Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

まだ冷える

2010-02-27 | 想い・雑感
寒気が緩むと
ついつい油断して
これまでより着る物を減らして
バイクに跨ってしまう

そして後悔
走っていると
体が冷えていく

そりゃ風速15m/秒くらいの状況に
体をさらしているわけだから
当然ですね

暖かく感じても
風を通さない服装であることが重要です

庭先には
明るい花も咲いているのですがね




春?

2010-02-27 | 想い・雑感
精神科病棟横の道を歩いていると
路面に薄い桃色の花びらが落ちている


見上げると
金網の向こうに見えるは
桜!?

今日は2月27日
確かにまだ3月ではない

少し早すぎると思うが
やはり桜だと思う

ソメイヨシノではない?
ソメイヨシノだが遺伝子異常が蓄積し開花時期がずれた?
気候の問題?

よくわからないが
確かに
spring is in the air

写り悪いが
桜ですよね



奈良県大和郡山市「山本病院」肝切除事件を聞いて⑥  --周術期(術後)--

2010-02-26 | 想い・雑感
 周産期という言葉をご存知だろうか。出産のときだけでなく、出産前から出産後にかけての時期全体を指す言葉である。病院によっては、周産期医療センターを擁しているところもある。その言葉と同様な意味合いで、周術期という言葉がある。これは、手術のときだけでなく、手術前から手術後にかけたある程度短い期間をさし、全体を管理することによりよりよい手術結果を得ようという発想を表している。術後管理の主目標の一つは、合併症があればそれを早期に見つけ治療するということである。
 術後合併症の一つに、術後出血というのがある。手術が終了するときには、出血がないことを確認するわけだが、手術が終わってしばらくしてから出血が起きることをいう。普段我々が怪我をしたときなどでも、一旦止まっていた出血が、また起きてくることがあるように、手術終了時に止まっていたものが、また出血することがあるわけである。この術後出血は、術後6時間以内に起こることが多いとされている。だから私は、基本的に開腹手術終了後には、6時間くらいは病院に残るようにしているし、手術当夜は、アルコールを控えるようにしている。
 止血もそこそこに、手術室を離れた上に、飲みに行っていったという山本医師の行動には、ただただあきれるしかない。もともと臭い物に蓋を地で行くような行動パターンの人間だったのかもしれないが、臓器から出血しているのに、閉腹(お腹を閉じる)という蓋をしたところで、出血は止まらない。お腹の中にどんどん血が溜まり、血管内の血液がぐんと減ってくれば、出血死を免れることはできない。
 山本氏本人は、無罪を主張してくるだろうが、メディアにはぜひその論拠を伝えてほしい。恐らく論拠と呼べるような弁論はできないと予想するが・・・。

奈良県大和郡山市「山本病院」肝切除事件を聞いて⑤  --麻酔医--

2010-02-23 | 想い・雑感
 日本に麻酔の専門家が誕生したのは、第二次世界大戦後のことです。そしてアメリカの進んだ麻酔技術を学ぶことにより、どんどん進化してきました。そうはいっても30年くらい前は、まだまだ麻酔科医がいなくて、外科医が麻酔をかけて手術を行うというようなことは珍しくありませんでした。私も麻酔の研修を受けた組です。また個人病院などでは、経験豊かな看護師が、手術中の麻酔管理をしていたりということも見かけたことがあります。
 しかし、手術中というのはいろいろなことがあるので、麻酔の状態をコントロールするというのは、専門的知識が必要となるし、常に監視の目を光らせておく必要があります。現代の手術は、手術中に麻酔科医がきちっと麻酔管理(全身管理)をしてくれていることが前提となっているのです。
 先日なくなった、マイケルジャクソンが注射したというプロポフォールも麻酔に使用する薬剤で、使用中は血圧が下がったり、呼吸が止まったりということがある薬剤です。だから麻酔科医が投与速度をきちっと管理して使用する必要があるのです。そのような薬剤を何種類も使用することにより、患者さんは痛みや恐怖を感じることなく、大手術を乗り切るわけですが、その匙加減は専門家でなくてはできないのです。
 山本医師は、自分で麻酔をかけ、自分が手術をしていたという。メディアの報道を見る限り、手術中の麻酔管理は、医師以外のものがしていた可能性が高い。肝切除というのは手術自体も専門的知識が必要で出血のリスクが高いものであるのに、麻酔と手術両方を確実に行うなどということは極めて困難である。仮にできたとしても、してなならないことである。山本医師本人は、かなりの自信家なのだろうが、現実の能力が伴なっていない医師の自信ほど、患者にとって恐ろしいものはないとおもう。

基本的技術

2010-02-23 | 想い・雑感
胃癌に対する手術では
D2 といって
2群といわれるリンパ節までを
きちっととってくることが基本となる

胃全摘が必要となるような胃癌に対し
2群までのリンパ節を確実に取ってくるには
膵臓の尾部を十分遊離して
血管周囲の脂肪組織をきちっととってくることが必要となる

先日その操作をしていると
若い外科医が
そのような操作は初めて見たという

癌の手術は
確実なリンパ節郭清が重要なのに
その外科医が見たことがないということは
それを端折っている場合が多いのだろうかと
やや不安になった

医療? 延命?

2010-02-22 | 想い・雑感
抗がん剤を使う
症状(苦痛)を取り除くために
さまざまな薬剤を使う

昔に比べ
癌の末期と思える人も
少し長生きできるようになってきた
日常生活を送りながら
治療を継続できることも多くなった

でも当たり前だが
結局は
癌とともにこの世を去る

中には亡くなるまでの間
どんなにいろいろ薬を使っても
かなり長く苦痛を感じ続けることもある

そんな時
その人に対し
長く生きるための方便を
行い続けてもいいのかと迷う
基本的にはご本人が選択することなのかもしれないが
ご本人にそのことを露骨に問いかけることは
難しいことが多い

シーズン近し

2010-02-20 | 想い・雑感
日差しに誘われて
近所を150kmほど
バイクで走った

日差しは春を思わせるが
どっこいまだ冬でした
しばらく走ると
体が心から冷えてくる

それでも
一時期よりは随分楽で
春が近づいていることを
はっきり感じる

近くの公園では
梅のつぼみを見かけた

さあもうじき
ツーリングの季節だ

しかしこの頃は
あと何年乗れるかなぁ
なんてことばかり考える

いかん いかん
今を駆け抜けろ

おこげ神話

2010-02-19 | 想い・雑感
食事のときに
焼き魚のおこげを削り取って食べる人を
時に見かける

苦味が嫌いだからということもあるが
焦げた部分に発がん性があるから食べない
という人もいる

発がん性の実験というのは
対象となる化学物質を
極端に大量 長期に使用してみることが大半であり
通常問題とならない場合が多い
おこげに関してもそうで
魚のおこげなんぞ毎日食べても問題ないと思われる

でも一旦危ないと信じれば
おこげをそぎ落としてしまうらしい
ただそんな人がタバコを吸うのを見ると
あきれ 笑ってしまう

ひとは信じたいことを 信じたいように 信じるのですね

自分に都合の悪いことは信じようとしない

大動脈瘤破裂

2010-02-18 | 想い・雑感
「てなもんや三度笠」
放映されていたのは
私が幼稚園か小学校か位の頃だと思うが
番組名をしっかり覚えているし
白木みのるの
「いやーん いやーん」
はその身振りも覚えている

たしか日曜日の夕方の番組だったと思う
祖母も大好きだった

藤田まことさんも主演として出演しており
愉快な気持ちにさせてくれた

その藤田まことさん
先日の立松和平さんにつづき
大動脈瘤破裂で亡くなったという

子供の頃から知っている俳優が
いなくなるというのは
やはり一抹の寂しさを感じる

大動脈は
心臓から押し出される血液の圧力を
直接受け止めているから
動脈硬化などで弱った動脈壁が瘤状になり
最後は破裂してしまう

喫煙は動脈硬化の要因の一つ
慢性的に体を痛めつけることがわかっているタバコ
喫煙者は止めるに如くはなし

合掌

付き添い

2010-02-18 | 想い・雑感
いよいよ最後の時が近づいてきた50代男性
家族が交代で付き添っている
特に息子が体力があるのもあるだろうが
しょっちゅう付き添っている

ベッドサイドに置いた簡易ベッドで
夜も付き添っている

回診のときなど
病室や病棟で見かける姿は
心痛や疲れをあまり見せないが
病棟から離れた
抽出コーヒーの自動販売機の横で
長いすに腰掛けた姿には
心身の疲れがはっきり見て取れる

身内ゆえに正直に感情を表出できることもあるが
身内ゆえに 
その愛情ゆえに
正直な姿を本人の前で見せることができないこともある

予習

2010-02-17 | 医療・病気・いのち
中学生や高校生の頃
授業内容の予習をしていた方も多いだろう

当然のことながら
予習していたほうが
はるかに容易に授業内容を理解できるし
余力で細かいことまで気がついたりもする

全く知らないことを
いきなり説明を受けて理解するというのは
困難なことが多い

手術前の説明も然り

時に他の医師が説明をしているのを
横から聞いてみることがあるが
病状から始まり
病気の説明
さらには治療方法やその危険性など
広範で専門的な内容を
いきなり理解するなどというのは
至難の技であろうと感じる

胃癌の場合
「胃癌治療ガイドラインの解説」
という小冊子が本屋さんで手に入る
胃癌といわれた方やそのご家族は
医者の説明を聞く前に
ぜひこの小冊子に眼を通していただきたい
理解が進むと共に
何がわからないかがわかり
質問を投げかけることができる

多くの医者は
わかっていただこうと説明しているわけだが
実際何処がわからないかというのは
質問していただかないとわからない

双方の理解を高めるには
双方の努力が必要であろう

奈良県大和郡山市「山本病院」肝切除事件を聞いて④  --診断--

2010-02-16 | 想い・雑感
 見た目で人を判断してはいけないといいつつも、はっきりと見た目で判断できる場合もある。また、人を見る眼ができるほどに、その判断がかなりいいところをつくようになる。それと比較するのもなんですが、病気の診断においても、経験をつむほどに、良悪の区別をかなり正確につけることができるようになる。
 CT検査では、放射線の吸収程度を画像としてくみ上げているわけですから、必ずしもその画像だけで癌かどうかを区別することは難しい場合も多い。診断が難しく、実際に組織を取って調べなければわからないような場合もある。しかし、山本病院事件での肝血管腫は、画像上も明らかにそれとわかるものだったらしく、医師国家試験に問題として出せるくらいはっきりしたものだったと聞く。
 実際に、同病院の検査結果でも肝血管腫とされていたとのことだから、当然山本容疑者もそれは知っていたはず。それを肝臓癌と説明し、手術を勧めたた時点で、同容疑者の悪意は明らかである。
 多くの場合手術が不要である肝血管腫に対して、悪性と偽って手術を行うなどというのは、この事件を聞くまで想像すらできなかった。

奈良県大和郡山市「山本病院」肝切除事件を聞いて③  --標本--

2010-02-15 | 想い・雑感
 今日も胃癌の手術を行った。早期癌なので、腹腔鏡下手術を行った。外科医が手術を行った後することは、術後の指示(点滴や、痛み止めその他)を出し、手術記録を書き、紹介もとへの手術報告を書き、定期的に患者の全身状態をチェックし、摘出した標本を整理し病理に提出し、などなど。その中の標本整理は、摘出標本を顕微鏡できちっと調べてもらうことにより、癌が何処まで広がっているか、きちっと切除できているかなどの最終結果をチェックするために、非常に大切なことの一つである。
 ところが、山本医師は、摘出した組織をほったらかしだったというから信じられない。そもそも悪性か否かくらいは検査しようという気はなかったのか。逆に悪性と偽って良性の切除不要な病変を取り出したという意識があるのなら、標本を処分するということは考えなかったのか。それに思いが至らなかったことから推察しても、標本を大切にするという、外科医の大切な基本すら学んでこなかったのに違いない。あるいは、出血という現実から逃避することで頭が一杯だったのかもしれないけれど。
 大腸癌などでも、リンパ節転移の有無により、術後の抗がん剤治療の要否が決まるので、病理検査は必須である。外科医は手術をすれば終わり、ではないのだ。
 この事件に関すつことを書くたびに、いやな気分になってしまうが、まだまだ突っ込みどころあり。

あつまり

2010-02-13 | 想い・雑感
洗ったばかりのフライパンを
火にかける

少しすると
水滴が踊り始め
やがて
スッと
消えていく

水分子たちと
ちょっぴりの不純物が集まり
ひと時を過ごした水滴が
未練なくわかれゆく

6割強の水分子と
4割弱の他の分子が集まった
私たち人間は
なぜかその集まりに
執着する