Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

アレルギー性ショック

2013-02-28 | 想い・雑感
自分の体にとって異物と判断されるものに対しては
全てアレルギー反応からショックを引き起こす可能性がある
だから異物である全ての薬はショックを起こす可能性がある
この事実は全ての人が知っておいたほうが良い
そしてショックを起こすか否かは
誰にも予想できない場合がほとんどであることも知っておいたほうが良い

この度インフルエンザの治療薬の一つ
リレンザでショックからしに至った可能性があるひとりが報告された
但し本当にリレンザによるショックか否かは確定できていない

実際にアレルギー性ショックであった場合
リレンザを服用する人は年間170万人とされているようなので
一般的に言われる宝くじで億万長者になる確率より30倍は低いことになる
つまりまず当たらないわけだが
他の薬ならもっとショックを起こす可能性が高いものだってある
そのへんのところをよく理解した上で
薬を服用する覚悟が必要

ちなみに私は
なるべく薬の処方数を減らす努力をしています
理想は処方なし…

予想できないこととは言え
この度亡くなった方は30代の女性
まだまだこれからという年齢でむかえた死
心よりご冥福をお祈りいたします

禁煙法

2013-02-27 | 想い・雑感
PM2.5という響きが何かを訴えるのか
ここのところこの言葉をメディアでよく見かける
一旦報道を始めると
そちらにどどっと流れていく主体性のない報道って
いつものことですね

当然そういう粒子状物質の健康被害も重要ですが
それよりやはりタバコでしょう
こちらのほうが健康被害という意味ではより重大だし
対策を立てようと思えばできるはず

先日はヨーロッパから
女性の場合喫煙習慣によって寿命が12年も短縮するとの報告が為された

今回はベルギーから禁煙法の効果についての報告

禁煙法の段階的導入で、早産発生率が徐々に減少しているという報告だ

ベルギーでは職場、レストラン、バーへと段階的に禁煙法導入されているそうで
2002~2011年の出生データを元に分析したところ
2006年以降の禁煙法の段階的導入に伴ない
単胎児早産(在胎37週未満の出産)発生率が有意に低下してきたとのこと

この減少傾向は、妊婦年齢、社会経済的状況、出生月、インフルエンザの流行などの
他の個人的要因や出産時期による要因
人口全体の要因では説明できないし
禁煙法施行前には早産発生率の減少傾向は認められていなかったという

禁煙法という法律の施行により
健康へインパクトを与えることができるということですね

こういう事実も
メディアは伝えてほしいですね

猫にお別れ

2013-02-27 | 想い・雑感
「実は今回入院するとき
猫にお別れをしてきたんですよ」

かなりの進行がんだったので
術後補助化学療法を予定したが
薬を飲むときつい
ということで抗癌剤なしで様子を見て2年

定期受診の3週間ほど前から食欲が落ち
受診の数日前からはほとんど食べられない状態となり
入院覚悟で外来へ

検査をすると
ずっと正常だった腫瘍マーカーが跳ね上がっており
すぐにCTを撮り再発を確認した
帰宅するのも辛そうなのでそのまま入院となった

薬を飲むのもむつかしそうなので
点滴などで体調を整えつつ
パクリタキセルというお薬を開始した
すると全くと言っていいほど食べられなかったのに
徐々に食事が取れるようになり
入院一ヶ月にして通院治療に切り替えられるほどとなった

退院前の説明の際に
冒頭の一言を言われた
「もう家の敷居は跨げないと思っていた」ともおっしゃる

しっかり敷居をまたいで家に入り
猫を抱きしめてあげてください

こわばる

2013-02-27 | 想い・雑感
顔がこわばる
ということがある
何らかの精神的緊張から
うまく表情筋が動かなくなってしまう状況を
表しているのだと思う

時に
普通に見える表情のままこわばっている人がいる
こういう場合
泰然自若としているようにも感じるのだが
全く異なる

外来に紹介されて来られた患者さんの中にも
癌である可能性を告げられても
眉一つ動かさない方がおられる

実際わりと平気な方もおられるのだろうが
何をお話しても
表情が動かない場合
やはり程度の差はあってもパニックになっている可能性が高いと思う

そういう場合
説明はある程度で切り上げ
その後何度かお会いするうちに
ぼちぼち説明していくこととなる

旅たとう

2013-02-26 | 想い・雑感
実に仲睦まじい夫婦でした
ご主人が亡くなったあと
夫人はどうなることかと心配しました

その心配から5年以上経ちます

ご夫人は驚く程元気

70を過ぎて
ジム通いも続けています

「まあ80位までは生きないとね」

これは別に
この方に限った現象ではありません

世の男性諸氏
あとのことはあまり心配せずに
旅たちましょう

GIST 二次耐性

2013-02-26 | 想い・雑感
抗癌剤治療を始めても
どこかで効かなくなる

GISTと呼ばれる腫瘍に対しては
グリベックという薬を使う

GISTはいわゆる癌ではないのだが
進行してしまうと命を奪う原因になるという意味では
進行GISTは悪性疾患ということになる

GIST対して使用する薬はグリベック
通常は1~1.5年でグリベックは効かなくなると言われる
ところが4年間効き続けていた方がいる
4年過ぎるとずっと効き続ける症例があるとのことで
期待を持って見ていたのだが…

でも甘くないですね
やはりここに来て一気に大きくなった腫瘍がその姿を現した

詳しく検査をした後に
・手術的になるべく取り除く
・グリベックの使用量を増やす
・スーテントという薬に切り替える
の三つの選択肢から選ばなくてはならない

この事実を伝えるのはとても辛かったが
患者さんはもっと辛い

でも事実を踏まえたうえで
次に進むしかない

抵抗力

2013-02-25 | 想い・雑感
先週かかった風邪は
なかなか寒気が取れず
体がだるく
という具合でつらいものだった

検査ではインフルエンザは陰性であり
抗インフルエンザ薬も使えず
ただただ通り過ぎるのを待つしかなかった

体内にウィルスが侵入し
体のほうでまず対応してくれるのが
マクロファージなどであると言うことだが
こいつの手をかいくぐってウィルスが増殖を始めると
感染ということになる

その後しっかりと対応できる抗体が産生されるまでに
大体1週間かかるといわれており
私の場合も1週間経ったころにスーッと体が楽になった

年齢と共に下がった抵抗力を感じると共に
まだ確かに働いてくれている免疫力への感謝を思った
一週間でした

Ph.D.

2013-02-23 | 想い・雑感
20年ほど前に留学するとき
博士を英語で書くとどうなるのか聞いたところ
Ph.D.だよと教えてもらった

これは英語で言えばDoctor of Philosophyを表すことになる
直訳すれば哲学博士ということになってしまう

哲学に限らず使用するようになっているとのことで
実際はそんなこと気にせずにPh.D.を使って良いらしいのだが
哲学的でない私はなんとなく面映さとしっくりしない感じを
いつも抱いていた

でも考えてみたら
哲学というのは
生命とは? 地球とは? 宇宙とは? 人間とは?…????
という疑問に対する答えを求めていく学問として発生してきたはず
それなら日本において理系とひとくくりにされてしまっているものも
実は哲学的なものであるということですよね

まあPh.D.でいいか
ということで使わせていただきました

ちなみに
工学 化学 理学 医学 などに携わる人間に
いわゆる哲学的思考を求めることは必要なことだと思いますが
哲学科で哲学を学ぶ人間には逆に
生命科学などの先端科学の基礎知識がなければ
世界をどう見るかなんてこと
現代人に納得できる形で提示することはできないような気もします

かぜの予感

2013-02-22 | 想い・雑感
予感というものは
意識にも上らない
無意識の奥深い領域で
何かを感じるものなのですかね

普段の当直なら何も思わないのに
先日の当直の際
ひどい風邪をひいている人の診察をした後
なんだかもらいそうな予感がした

葛根湯を飲んだりしたのだが
二日ほどたったころから
なんとなく寒気がしておさまらない

そのうちのどが痛くなり
咳が出て 
痰もしょうしょう絡むという具合

インフルエンザではないことを確認後は
薬を何種類か服用して過ごしている
体調は戻ってきたような気がするのだが
時折寒気を感じるし 咳も完全には消えない

なんだか長引くなぁ
折角飲み会だったのに
諦めて帰宅し
早めに寝ましょうか
やれやれ

肺炎

2013-02-22 | 想い・雑感
有名人の訃報を見ていると
肺炎で亡くなる方がちょいちょいおられる

そして平成23年の人口動態統計を見てみると
死亡原因の第一位は悪性新生物
二位は心疾患
そして三位はなんと肺炎となっている

これまで第三位だった脳血管疾患を僅かに追い抜いた形だ

高齢になると
 免疫力が落ちる
 肺自体が傷んでくる
 痰を充分吐き出せない
 口の中を清潔に保てない人が増える
 食べ物や唾液を気管の方へいれてしまう
 施設にいれば耐性菌に感染する可能性が高まる

などの多くの要因が関係して肺炎が死因となってくる

ちょっとした風邪から重症の肺炎に繋がることもあるから
風邪を引いたなと思ったら
暖かくして 栄養をできれば摂って
体を休めることが大切でしょうね

ただ肺炎の原因となった微生物を
体から排除するだけの元気が残っていなければ
静かに受け入れるしかないのでしょうが

細胞集団の私

2013-02-21 | 想い・雑感
人は日々体を動かします
自分の体を動かしていると感じますが
考えてみると
6兆~60兆と言われる細胞集団として動いているのですね
地球上の人の数よりはるかに多い数の細胞たちが
一人の自分を支えるために
それぞれの役目を果たしてくれているわけです

細胞たちが自分勝手に自分のなりたい細胞になると
個体として活動することは困難になるでしょう

腕の筋細胞が心筋細胞になっていったら
ぴくぴくぴくぴく収縮を繰り返すようになる

関節の内腔を覆う滑膜が骨細胞になれば
関節がかたまり動けなくなる

鼓膜を構成する細胞がリンパ球になったら
どこかからだの別の場所に行ってしまい
耳が聞こえなくなる

手の細胞の一部が神経細胞になってゆき
そこに脳のような集団が現れれば
勝手に周囲に指令を出し始めるかもしれない

受精卵から始まり
分裂を繰り返すほどに
それぞれが専門性を持った細胞に分化し
あるべき場所で行うべき仕事をしてくれている

考えるほどに驚くような出来事です
そんなことを思いながら
たまには自分の体に語りかけ
感謝するというのも良いのではないでしょうか

私たち一人ひとりにも
宇宙の中で持ち場があり
そこで行う仕事があるのかもしれません

癌を抑えても

2013-02-20 | 想い・雑感
消化器癌の手術を受けた
進行していたので術後補助化学療法を受けた
でも肝転移が見つかった
肝部分切除を受けてさらに抗癌剤治療を受けた
しばらくしてまた肝臓に転移が見つかった
別の抗癌剤治療を受けて腫瘍は小さくなり
かつ新しい再発巣が出てこなかったので
もう一度切除を受けた
また抗癌剤治療を受け
明らかな再発を認めない状況が続いていた

ところが突然の脳出血で
脳外科への入院となってしまった
主治医に聞いても
出血を起こすリスクのある抗がん剤は使用していなかったようだ

癌になったからといって
生命を脅かすことは
ガンばかりとは限らないことを
改めて見せつけられた

隕石

2013-02-20 | 想い・雑感
隕石はいくつかに別れ
粉々になったかけらの一部も
地上に降り注ぐ

大地となり
かけらに含まれた
原子や分子が
生命活動の中にも取り入れられる

大地が 大気が
隕石が
太陽が 
宇宙が
私たちの中に入り支える

命は
宇宙と繋がっている
いや宇宙そのもの

エネルギー

2013-02-20 | 想い・雑感
朝家を出ると
久しぶりの晴天

太陽の光を浴びると
そのエネルギーがすっと入ってくるような感触
を普段なら感じるのだが
今朝は少しも入ってこずに
周りを通り過ぎるばかり

体調を崩しているから
体は内部環境の調整に追われ
外なる気を取り込む余裕がないみたい

人はエネルギーを取り入れ
それを燃やして
生を維持している

エネルギーを取り込めなかったり
利用できなくなったりしたときが
個体の死なんだろうな
と思う

終末期を迎えた体は
外から無理やりエネルギーを注ぎ込もうとしても
取り入れ利用することができなくなってきている
そこを感じてあげないと
かえって負担をかけることになる

淀川さん

2013-02-19 | 想い・雑感
子供の頃
日曜洋画劇場をよく見ていた
タイトルミュージックを聞くと
何か過ぎ去る時が戻らないという印象を強く持ち
なんだか悲しい気分がしていた
また終わるのが夜の11時近くという子供には遅い時間であり
番組終了後にはなんだか虚脱した感じがしていた

長きに渡り
その映画解説をされた淀川長治さんが亡くなって
もう10年以上経ちますが
番組の最初と最後に出てきての解説
ちっともイヤミがなくて
素直に聞けたなぁ
それに出演者のエピソードがまた良くて
ついひきこまれましたよね

最近では
この手の番組をほとんど見ないのは
淀川さんのような解説が聞けないのも
大きな要因かもしれないなぁ

面識もないのに淀川さん
なんて呼ぶのは失礼かもしれないけど
なんだか 懐かしいんだよね