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ぽかぽか春庭「見立てミニチュアライフ展 in 横浜高島屋」

2024-10-08 00:00:01 | エッセイ、コラム

20241008
ぽかぽか春庭アート散歩>2024アート散歩秋(1)見立てミニチュアライフ展 in 横浜高島屋

 9月28日、娘と横浜高島屋で待ち合わせ。「MINIATURE  LIFE展 2 田中達也 見立ての世界」を観覧しました。朝ドラ「ひよっこ」のオープニングタイトルバックに作品を出していた田中達也さんの「見立て」の作品です。
 ポスターになっている作品のタイトルは「お菓子な虹」

 高島屋の口上
 バームクーヘンが甘い虹に?目玉焼きが南の島に?田中達也のユニークな発想から作り上げられる作品の数々は、どれも思わず笑顔になるものばかり。2018年に横浜高島屋で開催した「ミニチュアライフ展」から作品を一新して、写真と立体あわせて約170点を一堂に展示します。
横浜会場限定の作品も登場!遊び心満載で皆さまをお迎えします。

 高島屋ギャラリーの展示場内には、田中達也のメイキング映像がありました。作品についての解説と田中の制作アトリエでの制作過程のふたつ。田中は「見立て」について解説していました。日本美術のモチーフの伝統として、田中はものを見立ててミニチュアを作り上げ撮影してきました。

 見立ては日本美術の重要な要素です。動物たちを擬人化した鳥獣戯画から若冲の野菜涅槃図まで。大根を見立てた涅槃の仏陀をさまざまな野菜たちが取り囲んでいる絵は、釈迦がなくなって皆が悲しみに沈んでいる画面なのに、野菜たちの見立てでユーモラスにも感じられます。死が終わりではなく、次への始まりであることの喜びでもあるという涅槃が荘厳されています。

 英語にも中国語にも日本語の「見立て」を一語で翻訳できる単語はない、と田中は言います。確かに、「比喩」の英語訳はできるけれど「見立て」は一語で訳すのは難しい。

 最初に展示されていたのは、ブロッコリーの木立。うん、これならわたしにも思いつくと感じたのですが、これは見立て発想の序の口。

 ポップコーンを入道雲に見立てる。


 歯ブラシを見立てて「臭かったので草刈った」。作品のタイトルは、ダジャレ尽くしです。子供もたくさんきていて楽しんでいました。


 バームクーヘンは自転車競技のレース場に。これからバームクーヘン見るたびに、自転車を置きたくなるかも。
 

 娘が作品がクリアファイルを買ったのは「ブルーウエイブジーンズ」がプリントされた絵柄。青いジーンズを見て、波に見立てようという発想がすごい!と。 
 

 「卵温泉」、これは温泉卵から発想しやすい。でも、荷物用フックを手漕ぎボートに見立てる発想はなかった。
 

 クリップを並べた空港の待ち合いいすは思いつけそう。でも板チョコの四角い区切りからドラキュラが出てくるって、絶対に思いつけない。
 

鎖を断ち切って脱出。 マメに地球にやってくる豆宇宙人はフライングカップソーサーにのってきた
 

 ホチキスの芯で組み立てた「芯よこはま」 各地巡回の展覧会の中、横浜だけの特別展示です。


 会場出口のグッズ売り場にはミニチュアフィギュアなどが売られていて、来年の夏休み工作のために買う親子も。
 私は不器用で細かいものを組み立てるのは苦手だし見立ての発想もないので、自分をミニチュアに見立てて、エターナルリングを雪ダルマに見立てたタイトル「永遠に溶けない愛」で撮影。

 

 会期終了9月29日前日の28日。会場は激混みでした。
 15時に会場について当日券を購入し、入場整理券をもらう。整理券入場時間は17時。娘と待ち合わせしたのが17時に会場入り口で、という約束でしたから、ギリセーフ。
 15時から17時まで2時間もありますから、まず6階の美術品売り場をぶらつく。美術品売り場のいいところ。作品に全部値札がついています。売られていた作品、こう言っちゃなんだけど、日本橋三越美術品売り場で見たときのほうが高値のものが多かった。三越では、リトグラフで1500万円というのが目についたけど、売っているからには買う人いるんだろうなあ、と思って横目で見ました。

 まだ時間はたっぷりあるので、屋上庭園へ。屋上庭園も日本橋三越の植栽のほうが庭師の腕がよさそうだったけど、横浜高島屋の屋上のよかったところ、「彫刻の森」のしつらえ。マリノ・マリーニの作品がありました。

 マリノ・マリーニ「コンポジション」
  
 
 屋上のベンチでコーヒータイム。夫から回ってきた東野圭吾の文庫を読む。夫が「新刊で出ていたから文庫買ったんだけど、単行本で読んだやつだったから文庫あげる」「この『透明な螺旋』単行本回してもらったから私も読んだけど、もう一度読むからもらっとく」と電車の中で読んだ。半分くらい覚えていたけれど、湯川ガリレオ教授の実の母の話とか忘れていた。
 
 「透明な螺旋」は。一人で育てられず捨てた娘が、子を一人で生み一人で育ててきて早死にした。孫娘の幸福を守ろうとする祖母の話。「透明な螺旋」をほぼラストまで読んで、17時になって娘と入場列に並ぶ。いつも母親がすることに文句たらたらの娘が言う。「こんなすごい混みようだと思わなかった。最終日前日だけど、普通の美術展のようなつもりで来たら、見込みがはずれた。ふたりして17時に来ていたら、チケット販売中止になっていたんだから、横浜まで電車で来ても入場できないところだった。母グッジョブ」

 昨日、テーブルの上に載せてあったモヘヤ毛糸のマフラー。「こんどはなくさないように」というメッセージつき。3月に札幌に行ったとき、娘が編んだマフラーを落としてしまって、「せっかく編んであげたのに、大切にしない母にはもう作ってあげません」と、いつも「ものを落とす、どこかに置き忘れる」連続の母にあきれていた娘でしたが、急に涼しくなったので、新しく編んでくれたのです。
 娘のお気に入りのキャラデザインのお皿を割ってしまったり、スケートショウ限定販売ポーチにヘアダイ液をとばしてしまって気づかないでいたり、毎度失敗ばかりの母でしたが、田中達也展チケットゲットは娘の役に立ってうれし。

 高島屋のローズレストランで、娘は季節のプレート私は「サンマー麺セット」を食べながらミニチュアの感想を語り合う。「見立てのアイデアがすごい」と、意見が一致しました。
 キャベツの玉を見ても、私にはこれを気球に見立てようという発想がない。


 混み混みだったけど、楽しく観覧できました。
 

<つづく>
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