Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

正義は一方的

2006-07-31 | 想い・雑感
 事故や事件に巻き込まれて我が子が命を落とすというニュースを聞く度に、親の悲しみ、怒り、無念さを思い切なくなる。

 イスラエルの空爆で、建物の中に非難していた子供20人以上が殺されたとのこと。それぞれの子供に親や兄弟があり、その悲しみがある。

 幼子を殺害する正義なんてあり得るのだろうか。身近な人の死が如何に悲しいかは、イスラエルの民も知っているはずなのに。

発達途上

2006-07-30 | 想い・雑感
 人は食事から栄養を、呼吸で酸素を体内に取り込み利用することによって、その活動を維持している。

 幼少期は維持に必要な量に加えて、成長発達のためにさらに栄養が必要になる。また必要な栄養素の蓄えが少ないので、すぐに欠乏する可能性が高い。

 幼児虐待のニュースに接すると、概して体の小さな子が多いようだ。これは大人が痩せた状態とは全く違い、成長発達が障害されているものと考えられる。成長期の遅れは、後で取り返せないものも多いはず。食事を与えないという虐待は、その子の人生に重大な影を落とし続ける。

 子供を護るためには、栄養障害の有無にも注意する必要が有りそうだ。幼稚園や学校での健康診断で栄養障害児を拾い上げ、その子の保護者と話し合いをもてるようなシステムも必要だろう。

苦痛の軽減

2006-07-29 | 医療・病気・いのち
 痛みや吐き気、腹痛その他、多くのつらい症状がある。可能ならば病気自体を治してしまうのが医療の大切な目的の一つであろうが、症状を少しでも早く軽くしてあげるのも負けないくらい大切な目的だ。

 症状を軽減することが大切な任務であることを理解しているならば、緩和ケアにおいても苦痛の緩和にもっと積極的になれるのではないだろうか。

 たとえば、緩和ケアの場面で、疼痛のコントロールが必要なことは非常に多い。そのコントロールの多くは、知識と経験が有れば達成しうる、治療技術である。技術の向上を目指さないのは怠慢でしかない。せめて病気を治そうとする努力と同じくらいの情熱を症状緩和に注いで欲しいものだ。
 

術後せん妄

2006-07-28 | 医療・病気・いのち
 高齢者に対して全身麻酔を必要とするような手術を行うことも随分多くなってきた。以前は70歳を超えると手術を行うリスクをかなり感じたが、現在では80代の方の手術も稀では無くなってきた。

 そうはいっても高齢になるとやはり体の予備能力が少なくなっているので、合併症を起こしやすくなる。その中の一つに術後せん妄がある。簡単に言えば、訳が分からなくなってしまうのである。

 自分がどこにいるのか、今日がいつなのか分からない。
 点滴などの管を引き抜く。
 攻撃的になる。
 などの変化が出てきてしまう。

 多くは術後2~3日して出現し、数日から2週間程度で元通りになる。

 入院という環境の変化、手術を受けるという精神的重圧、手術に伴う体への負担、麻酔薬や鎮痛薬などの薬物の使用、術後の痛みや体のきつさなど多くの変化が頭にも負担をかけてしまうためだと思われる。

 術後せん妄自体は基本的に一過性のものだが、まれに認知症へと移行してしまうことがある。こうなると家族は手術をしなければと思ってしまうが、手術前に予想はつかない。

 

彦星

2006-07-22 | 想い・雑感
 昔自分がいた場所を訪れるというのは不思議な感覚がある。
 今の自分が立っているこの場所に、確かにあのころの自分も立っていた。
 同じ空間に立っていながら、ただ時が流れてしまっただけ。
 すぐ横に自分自身が、若い頃の自分が立っているような感覚を持つこともある。

 夜、空を見上げると星が瞬いている。
 今、自分の網膜に届いた光りを認識しているわけだが、それぞれの星が遠い過去の姿を今私の前に見せている。七夕伝説でおなじみの彦星は、16光年の彼方にあるという。つまり、16年前の光りを地球上の今に伝えているわけだ。

 時間と空間が今ここで錯綜している。

確率

2006-07-21 | 医療・病気・いのち
 これまでに一度だけ宝くじを買ったことがある。
 当然のようにはずれた。

 「買わなければ当たらないよ。」  確かにそうだろう。
 でも「買っても当たらない。」といっても事実とそんなに大きな差は無いような気がする。

 日本人の1/3位は癌で死亡する。かなりの確率である。
 でも、「自分が癌になるとは思わなかった。」という人が多い。
 
 まず当たらないであろう宝くじが当たっている自分は想像出来るのに、癌になった自分は想像出来ないものらしい。

 日本人が100人いれば、100人ともいずれ死ぬ。確立100%。
 でも、自分の死について考えるのは、多くの場合それが近づいてから。

 ひとは、自分が信じたいことを信じるものらしい。
 信じたいように信じるものらしい。

 ばかげているようだが、それが普通の人間。
 何かを信じていないと、生きていけない。
 善し悪しではない。

王さん、しっかり治してくださいね

2006-07-19 | 医療・病気・いのち
 王さんの手術が無事終わったようだ。

 腹腔鏡補助下で手術ができたようで、術後の回復という点でよかったですね。

 早期がんという発表が、胃癌取り扱い規約で言われる早期がんを意味しているかどうかはわからないが、比較的早い時期のものであったのは間違いないようですね。

 まずは、術後早期の合併症がないことを祈ります。

 次に、十分な栄養補給に勤め、早く復帰できることを期待します。

 再発なく、5年が経過することを祈ります。

 そして、ホークスも活躍できますように。

 王さんも、長島さんも、体を第一に考えた上で、これからも活躍していただきたいですね。

白い便

2006-07-17 | 医療・病気・いのち
 胃癌検診でバリウムを飲むと、数日以内に真っ白い便が出るのを経験した人も多いでしょう。普段と全く違う色調に不思議な感覚を持ちますよね。

 このバリウムは、下剤を使ってきちっと便として出しておかないと、腸の中で硬く固まってしまいます。ですから、胃透視の時はバリウムに下剤を混ぜたり、別に下剤を渡したりします。

 固まってしまったバリウムが腸につまってしまうと腸閉塞(イレウス)、いわゆる糞詰まりの状態となります。糞詰まりというと何と言うことなさそうですが、手術が必要になることもあります。ひどいときには、腸が破れてしまうことがあります。そして死に至ることも。特に普段から便秘気味の人や、高齢者はその危険が高くなります。

 胃透視を受けたときは、きちっと白い便を確認してください。

テポドン 失敗?

2006-07-17 | 想い・雑感
 北朝鮮からのミサイル発射のうち、日本にとってはテポドンよりノドンの正確さが脅威であり問題との意見を聞いた。一面なるほどと思う。

 でも、テポドンの方は失敗した可能性が高いとのことであるが、どのような失敗なのであろうか。発射地点と着水地点を直線で結びそれを太平洋側に延長させれば、日本列島を飛び越えていくような軌跡を描く。失敗の種類が違えば、国土に落ちた可能性も有ると言うこと?

 前もって通告もなくミサイルを発射して、それを軍事演習といえるの?

 感情的な敵視は抑えた方が良いだろうが、内閣には日本としての立場、主張を表明し続けてもらいたい。

川面

2006-07-16 | 想い・雑感
 日本は、海岸線から内陸に入っていくと、多くの地域ですぐ丘や山になっていく。そこから多くの水の流れが姿を現してくる。川の多い国土だ。

 生まれてこれまでに多くの引っ越しを経験したが、その殆どの場所で川は身近な存在だった。今の自宅も前の道を挟んで川が流れている。その時々で、その顔つきを大きく変える川。

 その表情の中から、物質の循環、環境、変化、時の流れ、輪廻転生、そして命に想いを馳せる。

 自然のままの川なんて、ほとんど無くなってしまったけれど、やはり人はそこに自然を、そして人智を超えた大きな力を感じる。

頭突き

2006-07-16 | 想い・雑感
 ジダンの頭突きが話題になっている。
 あの瞬間に気になったこと。

 背中から頸にかけての軸がびくともしない、鍛えられた筋肉がすごい。
鍛えられたなぎなたが一気に切り込むようなイメージだった。

 胸骨骨折?
 やられた方の胸骨は大丈夫だったのだろうか。
 交通事故の際、運転手はハンドル外傷として胸骨骨折を起こしたりするもの。
 でも、頭突きが入る瞬間、体が少し引き気味になっていたおかげで、ジダンの運動エネルギーを吸収するかのようにこけたから大丈夫だったでしょうね。

病気のデパート

2006-07-16 | 医療・病気・いのち
 血糖が高いとか糖尿病の可能性があることとかをお話しし、専門医への受診をお勧めしても、あまり気にせずに放置する方がおられます。あまり受診しないようであれば、外来に来られた日にそのまま内科を紹介することもあります。

 糖尿病の怖さは、血糖が異常に上昇すればそれがそのまま死に結びつく可能性があることも一つだが、本人も気づかないうちに、徐々に体全体を蝕んでいくことの方が恐ろしい。糖尿病になると体中の細かい血管がどんどん傷んでくるのです。

 血管は血液の通り道。血液が流れているから、体中の細胞に栄養と酸素を送り届け、不要物を回収してくれるのです。その血管が傷むと言うことは、その血管が血液を送り届けている先にある臓器が傷んでくることを意味しています。だから、糖尿病の方は病気のデパートとも呼ばれるのです。

 例えば、現代の失明第一の原因は糖尿病。
 血液透析が必要な腎不全の第一の原因も糖尿病。
 どちらも網膜や腎臓の血管がやられてしまったのである。

 糖尿病の可能性が指摘されたら、ぜひ専門医を受診してください。

 糖尿病の方は手術の合併症も起こしやすくなりますよ。

スコール

2006-07-15 | 想い・雑感
 夕立。
 夏の暑い日に育てられた入道雲から一気にこぼれ落ちる水滴。
 この季節の風物詩の一つですね。

 でも、今年は少しおかしい。
 にわか雨というより、もっと降り方が激しいような気がする。
 これって、話しに聞くスコールではないのか?

 日本はもはや温帯ではなく亜熱帯から熱帯に近づきつつあるのでは?

 実感として暑くなっている。
 一人の人間が生きている短い間で、気候の変化を感じる今の変化はどうなっているのだ。

やせの大食い

2006-07-13 | 医療・病気・いのち
 早食いや大食いの選手権を見たりすると、チャンピオンは意外と痩せていたりします。アメリカで開催される早食い選手権などで小柄な日本人が優勝したりなんかすると何とも不思議な感じがします。「私はあまり食べずに肥えるのに、どうして…?」とため息をつく人を何人も見ました。

 人が肥えるかどうかは、摂取カロリーと消費カロリーのバランスがすべてですが、摂取カロリーとは必ずしも口から入ったカロリーを意味しないのです。腸から実際に吸収された栄養が問題なのです。腸は体の中というのが自然な感覚なのかもしれませんが、口とおしりの穴を経由して腸は完全に外界とつながっているという点で、体の外なのです。ですから大量の食物が消化管を通過してもそれが消化吸収されなければ身にはなりません。

 大食い選手権で優勝するほど食べるのに痩せている人は、
1:食べたものが胃の中に長くは留まらずどんどん腸へ流れていく
2:十分な消化がされる間もなく、消化管を過ぎていく
3:消化が不十分なので吸収されるのは一部でほとんどは大腸へと移動していく
4:栄養たっぷりの大量の便が出ていく
という風に私は想像しています。

 何かを食べながらこのブログを見てくださった方、ごめんなさい。

タバコ

2006-07-13 | 想い・雑感
 世界対がん連合という組織が発表したところが、しっかりと禁煙対策をしなければ、21世紀のたばこによる死者数は世界で約10億人に上り、20世紀の10倍に膨らむ恐れがあるとの推計を10日発表したそうです。

 全体の喫煙率が高い途上国の問題が大きいようですが、女性に限ると先進国のほうが喫煙率が高いとのこと。

 喫煙という習慣自体を次世代に残さないためにも、今禁煙中の方はしっかり持続させてください。