Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

見守る

2015-03-30 | 想い・雑感
終末期の患者さんに対し
積極的な治療をせずに
保存的治療のみで見守ると言うのは
患者家族も医療者も忍耐を必要とするもの

できることがあるのなら
なにかしたい してあげたい
と思うのが人情

進行癌のために
消化管閉塞(腸が詰まった)を起こしたNさんが
内科から外科に移ってこられた

通常なら消化液の逃げ道を作る処置(手術)を行うのだが
あまりにも栄養状態が悪く
体の抵抗力も落ちており
肺炎を繰り返し起こしている状況から
処置はそれ自体がかなり危険なものと思われ
その実施は既に限られた余命をかえって縮める可能性が高いと思われた

その旨をご家族に説明し
保存的治療のみを行うこととした

それでもやはり手術の可能性を考えてしまう私だが
いやいや返って苦しめるだけだと言い聞かせる

手術は行わないと決めてから5日ほどで
急に尿量が減りはじめ
あっという間に旅立たれた

やはり手術をしていれば
その短い期間に
苦しみを増やしただけという結果になっていたのだろう

末期には
積極的な治療は行わず
症状の緩和に努めるということが
大切な医療であると改めて思った

時期

2015-03-29 | 想い・雑感


わが家の桜は
毎年周囲の木に先だって
花を開き始める

まだ蕾の桜を尻目に
最盛期を迎えるわけだが
当然周囲が盛りとなる頃には
散り始めている

比較する必要はない
それぞれの木が
それぞれのペースで生きていけば良いのだ

人だって
他に翻弄されることなく
自分の人生をしっかりと歩めば良い

それぞれが
花をつける時期
というものがきっとある

自覚

2015-03-29 | 想い・雑感
肝臓に食道ガンが転移再発したYさん

次第に肝臓が腫れ
腹水もたまりお腹が張ってきた

しかし体調の良い日も多く
食欲もそれほど障害されることなく経過した

酸素飽和度が低下傾向となり
酸素投与が始まった後も
時折喫煙室で姿を見かけた

ある日喫煙後に経鼻酸素カニューレを付けているYさんに
「タバコを吸うのも大変ですね」
と声をかけると
「命懸けですよ」とのお答え

そしてそのあと
「お世話になりました」と仰った

歩いてタバコを吸う元気があるから
まだ週単位の余命はあるだろうと
私は思っていたのだが

その後急速に状態が悪くなり
翌日の夕方には亡くなられた

やはりご本人には
なんらかの自覚がおありだったのでしょう

間際までほぼ自立した入院生活を送られた後の
鮮やかな幕引きでした

生気

2015-03-28 | 想い・雑感
蕾が膨らみ始め
桜の樹全体に
生気がみなぎってきている

多数の濃い桃色のつぼみたちが
枝を淡いピンクに見せてくれる

命の息吹を感じるこの季節
多くの元気をもらえます

冬の大三角形

2015-03-27 | 想い・雑感
送別会の帰り
西の空を見上げると
太陽に置いてきぼりをくった月が見える

その上を見上げると
冬の大三角形が見える

時が流れれば
夏の大三角形に入れ替わることになる

あと何回こ
んな季節の入れ替わりを
体験することができるのだろうか

最近はそんなことをよく思う

恵方巻

2015-03-26 | 想い・雑感
セブンイレブンの戦略
恵方巻き が
ある程度認知されているようで
よく話に聞くようになった

食べると良いことでも
ありそうな響きですね

ただ
ゴクンと飲み込んでしまい
ひどく苦しい思いをしたという
患者さんもおられたから
良いことばかりでもないかも

苦しみが一時的なもので済んだ
というところは
良かったとも考えられるが‥

案ずるより?

2015-03-26 | 想い・雑感
治療法に選択肢がある場合
患者さんも医療者も悩む

特に選択肢の中に
危険を伴うような治療方法がある場合
リスクを背負いこむかどうか
悩ましい

良かれと思ってした選択が
必ずしも吉と出ない という事は
他の人生における選択と同様である

先が見通せるわけではないから
「案ずるより産むがやすし」
などと気楽なことを言って
患者さんの背中を押すわけにもいかない


躓き

2015-03-26 | 想い・雑感
段差もないようなところで
つまずいたようになることがある

床や地面に
多少の歪みがあるのかもしれないが
見た目では平らなように見える

こんなところで足が引っかかると言うことは
ほとんどすり足で歩いている
ということになるのだろう

転ばぬ先に杖をつけば?
と言われそうだが
杖を使っても
転ぶ時は転ぶだろう

身のこなしに意識を向け
背筋を伸ばし
足をきちっと上げて
颯爽と歩きたいものである

その心がけを
転ばぬ先の杖 としたい


霞?

2015-03-23 | 想い・雑感
天気の良い朝
清々しい空気を
胸いっぱいに吸い込みたくなる

しかし霞んで見える山を見ると
黄砂かPM2.5の流れ込みを疑い
深呼吸する気が無くなる

白い車体が少し茶色っぽくなっている

電子カルテ

2015-03-22 | 想い・雑感
病院全体として
いよいよ本格的に
電子カルテを導入することとなった

様々なプログラムを
複雑に組み合わせて
作り上げられたシステム
と思われるので
使い手にやさしい作り
とは思えない

曖昧な人間に対し
曖昧さを許さないシステム

コンピューターを触る事は
比較的好きな私だが
これほど入門しにくいシステムの
相手をしなくてはならないのなら
もう病院を辞めたくなるかもしれない

診療記録
検査オーダー
検査結果の閲覧
薬の処方
再診予約

この辺りが出来れば
何とか外来診療を行えると思うが
実に不安である

病を得る

2015-03-22 | 想い・雑感
胃がんの手術を
10年以上前に
させていただいた患者さんと
院内で出会うことがある

胃癌は完治しても
他の病を得て
入院されている

時は流れ
それなりに老けているが
元気そうな顔色に
ホッとする

なんらかの病を得て
いずれお迎えが来る
という事実に
抗うことは出来ないが

同窓会

2015-03-22 | 想い・雑感
昨夜は大学の同窓会
同期の四分の一が
それぞれの居住地から
集まった

それぞれの立場
それぞれの人生行路

でも会えば
俄かに学生時代の顔に

この正月に急逝した友の遺影も
参加してくれていました

若かった

2015-03-21 | 想い・雑感
恩師の喜寿のお祝いをしようということになり
友と話していて改めて気がついた

学生の目から見ると完全なるおじさん
であった我らの恩師だが
教えていただいていたのは
先生が40前の元気いっぱいの頃だったわけだ

しかし不思議なもので
その頃の先生を思い出してみると
やはり頭の中ではおじさんに見える
今の自分よりはるかに若いはずのに…

過去を振り返るときには
きっと自分の感覚も
そのころに戻っているのでしょうね

襟巻き

2015-03-20 | 想い・雑感
冬の間
家を出るとき決して忘れることのなかった襟巻き

ふと気がつくと今日は身に付けていない
無意識に体が判断してくれているのでしょう

私たちは
自分の意思で生きている
という面ばかりに目がいきますが

消化 吸収 細胞内呼吸 
血圧コントロール 水分のバランス維持
合成 などなどなどなど
自分の意思ではないはからいで
生かされているということを
時には考えてみたほうがよいのでしょう

生かされている

有難いことです