Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

むかつき

2007-03-31 | 想い・雑感
胃や腸の調子が悪いときに
消化器症状として
嘔気や嘔吐がある
吐き気がしたり さらには実際に吐いたりすることだ

むかむかしているうちは
気持ちがすぐれず 気分も悪いけど
ある程度吐いてしまうと
すっきりする事も多い

最近
むかつく
という言葉がよく使われるようだが
心の内に様々なものが溜まり
うまく外に出せない人が多いと言うことなのだろうか

人生泣き笑いというが
喜怒哀楽の感情を抑えすぎては
鬱々としたものが沈潜し
いずれむかむかしてくるだろう

悲しいとき無理に涙を抑えることも
勧められない
むかし 涙を越えて
という歌があった
越えていくという気持ちは必要だろうが
十分涙の中に身を置くことにより
つまり十分悲しむことにより
あるところから 心が和み ゆるみ やさしくなり
次へのエネルギーが湧いてくるように思う

早い開花

2007-03-30 | 想い・雑感
我が家には桜の木が1本ある
近所の桜並木の木々が花をつける3日ほど前から
かなりの花をつけはじめた

ソメイヨシノはクローン
つまり日本全国のソメイヨシノは
1本の木から分かれていったもの
と聞いたことがある

クローンといえども
やはり細胞分裂を繰り返せば
遺伝子レベルでの傷 
つまり突然変異は蓄積しているであろう

だから必ずしも
全く同時に咲く
というわけにはいかないのかもしれない

元の木阿弥

2007-03-29 | 医療・病気・いのち
とても進行している食道癌の50代男性
手術で取りきれる状態ではなく
放射線と化学療法による治療を行った

非常に良く効き
内視鏡所見ではきれいな食道になった
ほとんど食事が取れない状態から
普通に食べられる状態となった

退院後2ヶ月
食べられないとのことで
再度検査を行ったところ
あっという間に癌がその勢いを盛り返し
食道も著しく狭窄をしている

食道癌の悪性度が高いと行っても
放射線治療が著効を示したにもかかわらず
こんなにも短時日でもとの状態になってしまうとは…

2007-03-28 | 医療・病気・いのち
高齢になれば
体の水分が少なくなるとともに
結合組織が硬くなり
皮膚は乾燥し しわが寄る

ところがお腹を開けると
腸は若い頃と変わらず
きれいな色をしており
弾力もある

毎日使われている腸は
やはりずっと元気なのでしょう

敷地内禁煙

2007-03-28 | 医療・病気・いのち
勤務している病院でも
4月1日付けで
ようやく 敷地内禁煙が実施されることとなった
これまでも喫煙区域外では禁煙だったのだが
やはり喫煙区域外に煙は流れてくる

煙たい と
外来患者さんや入院患者さんからも苦情が出ていた

外科にとってみれば
術前の禁煙は必須条件
喫煙者には 禁煙を実行できなければ
手術は引き受けられないと伝えている
それでも院内に喫煙可能な場所があれば
ふらふらっと行って吸ってしまうこともある

少しでも健康に近づこうと病院に来ている人が多いのだから
敷地全体が禁煙となるのは大歓迎だ

タミフル

2007-03-28 | 想い・雑感
インフルエンザに対する伝家の宝刀
タミフル   だったのですが
服用による可能性有りという
精神障害が報告されて使用しにくくなった

国からも
基本的に20歳未満には使用しない
という旨のお達しがあった

エイズ問題や肝炎問題で学習したのか
薬などに関する問題が在れば
それに対する注意喚起が早く行われるようになった

これ自体は良いことなのだが
結局判断は現場に丸投げされたのと同じ事

注意はしたんだから
厚労省は責任を果たしたよ
何かあれば現場の責任よ
というあり方

問題はちっとも解決していない


去り際

2007-03-27 | 想い・雑感
3月
別れの季節
別れ際の態度 行動は
様々

きれいな去り方
きちっと段取りしていくやり方
引継ぎをスムーズに行う人
さわやかな風を残す人
再会を強く望みたくなる人

去っていく姿には
その人のすべてが反映されているように思う

人生最大の別れは 死
そのとき私は
どのように去っていくことができるのだろうか

スイッチ

2007-03-23 | 想い・雑感
小学生の頃放送委員なるものをしていたことがある
放送機材のパネル上に並んだボタン類をみて
なにか科学に触れているような気がして
わくわくした記憶がある

使用しなければならないスイッチの数は
それほど多いわけではないが
少しは慣れが必要であった

一度スイッチの切り忘れか押し間違いかで
放送室での雑談が一斉放送状態になったことがある
当然のことながら怒られた

原子力発電所で制御棒がはずれた事故の報道がされている
そこで扱わなければならないスイッチの数は
小学校の放送室にあるスイッチの数と比べようもないが
やはり操作ミスがあったのだろう
人間が意識してできることの限界を見るようである

人体には人の頭で考えれば無数ともいえるスイッチがある
人の体をスムースに活動させてくれる大元は
遺伝子であるがそこにもスイッチがある
数多くの遺伝子のすべてが常に活動しているわけでなく
必要なときに必要な遺伝子のみが活動するようになっている
その遺伝子のスイッチのオンとオフが
60兆個といわれる人体の細胞すべてで
見事な統制で行われている

人智を超えたこの営みの前では
我々は脱帽するしかないだろう
その事実に
驚嘆し 感謝するしかないであろう

いま ここに 生きていること
を感謝し 味わいたいものだ

十分量の麻薬製剤を!

2007-03-23 | 医療・病気・いのち
 進行食道癌で紹介入院となった方がいる。化学放射線療法を開始している。転院時から癌性疼痛を訴えられていた。先日、痛みで夜眠れていないと聞き訪室した。主治医から麻薬は中等量処方されていたが、どうも不十分のようである。すぐに製剤と投与量を変更したところ、その晩から熟睡できるようになった。

 癌による痛みに対して積極的に麻薬製剤を使用するようにという提言がWHO(世界保健機関)から提出されて、20年が経とうとしている。日本においてもその使用量は増加傾向であるが、先進国のなかではかなり少ない。

 実際に、癌性疼痛に対し、麻薬製剤を処方する医師は増えているのは間違いない。しかし、きちっと痛みを取るところまで、必要十分量の麻薬を処方するところまで行っていないのだと感じる。癌による痛みは、癌自体が良くならない限り持続するものである。それをきちっととってあげないと、精神的に、肉体的に消耗してしまう。それは、本人だけでなく、寄り添う家族にとってもそうである。

 癌性疼痛に対する麻薬必要量は、非常に個人差が大きい。麻薬投与量の上限を勝手に医師が設定せず、十分量使用しなければならない。その上でどうしても取れない痛みに対しては、鎮痛補助薬を使用していくというのが手順だ。

 患者は我慢をしない。
 医師は患者に我慢させない。
 これが基本だ。

痛いと言えば 痛いんだ!

2007-03-22 | 医療・病気・いのち
痛みはきわめて個人的なもの
あなたが 痛い といわなければ
なかなか人はわからない
我慢は美徳ではない
痛みをこらえても良くなるわけではない


痛みは個人的なもの
患者さんが痛いといえば痛いのだ
こんな当たり前のことを忘れ
痛みの原因がはっきりしなければ
気のせいだろう とすましている医師の
無知 傲慢 非情

患者は伝える努力を
医師はその言葉に耳を澄ます心を

癌性疼痛のかなりのものは
コントロールできる
それを行わない医師は義務を果たしていない

投げかける

2007-03-19 | 医療・病気・いのち
ある人の言動に疑問があるとき
第三者間でいろいろ話すより
直接その人に疑問を投げかけるほうが良い

患者と医師の間でも同様だ
疑問があるならば
直接医師に投げかけるのがよい
投げかけた質問に答えないような医師ならば
止めればよい

多くの医師は少しでも良い結果を出そうと
一生懸命だ
それを単なる思い違いで
行き違いを生じてしまうなんて
お互いに不幸だ

日常でも
あの時ちゃんと話し合っておけば良かった
というような事ってあるよね

比較症候群

2007-03-17 | 想い・雑感
ただ 今 ここに 在る
ということをそのまんま有り難いことだと
感謝することができたら いいね


何かと比較しないと
ものが見えない
というのが
人の考える癖みたいで

のどが痛くてたまらない
下痢と吐き気で苦しい
高熱をだしてきつくてきつくて

そんな状態から回復すると
当たり前に過ごせる日常が
ただそれだけで幸せに思える

きついときと比較しなくても
今在ることの幸せを感じることができたら
一生ほんわかだね

合併症

2007-03-17 | 医療・病気・いのち
病を得てそれを治療しようというとき
その目的は
自分を現状より良い状態にしようということ

でも治療には合併症や副作用の可能性がつきまとう
せっかく良くなろうと治療を行っても
別の不具合が出てくることがある

合併症の頻度もある程度数字で表すことができる
例えば胃全摘後の縫合不全などは1%未満である
と説明できる
しかし統計上1%未満であっても
その合併症が起こってしまった人にとっては
それがすべてである

アレルギー反応などほとんど報告されていないような薬でも
あくまで薬は異物だからアレルギーからショックになる可能性はある
その場合も副作用が起きた人にとっては
その頻度なんて関係なくそれがすべてである

治療を受けると言うことは
予想できない危険を受け入れておくという覚悟が必要
当然医師は
なるべく合併症を起こさないように注意するし
何か起きたときには迅速に適切に対応しようとするわけだが
それでもひどい後遺症を引き起こしたり
時には命に関わるような事態になったりすることもある
ということは知っておく必要がある
また医師はそれを可能な限り伝える必要がある

秩序への復帰

2007-03-17 | 医療・病気・いのち
遺伝子の奏でるメロディーにより
種々のタンパクが作られる
多くの要因に応じて
絶妙な生産のコントロールを行い
必要なときに必要な量作られる

高度にくみ上げられた秩序がそこに存在する

しかし体内で細胞が分裂する際に
遺伝子の配列に間違いが生じる
そのような細胞は体内から排除されることが多いようだが
生き残ることもある
その間違いがあまり細胞機能に影響を与えない部分であれば
問題ないが
分裂の制御に関わる部分だと
秩序を離れ
勝手に分裂を繰り返しはじめる

癌細胞集団の誕生だ

秩序無き細胞集団に
人為的に秩序を取り戻させようとしても
現在の医療ではまだ無理

排除するか
やっつけるか
を選ぶしかない
癌細胞が更生する道を探るという選択肢はない

方便

2007-03-15 | 医療・病気・いのち
嘘も方便という言葉を
医療の現場で
ほとんど聞かなくなった
以前は本人のショックを考え
不治の病であってもそれを言わないことが普通であったし
言ったとしても随分と遠回しな表現をしていることがほとんどだった

しかしこの4~5年で
すっかり風向きが変わり
個人情報とか
情報開示とかをキーワードとしてうち振られ
国からも患者情報はあくまで患者本人の物であり
家族といえども病状説明をする際には本人の了承が必要
との通達が行われるご時世である

皆 本当に自分の病状すべてを知りたいのだろうか

知りたいけれど 知りたくない
という面を持っている人が多いのではないだろうか
嘘とまでは行かなくても
オブラートに包むような方便を望んでいる人が多いのではないだろうか

まあひとそれぞれなのだろうが
言わないと後で訴えられたりする
言えば言ったで伝え方が適切でないとやはり訴えられたりする
そこを法的な問題にするならばはっきりした基準を作る必要がある

命に関する問題だけに
様々な個人の考えがあり
はっきりしない面があるのは当然であるが
裁くのであれば 基準を明確にしないまま
この問題を医療の現場に押しつけておくのは納得できない

本来は司法が出てくるものではなく
患者と医療者が語り合い
意思の疎通を図りながら
そして話し合いながら
現状への理解を進め
治療方法を選択していくというのが良いのだろうが
今の医療現場に
それほどの余裕は求められないことがほとんどだろう

私個人としては
よく言葉を交わすことを通じて
お互いが
患者として 医療者として そして人間として
成長していく
というのが理想なのだが
絵空事であろうか

書いているうちに主題がずれまくり
失礼