━ 胸の痛み、肋間神経痛、乳腺炎 ━
東日本大震災からはや一年が過ぎ、悲しみを抱きながら生活する被災者の
ことを思うと胸の痛む思いがします。
一日も早い復旧復興を願わずにいられません。
悲しく思い、辛く感じることで起こる“胸の痛み”は、こころを癒すことが
一番ですが、医療機関を訪れる患者さんが訴える症状の多いもののひとつに
「胸の痛み」があります。
一口に胸の痛みといっても原因は様々で、心臓や肺、食道、大動脈、筋肉、
肋間神経などから発するシグナルとして痛みが出る場合があるので、細心の
注意が必要です。
しかし、多くは筋肉や肋間神経などからの痛みで、ツボ療法であっさりと
痛みが鎮まることがあります。
そこで効果的なのが【天谿 てんけい】のツボです。
人差し指の先で【天谿】穴を3,4秒ほど圧しては離すの動作を数回ほど
繰り返し行います。
ツボ療法・・・乳頭より外側へ2横指(指幅2本分)ほど進んだ
第4、5肋骨の間のところが【天谿】のツボです。
━ 後頭神経痛、めまい、頭痛 ━
神経痛とは、知覚神経の分布している領域に、発作性の激しい痛みを起こす
もので、ある病気の症候のひとつとしてあわられるものと、なにが原因して
痛むのか分からない「原発性」とがあります。
一般的に神経痛は、痛みの神経の経絡全体が冷える傾向があり、「寒さ」に
敏感に反応し、痛みが増悪する場合が多いので注意が必要です。
なかでも、耳の後ろから後頭部、頭頂部にかけて発作性の痛みを起こす
“後頭神経痛”は、脳に近いだけに耐え難い痛みとなります。
そこで効果的なのが【脳空 のうくう】のツボ刺激です。
頭、首にある神経の経絡に沿って、手のひらなどでなでて血行を良くし、
頭を前に曲げる運動などを行い、【脳空】穴を人差し指の先で円を描くように
刺激を繰り返します。
また、眩暈(めまい)、頭痛・頭重などに【脳空】穴は効果を発揮します。
ツボ療法・・・後頭骨隆起の中心より外側へ指幅2本半ほど
向かったところが【脳空】のツボです。
━ 腸を整える、慢性腸炎、足の疲労感 ━
昔から「万病は腹に宿る」といいますが、健康を得ようとするなら、まず
腸を清潔にすることが大切です。
ところが、運動不足、偏った食生活、精神的ストレスの多い現代人は、
停滞した老廃物によって腸は汚染され、機能不全を起し、「自家中毒」症状に
なっています。
まずは、間違った生活習慣を見直し、適度な運動、ストレス解消などを行い、
ツボ療法によって腸の機能をきちんと整える必要があります。
そこで効果的なのが【下巨虚 げこきょ】のツボ刺激です。
腸の働きが整うことによって、浄化作用が規則正しく効果的に行われ、
身体も生気に満ちてくるものですが、【下巨虚】穴刺激によって、美肌効果も
アップしてきます。
また【下巨虚】穴は、足の疲れ、神経痛にも効果を発揮します。
ツボ療法・・・外踝(そとくるぶし)から膝蓋骨下端の線上で
ちょうど中間点のところが【下巨虚】のツボです。
━ 白髪、抜け毛、薄毛 ━
「髪」は...長~~~い友だち...だと云われてきましたが、精神的ストレス、
過度の洗髪などによって、髪の毛に異変(損傷)が起きています。
薄毛・抜け毛で悩む人は増え続け、男性だけではなく、女性用のカツラの
需要も年々伸びているようです。
昔から、心配事が重なったりして、一夜のうちに髪の毛が真っ白になって
しまったという話を聞いたりしますが、黒髪を作るための色素幹細胞が
何らかの原因でダメージをうけ、髪は白くなってしまうことがあります。
一般的に、加齢による白髪は頭側部から始まり、徐々に全体に広がりますが、
若白髪は頭部全体に点々と現れます。
髪の毛は、血の余りから生ずるもので「血余」といいますが、色素幹細胞が
減ったり、枯渇する原因は、頭部の気血の滞りにあります。
そこで効果的なのが【正営 しょうえい】のツボ刺激です。
色素幹細胞、毛母細胞の“営”みを“正”しくさせるための【正営】穴は
抜け毛、薄毛の予防にも役立ち、めまいなどにも効果的です。
ツボ療法・・・前髪の生え際の中央より左右へ指幅2本分進み、
そこより後方へ指幅3本分ほど向かったところが
【正営】のツボです。
━ 肩背部痛、肋間神経痛 ━
「立春」を過ぎてもまだまだ寒い日が続いています。
その寒さが筋肉をかたくこわばらせ、全身にますます疲労を蓄積させて
しまいます。
そして、咳やくしゃみ、不自然な姿勢などによって、肩から背中にかけて
激しい痛みが起こって、呼吸もできないほどになることがあります。
そこでお勧めなのが【イキ いき】のツボです。
ぎっくり腰ならぬ「ぎっくり背中」には、肩背部の筋肉の緊張をほぐすこと
が第一ですが、親指の先で【イキ】穴じっくりした刺激をくり返して行うと、
緊張もゆるみ、痛みもやわらいできます。
ツボ療法・・・第6胸椎棘突起下より左右へ指幅4本分ほど
向かったところが【イキ】のツボです。
━ 歯肉炎(歯齦炎)、口臭 ━
口の中には、いろんな細菌がたくさん生存していますが、皮膚の傷など
とはちがい、口の中の傷は意外と治りやすいものです。
それは、唾液(唾=つば)に細菌の活動を抑える作用があるからです。
動物たちが怪我をしたときに、傷口をなめているのも本能的に治癒を早める
ことを知っているのかもしれません。
しかし、全身的な抵抗力が弱まったり、精神的ストレスが加わったりすると
唾液の量が減って、細菌が繁殖し易い環境となって、口の中にはいろんな炎症
が発生します。
特に、歯の生えている歯肉に炎症が起こったものを「歯肉炎」または
「歯齦炎(しぎんえん)」といいます。
家庭での治療法として、重曹水で一日数回うがいをし、ツボ療法で口の中の
気血の流れを整えると、すみやかに炎症が治まってきます。
そこでお勧めなのが【兌端 だたん】のツボです。
人差し指の先で【兌端】穴を3,4秒ほど圧しては離すの動作を数回ほど
繰り返し行います。
ツボ療法・・・上唇の中央上縁のところが【兌端】のツボです。