Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

静寂

2006-11-30 | 
 以前四国に半年ほど住んでいた時、剣山に一人でいった
 誰もいないキャンプ場にテントを張った
 耳が痛くなるほどの静けさ

 夜中に目を覚まし
 寝ぼけ眼で外を見ると
 周囲を無かったはずの高い山々が取り囲んでいる
 ???
 よく見ると雲海であった
 
 空には ぽっかり浮かんだ月
 古の人が
 月を友とする詩をうたう気持ちが
 少しわかった

 翌朝 頂上から 御来光を拝んだ

自然の一部という実感

2006-11-30 | 想い・雑感
私の住んでいるのは地方都市
たまに大都会の夜を歩くと
ひと 人 ヒト
アスファルト 車 ビル
見上げても 区切られた空

自然なんてありゃしない
ヒトも自然の一部のはずだが
ヒト以外の自然がないので
実感が湧かない

ヒトとの関係がすべてと思われる都会の生活
歪みが出やすいのも無理はない

田舎に帰ると
ホッとする

少しは人口が減った方がいいのかも

前を向き 今を生きる

2006-11-28 | 医療・病気・いのち
 胃癌が再発した方に、抗癌剤を使用することが多い。私が医師になった頃は、胃癌に対して抗癌剤が効く等と言うことはあまり考えられなかった。時に再発巣が小さくなっても、その後以前にも増してあっという間に大きくなり、結局予後は変わらないと言うことがほとんどであった。
 
 しかし、最近では、効けば実際に予後が改善してくるようになってきた。以前なら3ヶ月から半年で亡くなられていたであろう進行度の方が、1年、時には2年と生きられるようになってきたのである。それも体調をそれほど犠牲にすることなくである。

 3種類の癌化学療法を行って効果がなかった方が、4種類目の治療方法でぐっと効果が出てきた。いつも穏やかな笑みを浮かべている方だが、実際に腫瘍マーカーが下がってきていると喜ばれているようだ。

 しょうがない。
 生きたい。
 無理かな。
 大丈夫かもしれない。

 心の持ち用は一瞬一瞬変わっていく。その一瞬を強く意識されているのだろうか、その方と奥さんとから絵はがきをいただいた。明るい色遣いの絵の横に、「今を大切に生きています。」との添え書きがあった。

朝焼け

2006-11-28 | 想い・雑感
紅緋色の空に
町並みのシルエットが浮かび上がる
きれいな 朝焼け

やがて始まる一日の序章

日の出に 
誕生や再生を重ねて見るこころがわかる

あと何回 
日の出を見ることができるのであろうか

こんな一日を繰り返し
時が
人生が
過ぎていく

老病同居

2006-11-28 | 医療・病気・いのち
病と老
なんとなく別に考えるが
その境界は 不鮮明である

齢を重ねれば
気がつかなくとも 体にガタが来る
そこが見つかり病名がつけば 病となる
年齢が高くなるにつれ 老も病も同居しているのである

どんなに元気に見える方でも
必ずどこか傷んでいる

80歳くらいになって癌が見つかった場合
手術が可能なら手術を受けるか
そのような体への負担が多い治療は受けないか
選択はなかなか難しい

80歳くらいになると
元気に見えても
ある日突然 脳卒中や心筋梗塞で亡くなることが珍しくない
だから
手術直後に脳出血で死亡する可能性もあるし
手術したところでわずかな寿命という可能性もある

そのへんのところをよくよく考えて
決断する必要がある

ただ いくら考えても 
自分がいつ死ぬかはわからない
100歳までも生きるかもしれない
誰にもわからないから
自分で決断するしかない

変節

2006-11-27 | 想い・雑感
筋を通す
などということは 時代遅れなのでしょうか

形あるものは いつかは崩れる
まして 人の心は すぐ変わる

しかし そんな心であるがゆえに
筋を通す ということに
ある種 美しさを感じさせるのだろう

それにしても 政治家さん
せめて たった一回の任期の間くらい
主張を変えずに 筋を通してもらえませんかね

次回の参議院選挙
あなた
そして あなたたちの党には
決して投票しませんから

--- 生きていたら ---

持ち時間

2006-11-26 | 想い・雑感
持ち時間

発表の持ち時間 例えば10分

講演の持ち時間 例えば1時間

一日の持ち時間 24時間

一週間の 一ヶ月の 一年の持ち時間

そして 人生の持ち時間

これらのことを念頭に置いて
今を生きることが 大切かな

アメリカは広い

2006-11-26 | 
アメリカのミネソタというところに2年ほど住んでいたことがある
ゴルフ場の料金がとても安いので そのころはラウンドしていた
一応 四季はあるのだが、8月に短い夏があったと思えば
9月下旬ともなれば落葉の季節

ゴルフ場にも落ち葉が降り積もり
ボールがすぐわからなくなるのでゴルフ不能となる
その後は 長く 寒い冬

同じ時期にサンディエゴへ留学していた友人がいたので
一度遊びに行った
12月中旬に行ったのだが
ミネソタとは全く違う ぽかぽか陽気
日も長い
ダンディエゴでは年中暖かで 年中ゴルフができるとのこと

同じアメリカでこの違い
広いねぇー

しかし アラスカだとミネソタどころではないのでしょうね

若年女性の胃癌

2006-11-26 | 医療・病気・いのち
 若い女性の胃癌は予後が悪い。

 若さ故健康への自信があるので、症状が強くなるまで診察を受けず、診断がついたときには進行癌であることが多い。

 癌の組織型が、未分化型のことが多い。粘膜下へ広がりやすく、深達度が深いことが多い。リンパ節転移が多い。腹膜から再発してくることが多い。

 などなど、理由はいくつか挙げられる。

 しかし、現代の20代や30代は、いかにも若すぎる。
 まさに幸せになろうとする時期。
 しあわせいっぱいの時期。
 子供にとってまだまだ母親の必要な時期。
 ちょうどそんな時期なのである。

 胃全摘を行った20代後半の新婚女性。

 術中所見では、腹膜播種や肝転移も認めず、主病巣もそれほど大きなものではなかった。しかし、病理所見では、リンパ管への侵襲傾向が強く、58個の摘出リンパ節の内、20個に小さなリンパ節転移が認められた。

 こうなってくると、郭清範囲より更に遠隔のリンパ節などに、検査で引っかからない小さな転移巣がすでに存在する可能性がある。

 その点をご説明し、抗癌剤の投与を開始することとした。少なくとも6クールは施行する予定である。その間は、妊娠は控えて頂くことになる。

 若いからといって、癌にならない保証などない。気になることがあれば、一度は検査を受けた方がよい。

絶滅危惧種

2006-11-25 | 想い・雑感
街路樹の銀杏がやっと色づきはじめた
例年より かなり遅いような気がする
2000年以上の歴史があると思われる24節季の表現も
近い将来変える必要が出てくるのではないだろうか

あと一月くらいで 冬至だと言うのに
まだ コートもいらない

国家間の戦争
宗教がらみのテロ

そんなことやっている間に
ホモサピエンス は絶滅するのではないか

いのちを保つ

2006-11-25 | 想い・雑感
手術という医療行為は 
その行為自体に 危険を内在している

手術を行うに当たっては
起こりうる合併症を
説明することになる

癌に対して手術を行う場合は
しなければ 治癒の可能性が極めてひくくなる
という 現実も影響しているだろうが
危険をおしてでも 手術を受け 生をつなぐという選択をする場合が多い

皆 そう簡単には死にたくないのである
この世と 自分自身と まだまだおさらばしたくないのである

そんな思いに少しでも応えられるよう
知識や技術を蓄え メスを持つ

その立場からすると
殺人、テロ、戦争
いずれも決して容認できない
まして 核兵器などとんでもない
ひろしま ながさき への原爆投下はどんな理由を述べようとも
大量殺戮に他ならない

核兵器を考えるときには
原爆資料館に展示された資料
書物に語られた 悲惨さ
そういうものと必ずリンクさせていただきたい

核を持つことではなく
核を廃絶していく方法を
考えて頂きたい

開発

2006-11-25 | 想い・雑感
 アーチ状の小さな橋が家の近くにあった
 それほど古いものでもなかったが 趣があった

 河川工事に伴い
 その橋が撤去され
 新しい橋ができつつある

 平らな普通の橋が できつつある
 なにか 虚しい

 開発は 凸凹を均し 平らにするものなのかもしれないが
 景色から 陰影を奪い去っていく
 深みを奪い去っていく

 現在の教育も 個々の違いを奪い去り
 その違いからくる 味わいや深みを 
 取り去ってしまおうとしているのかも しれない

あばよ

2006-11-25 | 想い・雑感
 「どう?塩梅は。」
 英語で言えば How are you?

 塩と梅(酢)による味付け具合を表すところから
 調子を聞く言葉に転用されだしたらしい。

 食に関係しているだけあって
 この言葉の中に いろいろな味わいがあるような気がする

 このような日本語の
 曖昧な部分を嫌う向きもあるようだが
 私は 大好きだ
 
 人生 すべてが割りきれるわけではない
 その人生を語る言葉が スパッと切れる方がおかしいのだ

 別れ際に言う
 「あばよ」という言葉の語源は
 塩梅良くから転じたとの説があるらしい
 元気でな、達者で暮らせよ
 との想いが込められた 別れの言葉なのだろう

 良い出会いとともに
 良い別れをしたいものだ

 個人にとっての究極の別れは
 この世とのお別れですけど

胃切除後の食事

2006-11-24 | 医療・病気・いのち
 胃の手術を受けた患者さんで、
「頑張って食べないと。」という方がおられる。

 私は、「頑張らないでください。」 という。

 頑張るのではなく、自分の調子に合わせて
 工夫して食べる必要がある。

 一日に必要な栄養を、一日かけて摂ればよいのだ。
 食事を分けて食べたり、
 栄養補助食品を利用したり、
 それで足りなければ、点滴を受けたり
 そういう風にしながら、少しずつ前に進めば良いのだ

 無理をして食べて苦しくなったりすると
 あと食べるのが怖くなり
 長い期間食べられなくなったりすることもある。

 無理は禁物。

袋小路

2006-11-24 | 想い・雑感
旅先の宿周辺で袋小路にぶつかることは少なくなった
でも 住宅地などでは
いまでも 行き止まりにぶつかることがある

人間の思考でも
どんどん深みにはまり
どうにもこうにも 抜けられなくなることがある

不安をかかえ
その不安がとてつもなく 大きく感じられたとき

何かを 手に入れたいと思い
それが無ければ
自分の幸せは無い とまで思ってしまったとき

どこかに あるいは誰かに 向けられた
怒りの納まりがつかず
その矛先が どこまでも先鋭化してしまうとき

絶望に 深く 沈みこんでしまったとき

そんなとき 周りが 見えなくなる
心が 袋小路から抜けられなくなる
ほんの少しでも 視点を変えられたら良いのにと思っても
なかなか 難しい

袋小路にぶつかれば
記憶をたどって 元にもどる
太陽の位置と時間で 方角の見当をつける
手元に 地図があれば それを見る
ノートPCがあればgoogle mapを開いてみる
などということで 打開を図る

心が行き詰ったときも
そんな 打開の光を 教えてくれる
人や本に出会えると 見晴らしが良くなる
何気ない言葉で はっと気づかされることもある

ほんとにちょっと視点を変えるだけで
開けてくることもある

行き詰ったとき
性急に結論を出すのは
止したがよい