Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

ただ傍に

2008-06-29 | 医療・病気・いのち
別に何も話さなくても
傍にいてくれるだけで
 心がなごみ 
    穏やかになり 
     満たされてくる

多くの人がそんな経験しているはず

逆に
自分がいるだけで
そのように感じてくれる人がいる
という事実は気がつきにくい

だから
だまって傍にいるだけ
ということが難しくなる

末期 という時期を
病床で向かえている人
24時間のうちで
医師や看護師が傍にいる時間は
せいぜい30分から1時間くらいだろう
残る23時間は ひとり

その病床に
人が訪れてくれることを
心許せる人がいてくれることを
望まぬ人はいないのではないだろうか

でも末期であることが心にかかり
傍にいるだけで言葉を紡がないことに耐えられず
病床から遠のいていってしまう人が少なくない

ただ傍にいてあげることは難しい
でも時間と場所を共有していることって
大切

緩和ケアというのは
医療が提供するだけのものでは
ないはずですね

梅雨の切れ間

2008-06-28 | 想い・雑感
また雨が降り始めました

まさに 梅雨の切れ間
 と言える短い間に見えた太陽が
今日は全く見えません
どんどん 変わっていきます

でもその変化は
ずっと空を見続けていれば
ある程度予想がつきます

人の心よりは
予想がつきます

とけい

2008-06-26 | 想い・雑感
携帯の待ち受け画面を時計にした
デジタルとアナログ
両方の時計が現れる

ずんずん変わる数字
流れるように進む秒針

落ち行く砂を受け止めようにも
あっという間に溢れ
受け止めようがない

行き過ぎ
たちどころに過去となる 今

じっとしているのが つらい

借景

2008-06-23 | 想い・雑感


庭の外にある山川草木を
庭自体の背景として取り入れるというのは
日本の伝統的造園技法と聞いたことがある

景色を借りるとは言え
その技法によれば
庭の内と外の区別はほとんどなくなり
全体として一つの景色
 風景となる
全部含めて
その庭の本質となる

そもそも区別というのは
人の頭が行うものであり
庭の内も外もないのかもしれない

個々の人生における風景にも
様々な人やものや出来事が映りこんでくる
そういう事象は
自分の外に存在するものと感じがちだが
実は自分の人生そのものとも言えるのかもしれない

すべての出会いが
自分の人生そのものと考えれば
一つ一つの出会いを
もっと大切にできるのだろう

廓然

2008-06-22 | 想い・雑感


梅雨の時期
頭の上には常に雲がいる

雲の厚さや広がりは
その時々で異なるが
いつも頭の上にかぶさっている感覚があり
どんよりした気分となる
うっとうしいなぁ と思ったりする
そしてからりと晴れ渡る空を恋しく思う

雲ひとつない晴れ渡る空の様子を
廓然
と表現するそうです

雲というものに注目すれば
廓然というのはすがすがしそうですね
でも梅雨が過ぎ
晴れ渡る空にじりじりと照りつける太陽が現れると
それをまた私たちは不満に思ってしまう
なかなか難しいものです

雲や太陽など
一つ一つの事象に対し
不満や悩みを感じてしまう
こだわりを持ってしまう
ということなのでしょうね

雲の有無や
日差しの強さなどを
そのまま受け入れ
自分自身はぶれない
という境地にまでいたることができれば
無問題 なのかもしれませんけれどね nakanaka・・・

地上の物質

2008-06-20 | 想い・雑感



一つの地球
この地上に存在する物質が
何かの縁で集まり
機能し
私たち一人ひとりが生きている
そして
時が来れば
地上の物質として
散っていく

ただそれだけのこと

眉間にしわを寄せたり
目くじらを立てたり
肩肘張ったり
文句を言ったり
怒ったり
見栄をはったり
せずにやっていきたいもの

などと
ぼんやり考えているときなどは思いつくのだが
実際の生活では
なかなか・・・

諦念? 達観?

2008-06-20 | 想い・雑感
メディアで報道される
ホスピスを中心とした緩和医療の様子では

様々な身体的苦痛に対するケア
つまり
 全身倦怠感
 疼痛
 嘔気 嘔吐
 呼吸困難 胸水 咳
 便秘 下痢
 不眠 痒み しゃっくり その他様々な
身体的苦痛に対するケアの進歩が伝えられる

これは事実だといえる

ただ心に対するケアは
美しく語られるほど十分であるとは信じられない

迫り来る自分の死を悟り
来し方を振り返り
人生とは 生きるとは何かを
見つめなおす

なんてことができれば理想でしょうが
そこまで至ることのできる人が
大半であるとは思えない

そこまで導く手助けをできる人が多いとも思えない

最後が穏やかに見えるのは
次第に意識が薄れ行くからであり
それまでの時間の中で
心が落ち着くところまでいける人は
少ないのではないだろうか

諦念で穏やかに見える状況よりも
生への執着が残っているなら
それを素直に表出できる看取りというのが
できないものだろうか

泣いても
叫んでも
いいじゃないか

胸を掻き毟る想いの生への希求
そんな想いに
どこまでも付き合うというのは
困難なことかもしれませんが

白馬入蘆花

2008-06-16 | 想い・雑感


自分自身と他の人とは
同じく人である
でも 別の人である

背景 歴史 経験などなどが違う
遺伝的素因も違う
感じ方や考え方が違う

言葉にされると
そんなことわかっている
といいたくなるが

日常の中で
他人が別の人であるという認識を
常に働かせているのは難しい
ついつい同じように感じ考えているという前提で
事を進めていきがちとなる
そのままにしていると齟齬が大きくなるばかり

だから時にはちょっと立ち止まって
ある程度共通の認識を共有していることを確認しつつ
前に進む必要が出てくる

確認のために普通は
言葉を尽くす必要がある
言葉を尽くしてもわからないことは多い
という限界は知りつつも
やはり言葉を紡いでいく必要がある

臨床の場でも
少しでも目の前の患者さんがわかりやすい
と思う言葉を選ぶ
それでもどこまで分かり合えているのか
本当のところはわからないところが難しい

頭が真っ白

2008-06-14 | 想い・雑感
頭が真っ白になる
という状況は
外界あるいは精神の急激な変化で
脳の精神活動がほとんど停止した状態と思われる

思考が働かないのと同時に
外界からの刺激を受け取ることもできない

患者さんにとってうれしくないお話をするとき
このような状態に患者さんがなってしまうことがある

お腹の中の大きな大きな腫瘍を切除したSさん
術後1年半で再発を認めた

その事実を伝えるために
ご本人の顔
カルテ
検査フィルム
などを交互に見ながら
少しずつ結果の説明をしていた

一瞬カルテに眼を落とし
すぐに顔を上げると
目つきが変わり 遠くを見ているか 何も見えていない様子
声をかけても何も反応がなく
上体が前に倒れ掛かってきた

すぐに抱き上げベッドに移動

脈はしっかり触れ 血圧も大丈夫
すぐに意識ははっきりしてきたが
ご自身もどうなったかわからない様子

大丈夫そうに見えて
やはり再発という事実が大きなショックとなり
頭が真っ白という状態になったのだろう

Bad News を伝えるときには
気をつけているのだが
伝える事実は厳然として存在するわけだから
難しい

濁っても

2008-06-12 | 想い・雑感
梅雨の切れ間で
雨がやみ
今朝は朝日を拝むことができた

川の水は
最近の雨の影響で
混濁している

濁ってはいるが
やはり川は流れている
お構いなしに
流れている

いずれ
澄んだ流れに
戻るのだろう

濁っても
澄んでも
川は川として
流れている

初志貫徹

2008-06-12 | 想い・雑感
初志貫徹
というのを
絶対の真理であるように語る人をときに見かける

生きているうちには
最初に立てた目標に向かって
わき目も振らず進むことが
求められるときもあるかもしれないが

常ならざるのが世の常ならば
想いも変わっていくのが自然

世の中には
一つの志を立て
それがずっと変わらない人もいるが
それはきっとたまたま自分にピタッと来るものを
最初に見つけることができたからだろう
そんな人は幸せ

一方
最初はこれをする気はなかった
などという人の中に
随分と成功している人だっている

初志貫徹
という言葉には
自分の意思を貫き通せ
というような強いメッセージを感じるので
ついつい そうだ
と思ってしまうのだが

最初の志とは違っても
今の自分がこうしたいという志があり
それを貫こうとするなら
それもまた強い意志であろうと思う

最初に決めたから
ずっとこうしなければ
というような強制観念に縛られる人生ではなく
自分が進みたい方向へ進んでいくよう心がけるほうが
楽しそうだ

知りたくないといっても・・・

2008-06-10 | 想い・雑感
初めて外来を受診される方に書いていただく
問診表の中に
「悪性とわかったときは、自分に知らせてほしいかどうか」
という質問項目がある

それに対して
多くの方は はい(知らせてほしい)に丸をつけておられるが
いいえ に印をつける方もおられる

知りたくないといわれる方に
無理やり知らせるわけにはいかないので
そんなときには家族のみに知らせることになる

先日とある方は
いいえ(知らせてほしくない)にマークをつけているのだが
ご本人とお話していると
前医で「転移はない」などの話を受けている様子
転移の有無が問題になっている状況で
悪性であることを伝えていないことなんて
あるのかなぁ?
またご本人が悪性を考えないことなんてあるのかなぁ?

検査の上
手術が必要ということになれば
一度前医に確認しなければなりませんね


把手共行

2008-06-10 | 想い・雑感
陸上の練習で腕振りがある
早く走るためには手をしっかり振らなきゃならないと
腕のみを懸命に振らされた記憶がある

腕をしっかり振らなきゃ早く走れないなら
サスペンス劇場などで手を取り合って逃げる男女なんて
あり得ないのではなかろうかなどと思う
急いで逃げるのに手をつないでいるわけにはいかないだろう

でも走るわけでないのなら
人と人とが手をつないでいるというのは実に良い

手を取り合えば
その手をお互い振りながら
同じ方向にゆっくりと進むという感じがある

手をつなぐ相手は人とは限らず
動物
自然
仏や神
そして時には自分自身かもしれない

いずれにしろ
その時々に縁のある相手と
にこやかに手を取り合い
ゆっくりと
穏やかに
てれんぱれんと
 しかししっかりと
歩いていきたいものだ

無理

2008-06-08 | 想い・雑感
年齢と共に
睡眠時間は少なくてOKとなってきたが
深夜に呼び出されるというのは
少し堪える

今日は早朝3時半に呼び出された

その時はどうって事無いが
あとで体のだるいこと

帰宅後
ベッドの上でごろごろ
1時間ほどで目は覚めたが
その後もごろごろ

以前は
「一寸の光陰軽んずべからず」
精神で生きていたため
ごろごろするというのは何となく居心地が悪かったりしたのだが
これが実にいいのだ

今や
「無理はしない」精神がほぼ生活を満たしているという状況

だって無理というのは
 理を無くす 
 理が無い
とか言うことでしょうから
無理なものは無理なんであって
道理に叶っていないのですよ   と
自分を納得させている