Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

麦門冬湯 (ごろ寝漢方㉝)

2020-04-30 | ごろ寝漢方

 かぜ症状は治まったのに、空咳がいつまでも出て止まらない。痰は少ないのだが、なんだか絡んでしまって咳が出る。咳が出始めると連続して出続け、顔が待ったになり、吐きそうになる。喉の感想感が強くて咳発作が続く。これらの症状を訴えるとき、麦門冬湯(ばくもんどうとう)の出番となることが多い。いわゆる咳止めの薬の中には、喉の乾燥感が強くなるものもあり、そんな時麦門冬湯を飲むと乾燥感が静まり咳も静まることがある。一方痰がたくさん出るような咳にはこの処方は使わない。

 一月近く鎮咳剤を処方されているが、夜にせき込みだすと止まらず、最近は寝不足になっているという相談を受けたことがある。その時は麦門冬湯に小柴胡湯も一緒に処方したが、その日から眠れるようになり、一週間たたずに咳が止まったとのことだった。西洋薬で行き詰ったら、漢方薬を試してみると、いいことがあるかもしれない。

  保険適応病名 : 痰のきれにくい咳、気管支炎、気管支ぜんそく。

 麦門冬と粳米は気道を潤し咳を鎮め、半夏は去痰と咳止め、人参、甘草、大棗で元気をつける。

 

《処方語呂合わせ》麦門冬(ばくもんどう)半夏(はんげ)粳米(こうべい)甘草(かんぞう)人参(にんじん)大棗(たいそう)

◎ 爆問答 反抗 堪忍たい

つぎつぎと問答を仕掛けてくる、爆問答(麦門冬)。反(半夏)抗(粳米)的な態度でどこまでも引き下がらない。いい加減、堪(甘草)忍(人参)たい(大棗)。


P(ぱっぱと)C(チェックして)R(論議する)

2020-04-30 | 想い・雑感

PCR検査をどんどんやるべきだ

と多くの人は思っていたはず

感染対策委員会の面々や政府は

理由をつけてやりすぎは良くないと言い続けた

 

これまでの流れを見て

やはりPCR検査をどんどんやらなければ

全体像が見えずに

対策が立てにくいことがさらに明らかになってきた

 

PCR検査を実行するための準備を

どれほどしてきたのかは知らないが

病院から依頼したPCR検査結果は

翌日の夕方にならなければ帰ってこない

それも電話連絡だけで

文書として戻ってくるのはさらに遅れる

 

何をしているのだ

 

感染者発生件数の変動など

低く抑えられた検査件数をなぞっているだけで

実際の感染拡大の指標になどならないではないか

 

今後一気に感染爆発の状態となれば

PCR検査をやり渋った人たちに責任がある

きちっと検査をしたうえで

感染者数をより正確に公表したなら

人々の行動変容に大きな後押しとなったはずだ

 

検査を積極的に行わなかった責任は大きい

 

ぱっぱとPCRをチェックしたうえでなければ論議にならん


フェイスシールド

2020-04-30 | 想い・雑感

病院の事務の方がフェースシールドを作成してくれた

今日の外来からは

マスク + フェースシールド

のいでたちとなった

 

別にシールドまでしなくてもよいけどなぁと思っていたが

患者さんのほうはやはり何かを感じるようで

大変になりましたねぇ

と病院の危機感を共有してもらえるようだ

 

お互いにこれまでより一層注意するという意味でも

フェースシールドは良いかもしれない

 

患者さんとの間にある敷居が高くなりそうだが

より丁寧な診察で少しでも敷居を下げたいものだ

 

今できる最善を


平熱

2020-04-29 | ごろ寝漢方

最近は毎朝体温を測るので

自分の早朝の平熱が36.2~36.7℃あたりだと知った

 

小学校に上がるまではちょくちょく熱を出していたので

そのころの平熱が36.4℃あたりというのは知っていたが

その後の平熱を知ったのは今回が初めてである

過5年くらいの間で体温を測ったのは数回

確か36.1℃あたりだったような気がする

ちょうどこの5年くらいで体が冷えると温まりにくい 

と自覚していたので実際に平熱が低くなっていたのかもしれない

 

1年半前くらいからほぼ毎日漢方薬を服用しているので

ひょっとしたら普段の体温も少し上がったのかもしれない

 

患者さんに漢方薬を処方していると

最近体温が上がりました

なんてことを言われることがよくある

ここ何年もの間で36℃台なんて初めてです

などということもある

 

もちろん漢方薬によるが体を温める方向にベクトルが向いている生薬を多く含むもののは

実際にそのような効果があるものと思われる

 

冷えがとれると

関節痛や腹痛などの痛みが取れたり

月経にまつわる不具合がよくなったり

かぜになりにくくなったり

といろいろいいことがある

 

もちろん熱くなりすぎても不具合が出てくる

そのような方には冷やす方向に働く処方も用意されている

 

漢方薬には深い知恵が生きている


ブラッド・ピット

2020-04-28 | 想い・雑感

タイド ポッド チャレンジ なるものが

2018年代にアメリカの青少年の間ではやり

健康障害などを引き起こす事件があったと初めて知った

 

アメリカの感染症研究所所長である

アンソニー・ファウチ氏を演じたブラッドピットの動画のおかげである

 

洗剤にTIDEという名前のものがあるのだが

その洗剤が小さいビニールに包まれた商品があるらしい

なぜかこれを飲むという行為がはやったことがあるとのこと

あまりに危険なこの行為への注意喚起が直ちに行われ

騒ぎは収まっていったらしい

 

しかし先日のトランプの消毒薬を飲めばよい発言は

今一度この行為を再燃させようとしたものとしか思えない

トランプサポーターに消毒薬製造会社の人間がいるのかと疑ったが

そういう会社からも直ちにそんな”馬鹿な”ことはしないようにとの

注意喚起がなされたようだから

困った人は言った本人ということ

 

それにしてもこれほど非常識とは

心底驚きました

 

そしてブラッドピットの

ピリリと効いたジョークに

感心しました


Web投票

2020-04-27 | 想い・雑感

静岡で補欠選が行われたらしい

ずいぶん投票率が低かったようだから

組織票の力が選挙の結果になったのだろう

 

Stay Home

と言われている中

より多くの有権者が投票できるような工夫はしたのだろうか

 

こんな状況を見ていると

そろそろWeb投票の仕組みを作る必要があると感じる

 

投票所で電子モニターを使った電子投票は

地方選で何度か実施されているようだが

全てをインターネット上で完結できる

Web投票はいまだ実施されていないようだ

 

政見放送

アンケート集計

投票

収開票

などのすべてのステップをインターネット上でできるようにしてほしい

 

もちろんこれまでの紙投票としばらくは並列でよい

 

これをすれば

うるさい街宣を聞かなくて済むしウグイス嬢に上乗せ賃金を払わなくて済む

どのようなことを目標に掲げて立候補しているかわかる

当選後は掲げていた政策を実行しているかチェックできる

多くの国民の意向を集約できる

選挙区の線引きも大きく変えられる

立候補者もやたらと握手しなくて済む

感染騒ぎが起こっても粛々と選挙は行える

などなど良いことたくさん

 

特にこれからの日本の在り方が直接自分に降りかかる

若者たちが投票行動を起こしやすくなる

 

直接民主制に近づき

総理大臣も国民選挙で選べるかもしれない

 

さあIT担当大臣

出番ですよ

 


スケープゴート

2020-04-27 | 想い・雑感

営業自粛要請に応じないパチンコ店の名前公表に関して

賛否両意見がみられる

 

大阪府の行政側が行ってきた努力は分かるし

感染爆発を抑えるためには必要ということも理解できるので

致し方なしという思いの一方で

どうしても違和感を感じてしまう

 

どうしてパチンコ店だけなのか

他の個人事業主で同様の対応しているところはないのか

観光地や海や山に出かける人々は同列ではないのか

結局攻めると世間の同意が得やすいところを狙ったのではないのか

と疑問がわいてくる

 

そこで思い浮かぶ言葉は

スケープゴート

scapegoad ⇒ scape(≒escape 逃げる)+ goat(ヤギ)

 

ユダヤ教には贖罪の日というのがあるらしい

その日に人々の苦難や罪業をヤギに背負わせたということにして

そのヤギを荒野に放すという風習があるとのこと

荒野というのはおそらく砂漠でしょうが

放たれたヤギはどうなるのでしょうか

 

こんな風習から

人の不安 怒り 憎悪などを

ある一方向に向けるような対象のことをさして

スケープゴートと言うようになったとのこと

 

パチンコ店の場合

無関係のところというわけではないが

他にも公表すべきところがありそうなのに

パチンコ店決め打ちで公表したところに

生贄的な意志が働いていないと言い切れるだろうか

 

今回の店名公表を手放しで喝采する先には

ホロコーストが見えるような気がする

感染爆発を防ぐのが今最も大切なことかもしれないが

怒りを自制なく爆発させると自分自身の首を絞めることになる

というこを思い浮かべることも大切だろう

 

ホロコーストは全てを焼くという原義

そこから丸焼きの供物を意味するとのこと

ドイツの強制収容所だけではなく

アメリカによる日本の都市への絨毯爆撃

ベトナム戦争での連続する爆撃などへも

思いがつながっていく


大臣

2020-04-26 | 想い・雑感

末は博士か大臣か

私より前の世代ではこのようなことも言われていました

博士や大臣になることが立派なことだとされていたわけですね

 

賢い子供を見かけると

きっとこの子は将来博士や大臣という

立派な人になるであろうということです

 

高学歴社会の今では

博士課程を修了した人はそれほど珍しい存在でもなくなり

博士が昔ほど大成功というわけではないですね

 

一方大臣というのは立派な人とか人格者などと思う人は

今や皆無という時代になったのではないでしょうか

 

大臣というのは省のトップですから

指導力が必要ですし

その指導力を裏打ちする論理性や専門性が必要だと思います

しかし日本の大臣はずぶの素人ではなかろうかという人がなったりします

 

最近よく話題になるのは

超高齢のIT担当大臣

何を考えてそのような人を任命したのか

任命者も任命された方もどう考えて妥当と判断したのか

ちっとも納得できませんね

 

まあ政党の都合

政治家間の駆け引き

派閥間のバランス

などが大臣決定の根拠となっている現状を変えていかなければ

まともな大臣は生まれにくいと思います

 

COVID19に対する素早い対応で世界的に注目されている

天才プログラマー唐鳳IT担当大臣(政務委員(39歳)

この方の活躍をネットで見るたびについ比較してしまう

しかしこの方の動きを生み出したのは

やはり国のリーダーの判断の速さやサポートがあったからでしょうから

国のリーダーの実力というのは

緊急事態によく見えてきますね

 

とにかく今後の大臣の決定には

きちっとその省が扱う事項に対して

かなりの知識があるような人を選ぶべきだと思います

 

今後IT環境がさらに進化し

一気に多数の国民がアクセスできるプラットフォームができれば

直接民主制で首相を選ぶということも可能になるかもしれません

そうなればもうちょっと国民の実情を理解できるリーダーを

選べる時代となるでしょうね

 


抑肝散 (ごろ寝漢方㉜)

2020-04-26 | ごろ寝漢方

 それほど丈夫ではなく、比較的些細なことでいらいら、もやもやという方に処方するのが抑肝散(よくかんさん)。肝のたかぶりはイライラなどの精神神経症状を引き起こすと考えるのですが、それを抑えるという意味で抑肝散。瞼がぴくぴくしたり、少しのことで怒り爆発したり、夜眠れなかったりということもあります。認知症で攻撃的な症状の方に使用することも増えてきているようで、紹介されてくる高齢者の方に処方されている場合も多いです。また、すぐに泣き叫ぶ子供に使うことが多いようですが、そのお母さんもいらいらしていることが多いので、母子同服といて、母子一緒にこの抑肝散を服用してもらうとよいと言われます。

 怒りを面に出す人は分かりやすいのだが、内に秘める方も多く、本人がイライラや怒りに気づいてないこともある。社会から追い立てられるようなストレスの多い現代では、この処方の出番はもっと多いのではないかと思っている。

 柴胡が肝の高ぶりを抑え、釣藤鈎が鎮静効果、当帰と川芎で血の巡りを改善し、甘草、蒼朮、茯苓で胃腸を健やかにしてくれる。

 

 《保険適応病名

虚弱な体質で神経がたかぶるものの次の諸症:
   神経症、不眠症、小児夜泣き、小児疳症

 

《処方語呂合わせ》当帰(とうき)川芎(せんきゅう)釣藤鈎(ちょうとうこう)茯苓(ぶくりょう)甘草(かんぞう)柴胡(さいこ)蒼朮(そうじゅつ)

◎ よく母さん 当選釣り上げたね。 複利完済して述懐。

よく母さん(抑肝散) 当(当帰)選(川芎)釣り(釣藤鈎)上げたね。 複利(茯苓)完(甘草)済(柴胡)して述(蒼朮)懐。


防風通聖散 (ごろ寝漢方㉛)

2020-04-25 | ごろ寝漢方

 漢方を扱う薬局などに行くと、漢方のやせ薬として宣伝されたりするのがこの防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)。患者さんや看護師さんから時に処方してくれと言われる。その時は、「言っとくけど、これを飲んだからと言ってやせないよ。」と伝える。脂肪細胞などでの代謝が活発になり、基礎代謝が上がると言われてはいるが、決してやせ薬ではない。痩せようと思ったら、食事と運動をコントロールしなければ結局ダメ。

 イメージとしたら、いろいろなものをため込んでしまって調子を崩した人に対して、たまったものを出させるというところ。発汗や利尿で水分を出し、下剤として働き便を排出することを目指している。メタボ体形の太鼓腹で便秘気味、高血圧やむくみを伴ったりという方に処方する。のぼせや頭痛、耳鳴り、肩こりなどを認めることもある。

 

保険適応病名
腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの次の諸症
:高血圧の随伴症状(どうき、肩こり、のぼせ)、肥満症、むくみ、便秘。

 

《処方語呂合わせ》防風(ぼうふう)黄芩(おうごん)甘草(かんぞう)連翹(れんぎょう)生姜(しょうきょう)石膏(せっこう)桔梗(ききょう)白朮(びゃくじゅつ)麻黄(まおう)山梔子(山梔子)荊芥(けいがい)芍薬(しゃくやく)薄荷(はっか)当帰(とうき)川芎(せんきゅう)滑石(かっせき)芒硝(ぼうしょう)となんと18種類もの生薬から成っている。

◎ 防風散 王冠大王 暁鐘 説教百述 迷う参詣者 初当選 渇望

防風散(防風)王(黄芩)冠(甘草)を載せた大王(大黄)が明け方の鐘、暁(連翹)鐘(生姜)とともに長々と説教を百述(白朮)している。何を言っているかよくわからず迷う(麻黄)参(山梔子)詣(荊芥)者(芍薬)は初(薄荷)当(当帰)選(川芎)を渇(滑石)望(芒硝)しているだけなのに。

 


年金を何歳から受け取るか

2020-04-25 | 想い・雑感

年金機構からのはがきが届いた

 

受給開始年齢が65歳と70歳とでは

受給額にこれくらい差がありますよ

考えた方がいいですよ

という内容

 

まだ少し先の話なのだが

一定の年齢の皆さんにこのようなはがきが届くのでしょうね

 

お国のやり方に全幅の信頼がおけないし

人間 明日どうなるかもわからないという現実を

SARS-CO2感染症で見せつけられている今

もらえるならとっとともらい始める

という人ばかりではないのかなぁ

 

70歳からの受給を選択する人は

かなり長生きできることを確信しているひとなのかなぁ


いつ終息?

2020-04-25 | 想い・雑感

外来患者さんが 

ところで先生はコロナいつ終息すると思いますか

分かりません

 

当然分かりません

分からないことが多すぎて

また政府や専門家の意図もわかりにくいところがあって

どうにもこうにも見えません

 

最初から疑問で今もわからぬことの一つは

なぜ最初からPCR検査をどんどんやる方向で話を進めなかったのか

ということ

最初はクラスターつぶしが有効だからとかなんとか説明されていますが

症状なき感染者の存在は早い段階からわかっていたこと

そのような人がクラスターの元締めになる可能性は当然あるわけだから

とにかくPCRをやって陽性なら症状がなくても自宅待機

としていればずいぶん変わっていたのではないでしょうか

 

さらにわからないのは

最近はPCRをやっていこうという方向性になっているようですが

なぜ今ならPCRをやった方がよいのか

なぜ方針が変更になったのかという理由が明確でないところ

 

理由がわかれば方針の意図が分かり

自主的な行動もスムースに変容していくと思うのですがね

 

専門家会議の皆さんがとても頑張ってくれているのは分かるのですが

PCR検査を最初からどんどんしてはならなかった

しなかったからよかった

と納得できる説明が欲しいと思います


深呼吸

2020-04-24 | 想い・雑感

ポストから取り出した朝刊を手に

冷気を吸い込んだ

なんだか気持ちが良い

なにか息を詰めるようになっている日々の中

久しぶりに深呼吸をした

 

川向こうの主要道路を走る車も少ない

空気も少し澄んでいるのかもしれない

 

様々な移動量が激減する中

大気や水が浄化されてきているレポートを見かけるようになった

人の活動が環境にかけている負荷が

いかに大きいものかがわかる

その一方で

人の生活様式を変えていけば

環境を改善できる可能性も見えてくる

 

物体が移動するのにはエネルギーが必要であることは

物理の時間に習う

ヒトやモノの移動に必要なエネルギーのほとんどは

化石燃料からやってくる

あらゆる分野の移動の効率化や頻度の検討が

温暖化の緩和にも効いてきそうだ

 

さて時々は深呼吸して

自己のありようも見つめなおしてみますか


パルスオキシメーター

2020-04-24 | 医療・病気・いのち

 赤血球は酸素の運び屋さんということは理科の時間に学ぶ。実際は、赤血球の中のヘモグロビンの中のヘムタンパクが関与している。何気なく呼吸をしているが、肺で酸素を抱え込み、抹消の組織に行けばそこで酸素を提供するということを赤血球がしてくれているおかげで私たちは生きている。不思議なもので、酸素がたくさんある環境では酸素をしっかり運び、低酸素の環境では放出する。赤血球が酸素を抱き込む場所は、肺の中の小さな袋肺胞。薄い膜を隔てて、肺胞内の酸素を、血管内の赤血球が受け取ってくれる。肺から戻った赤血球たちは心臓から体の隅々まで運ばれていく。だから呼吸状態が悪くなっても、心臓の機能が悪くなっても、十分な酸素を組織まで送り届けにくくなる。

 手術中から手術後、心肺機能が不安定になることがある。そんな時は、動脈血中に十分酸素が流れているかどうかチェックする必要が出てくる。昔は必要なら動脈血を数ml採取して、血液ガス分析器で測定していた。動脈血採血は研修医の役目。夜中の病棟で採血しては、穿刺部を同僚に押さえてもらい、何度検査機まで走ったことか。しかしその後、パルスオキシメーターが次第に普及してきた。前述のヘモグロビンが酸素を持っている状態と、離した状態では、赤い光や赤外線を吸収する程度が異なることを利用して、ヘモグロビンがどの程度の割合が酸素を持っている状態かを指につけるだけで測定できるのだ。おかげで動脈血採血の頻度はぐっと減った。

 今では病棟に何台もパルスオキシメーターはある。クリニックにもある。個人で持っている人もいる。ずいぶんと時代は変わった。現在、COVID19に感染して肺炎を起こすと、肺胞レベルで酸素を受け取れないヘモグロビンの割合が増えるため、パルスオキシメーターの値が下がってしまう可能性がある。そこで感染疑いの人にはパルスオキシメーターをつけて酸素の取り込みに問題ないかを見ているのです。これのない時代にこのウイルスが蔓延したなら、そして酸素取り込み能力を見ようと思ったら、皆動脈に針を立てられる羽目になっていたわけだから、ありがたい発明です。ちなみに発明は日本発です。医療現場での実用化が広まったのはアメリカが先です。

 なお、血液中に実際どの程度酸素が含まれているか、二酸化炭素の量はどうか、pHは保たれているか、重炭酸濃度はどうか、などまで見ようと思えば、今でも動脈血採血が必要です。


狭量

2020-04-23 | 想い・雑感

不安は人を狭量にする

加藤諦三さんによれば

不安が人の行動に与える影響は決定的で

その対処法がむつかしいとのこと

 

まさに世を挙げて不安の真っただ中

自分がすでに感染している可能性など棚上げして

他者を糾弾する事例あまた

 

知人の病院で少数ながら感染者が出た

その情報が出ると

職員の子供の保育園への通園や学校への通学自粛要請

家族の通勤拒否

通勤するなら別居しろ要請

などなど

聞いていると心が暗くなる

 

不安のもとに防衛本能が前面に出てくるのだろうが

冷静に話し合ったうえで対処法を考える

ということはできないだろうか

 

このような現実に

ライトアップや拍手は残念ながら無力かな

 

ウイルスに心までやられてしまいそう