Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

意志

2008-11-30 | 想い・雑感
ケーブルテレビで
Dr.Houseというアメリカの番組を一話見た
その中で
医師は血流途絶によって壊死した下腿の組織を除去しなければ命に関わるというのだが
患者本人はあくまで切除を拒む
ただ痛みのために強い睡眠剤でしばらく眠らせてもらうことを希望する
その眠っている間に患者の妻が命には代えられないと
切除の承諾をして 手術が行われる

おそらく切除しなければ死という結末であったと私も思ったが
実際の医療現場でもし同様のことが行われ
本人が訴えを起こせば(無論死ねば訴えられないのだが・・・)
本人の勝訴となるであろう

なにせ本人が意志を伝えられない状況ではなく
本人の意志はあくまで手術拒否
妻が承諾したのは薬で眠っていた間
なんてことは許されないだろう

ただ手術をせずに患者が死亡した場合
妻が訴訟を起こせばどうなるのだろうか

現在本人の意志が最優先と考えて医療にあたっているが
命に関わる場合も本人の意志を最優先するということが
法的にも根拠のある対応の仕方なのだろうか

マグロ

2008-11-29 | 想い・雑感
山間の病院に赴任したとき
官舎から3分の場所におすし屋さんがあった
といっても一杯飲める気安い場所

そこの大将の知り合いで飲食店のオーナー
自家用の船を持っており
釣りをするのが趣味

ある夜くつろいでいると
大将から
「マグロが入ったから来ない?」
とのお誘いがあり直ちに出動

店に近づくと
店先に人が倒れている!!
と思いきや釣り上げたマグロが横たわっていた
まさに解体中

店の中に運び込み
トロの部分をおたまで掬い取って食べる
というなんと贅沢な食べ方

15年以上前のことだけど
うまかったなぁ

などというのを思い出したのは
マグロ窃盗団
なるものがあるらしいと聞いたから

酔って路上などで眠っている人から
金品を盗み取る輩が居るらしい
泥酔している人を マグロ
ゆすっても起きないほどの人を ホンマグロ
と呼んでいるらしい

確かに似ている!!
これから泥酔の危険性が多くなる季節
皆さん(もちろん私も含めて)
気をつけましょうね

2008-11-28 | 想い・雑感
通勤になるべく車を使わないようになり
空を見上げることが多くなった

今日は自転車?バイク?それとも車?
と考えながら空を見る
雲の量や流れ
東西南北の空模様
お空と会話をしている気分

天気は西から変わるといわれ
確かにそういう場合が多いが
低気圧の位置などによっては
南から勢いよく雲が流れ込んできていることもある

今朝 病棟回診の合間に
窓から西南西の空を見ると
見事な虹
ちょっと得した気分

一瞬お空に挨拶して
患者さんとの会話に戻った

冷や飯

2008-11-27 | 想い・雑感
食の好みはひとそれぞれで
味や温度 つけ合わせなどに対する希望の基準が高い人は
ああだ こうだと 食事に難癖をつける

お弁当の冷えたご飯が食べられない
という人がいる
そんな人も飢餓という状態になればおそらく
かき込むように食べるであろうが
冷たいといって食べない

もちろん炊きたてのあったかご飯は文句なしにおいしいが
私はお弁当の冷えたご飯も好きである

のりやふりかけと一体化し塊となったご飯を
箸で切るようにして食べる
おかずの汁やドレッシングがご飯のほうに染み出してきていても
平気だし意外にそれが好きだったりする

昔の給食で脱脂粉乳をわりと好んで飲んでいた私は
味覚が貧弱?

最後の選択肢

2008-11-27 | 医療・病気・いのち
胃癌が骨に転移すると
治療は困難
痛みを緩和するために
放射線を当てたりするが
癌自体を完治させることはまず無理
骨に転移を起こしている場合
骨以外の臓器にも転移をおこしていることが多く
一般的に末期の状態と考えられる

しかし時に骨転移だけしか見当たらない時期が続く場合もある

Iさんは骨転移が見つかって1年が経つ
通常骨転移が見つかれば1年以内に亡くなる方が多い中で
これまでのところ骨以外には明らかな転移巣を認めない
放射線治療もしたし
抗がん剤治療も種類を変えつつ継続してきた

しかしそろそろ手立てがなくなってきた
相変わらず全身のCT検査では骨以外に明らかな転移巣はないのだが
最近の骨シンチという検査を見ると
骨の転移巣は数も大きさも増してきている
また抗がん剤の使い方を変更する必要があるが
次が選択できる抗がん剤治療の最後

シンチの結果が出て2日間
まだちょっと言い出せないでいる
しかし来週には治療の変更が必要
伝えるしかない

広さ

2008-11-26 | 想い・雑感
手術に使う道具や麻酔器などが
昔より大きかったり種類が増えたりしているので
少し場所をとる
勤務している病院の手術場が新しく広くなって
使い勝手が良くなった
広さというのはありがたいもので
器械を出してもらうのもスムーズになった

より快適に動作ができるというのは
それだけ安全に手術が行えるということ
そしてそれは
個人の心だけではどうにもならない
お金がかかる部分があるということを明らかに示している

医療崩壊を
医師の心がけで何とかしろなどということを
平気でそして本気で言っている政治家がいるようだが
現実を見てそして頭を使ってもらいたい

今の政府
突き上げられると
ああだこうだとふらふら指針が定まらないようだが
どこにどのようにお金をかけるか
しっかりと議論してもらいたい

触れるしこり

2008-11-25 | 想い・雑感
進行胃癌の場合
鳩尾のところにしこりを触れることがある
胃癌自体のこともあれば
転移したリンパ節
腹膜播種のしこり
肝臓に転移したしこり
などのこともある

こういう場合に抗がん剤治療をするときに
腫瘍マーカーなどの血液データより
しこりがやわらかくなっていくことで
効果が上がっていることがわかることがある

しこりは患者さん自身も触れればわかるわけで
その変化に喜んだり うなだれたりということになる

癌であっても聞きたくないというTさん
でもしっかりとお腹のしこりは触れる
Tさん : 「この硬いのあってもいいんですかね?」
私  :  「うーん。今それを良くしようと薬を使っているのですけどね。」
Tさん :「そうですか。効いてますか?」
私  :「治療の指標となるマーカーはやや改善傾向ですね。でももう少し様子を見ないと判断できないですね。」
Tさん :「そうですか。」

こんな会話をしていても
癌であることを伝えてないことになるのでしょうか
私としてはなんとなく居心地が悪いのですが
Tさんは抗がん剤の点滴を開始し
いつもと変わらず診察室を後にしました

常識の欠落

2008-11-24 | 想い・雑感


社会的常識というのがどういうものかはっきりしませんが
医師にその常識が欠落していると言われれば
確かに思い当たることが私には多々ある
だから大きな顔して反論などできない

ただ
医師不足が医師の責任との麻生太郎説は全く受け入れられない

厚生官僚がぶち上げた医療費亡国論なる
それこそ亡国を目指すような論拠を元に
医療費を削ること 医師数を削ること
を一生懸命推し進めてきたのは
霞が関と一体となった政府ではありませんか
それがなぜ医師の責任になるのか
まったくもって意味不明と思います

論理が欠落している人が自民党には多い
なんていうと
麻生氏は何と答えるのでしょうかね

エンゲル係数

2008-11-24 | 想い・雑感
食事内容や食べ方
というのは年齢とともに変化するようで
がつがつと脂っぽいものを食べていた時期が過ぎ
あっさりしたものをゆっくりといただくようになってきた
勢いよく食べるというより味わって食べるということだろうか

先日久しぶりにマクドナルドに入った
若いお父さんが幼い娘を連れていた
そのお父さん
フライドポテトの袋を手にしたと思ったら
飲み物でも飲むようにフライドポテトを口に入れていた
すごい勢いだなぁ
とびっくりしたが
思い起こせば
わたしも若いころは
ポテトチップスの袋を傾け
口の中に放り込んでいた
ほとんど同じことをしていたわけだ

まあ次第に体が多くのエネルギーを必要としなくなってきた
ということでしょうね
これからさき
エンゲル係数は下がる一方なのでしょうかね
なんか さびしい気もしますなぁ

常識

2008-11-23 | 想い・雑感
個人の持つ常識というのは
その人の属する集団(家族、地域、職業、会社、国…など)によって違う
そして人は様々な集団とかかわりを持ちながら生きているので
個人の持つ常識というものは千差万別となってくる

普段の友人との会話の中でも
お互いの持っている常識に違いを感じることがある
医師として
病気や治療方法の説明をするときも
背景として持っている常識が違うので
その溝を埋めるように注意しながら説明を試みるわけだが
完全に埋めることなど不可能であろう

会話や演説の中で
「そんなの常識でしょう。」
と言われることがある
考えてみるとこの言葉は相手に対して切って捨てるような意味合いを持つ
特に国民や市民のために働くはずの政治家は
己が常識と他者の常識を埋める努力が求められるはずである
もし「常識」という言葉を使うならば
その時語られる常識の内容を説明する義務を負うのではなかろうか

麻生太郎氏
経済政策のみでなく
国民に語りかける言葉という意味でも
問題アリかな

次期米国大統領の語る言葉が素晴らしいだけに
なおさら目立つだけでしょうか

順番

2008-11-19 | 想い・雑感
病院駐車場に向かう道すがら
どうも見通しが良くなっているような気がした
ふと見上げると
木の上の枝がはっきり見える
上から順に葉を落とし
そこの見通しが良くなっていたのだ

下の枝には寒風に身を震わす枝がまだ残っている
この葉ももうじきすべて散ってしまう

年を取ると知人がどんどん少なくなっていくというのも
こういう感じなのだろうか

多くが散り行き
行き着く先への
見通しが良くなってしまう

確かに親が居なくなってしまうと
次は俺の番か・・・
という感じがするもんなぁ

認知症の方への対応

2008-11-18 | 想い・雑感
認知症の方にも
当然癌が見つかることがある
その方に手術をするとなると
病棟での管理
特に術後の管理が難しくなる
必要なさまざまな管やコードを引きちぎったり引き抜いたりと
危険な場面が出てくるから
なかなか一般病棟では管理できない
そこで精神科病棟に入院して頂いた上で検査および治療を進めていく

ただし認知症の方がいる家庭の状況は千差万別
他院から紹介で外来に来たときにはその状況がわからないので
どこまで治療を行っていくのか
手術を希望するのか否かなどを
検査を進めながら少しずつ聞いていくことになる

認知症がひどい場合
治療については結局周りの人間が決めることになる
自身に決定能力がないので致し方ない
ただし本人にも説明をする
その上で家族が手術を了承しても
本人がどうしても嫌だと言われれば
私はしないほうが良いと思っている

紅葉

2008-11-17 | 想い・雑感
紅葉狩りなどと称して
遠くまで出かけて行かずとも
身近なところにある木々も
さまざまな色を見せてくれる季節となった

青々としている時期でも
葉の形やその緑の深さ色合いが
一枚ごとに違うものだが

紅葉の時期はさらに多様性がすごい
それぞれの樹が違い
一本の木の中でも
高さや面によって色合いが違い
似たような色でもやはり
葉一枚一枚が違う

自然の見せてくれる
その圧倒的美しさに
しばし見とれる

苦しみ

2008-11-17 | 想い・雑感
昨日から今日にかけては
頭痛がひどく
体が熱っぽい

若いころならば
多少無理をして頑張ってしまうところだが
すでに頑張るということを
控えるようになった私としては
体を休めた

休めても
だるさゆえに身の置場がない

ちょこちょこ薬を飲んではお休み

かぜ症状だろうから
薬をのまずとも
休んでいればいずれ治るのだろうが
苦しみからは少しでも早く逃れたくなり
ついつい薬を飲む

こんな軟弱な私なので
患者さんが痛いと言えば
すぐに薬を出す

原因を取り除くのは重要だが
症状を取るのも重要と思うから

取り除ける症状ならなるべく早く取って
原因治療はそれからでも遅くはない

ただ原因を取り除かない限り排除できない苦しみなら
原因除去まで我慢していただくしかない

つらいのは
取り除けない苦しみが
少なくはないということ

特別

2008-11-13 | 想い・雑感
遅ればせながら
私にも「年金特別便」がやってきた
普段は 特別 という言葉に弱かったりするわけだが
この場合の特別は
特別にいい加減で 特別に恣意的だったりするらしく
私の場合も1年半に亘り空白の時期があった

空白と言っても私の人生における空白ではない
しかも公立の病院に勤めている時期である

私などは一応履歴がそう難しくなく
いつどうしていたかは調べればすぐわかるわけだが
それでもパッとは思い出せない

様々な事情で職種や職場を替えてきた人にとって
履歴を詳しく思い出すことは
かなり難しそうである

この年金の問題
特別に心をこめて
解決 解消していただきたいものである