎ、食べ過ぎ、その上運動不足などが原因して、
体調不良を起こす人が増えてきます。
特に消化器系機能低下による、吐き気、胸やけやゲップ、胃周辺の重圧感、
胃の痛みや嘔吐(おうと)、下腹部の膨満感、倦怠感、頭痛などの全身症状も
加わることがあります。
そこでお勧めなのが【太白 たいはく】のツボです。
【太白】穴は、消化器系を司る太陰脾経の経絡上にあり、気の調整を図る
ための最適なツボ(原穴)でもあります。
左右の【太白】穴を親指の先で3,4秒ほど圧しては離すの動作を7,8回
ほど繰り返し行います。
ツボ療法・・・足の親指側にある第一中足指節関節の後ろ内側の
ところが【太白】のツボです。
━ 片頭痛、疲れ目、歯痛 ━
いろいろな病気の症状の一部として“頭痛”が現れることが多いのですが、
はっきりとした原因がないのに、いつまでもくり返して痛みが起こるものも
あります。
その代表的なものが「片頭痛」です。
頭の片側に発作的に脈打つようにズキンズキンと痛み出しますが、脳血管の
収縮に続く異常な拡張によって神経を刺激するためだとされています。
痛くなる前ぶれとして、チカチカした“閃輝暗点(せんきあんてん)”や
ものが二重に見えたり、めまい、耳鳴りなどの症状が多く人に現れます。
そして、数分から数時間前に現れるこの前ぶれの時に、薄暗い静かな場所で
ツボ療法を行うと耐え難い痛みから逃れることができます。
そして、効果的なのが【曲鬢 きょくびん】のツボです。
片頭痛は、男性より女性に多く、性格的に“几帳面な人”“完全主義の人”
などがなりやすいので、ツボ療法と併せてゆとりを持ってのんびりと生活する
ことも大切です。
ツボ療法・・・耳の最頂部(耳尖)より目尻に向かって1横指ほど
進んだところが【曲鬢】のツボです。
━ 呼吸器疾患、肋間神経痛、胸膜炎 ━
「風」「暑」「湿」「燥」「寒」などのような気候や環境などによって
起こる五臓六腑に悪い影響を与える外気の性状を「五悪」といいますが、
「肺(呼吸器)」は「燥(乾燥)」を嫌います。
この時期、外気は乾燥し、室内では暖房などによって乾燥し、皮膚に潤いが
なくなるように、呼吸器の粘膜にも程よい湿気がなくなり、外敵が侵入して、
炎症などが起こりやすくなります。
ツボ療法を行って、肺、上気道、気管、気管支などの気血の流れを整えて、
健康な日々を過ごしたいものです。
そして、効果的なのが【周栄 しゅうえい】のツボです。
温灸などを使って【周栄】穴へ熱かったら遠ざけるの刺激を7~8回ほど
繰り返して行います。
ツボ療法・・・第2、3肋骨の間で胸骨前面より左右へ指幅6本分ほど
進んだところが【周栄】のツボです。
━ 乗り物酔い、めまい、耳鳴り ━
折角の楽しい旅行も「乗り物酔い」では、憂鬱(ゆううつ)になってしまい
ます。
そして、乗り物に弱いという考え(心配)にとらわれていると、ますます
その暗示にかかってしまい、かえって酔い易くなってしまうので、気分転換を
はかったり、自信をもたせることも大切です。
また、睡眠不足、満腹、空腹などは、乗り物酔いの誘因となるので、
前の夜は十分に眠り、乗車1時間ほど前に消化のよい食べ物を軽くすませて
おきましょう。
そして、効果的なのが【侠谿 きょうけい】のツボです。
手の親指の先で【侠谿】穴を3~4秒ほど圧しては離すの刺激を10回ほど
繰り返します。
ツボ療法・・・足の第4趾と第5趾の間のつけ根のところが
【侠谿】のツボです。
━ 胃酸過多症、二日酔い、胸・脇の痛み ━
胃液の塩酸の分泌が増加する「胃酸過多症」には、胸やけやゲップなどの
いわゆる酸症状や吐き気、空腹時の胃痛などがありますが食欲は落ちません。
また、胃酸過多症に伴うこれらの症状は、食事を摂ったり、制酸剤を服用
すると治まるのが普通です。
原因として、喫煙、刺激性の食品の撮り過ぎ、精神的な興奮、過労などが
考えられます。
胃酸が過多であることだけでは、病気を考える必要はありませんが、影に
重大な病気が隠れている場合があるので注意が必要です。
しかし、胃酸過多症には、ツボ療法をすることで症状が軽くなったりします。
そこで効果的なのが【日月 じつげつ】のツボです。
【日月】穴は 胆の募穴(経気の集まる重要な場所)で、胃酸過多症を始め、
胸から脇腹にかけての痛み、二日酔いなどに効果的なツボでもあります。
ツボ療法・・・両乳首から真下へ下がった線と肋骨の下(肋骨弓)が
交わるところから斜めに指幅半分ほど外側に下った
ところが【日月】のツボです。