HageOyaji通信

進路指導ガイダンスの一環として、高校生が≪生き切る力≫を持った自立型人間へのアドバイス、サジェッション・・・になれば

第377話≪モノ作り日本に忍び寄る「レアメタル不足」とは??≫

2007年03月26日 | 時事用語
 高校生のみなさん、(^◇^)ノ お~ぃ~ゲンキか!

 みなさん、今日発売の日経ビジネス(2007年3月26日号)に、第2特集≪レアメタルを再創せよ≫が掲載されています。そこで、今回の時事用語に「レアメタル」を取り上げてみました。

 携帯電話や自動車にも多くのレアメタルが使われており、モノ作り日本に忍び寄る「不足」の事態が起こっているのです。尚、銅や鉄などは、レアメタルと対比してベースメタルと呼ばれています。

 みなさんが肌身離さず持っている携帯電話には、多くのレアメタルが使われています。携帯電話のアンテナにはGa(ガリウム)、液晶画面にはIn(インジウム)、基盤にはPd(パラジウム)Au(金)、電池にはCo(コバルト)などが使われていますよ。


 先ず、レアメタル(希少金属)とは、
 世界的に生産量が少ない、31種類の金属の総称。

     

 上記の元素周期表の青い部分がこれに当たります。そのうちレアアースはSc、Y、Laなど17元素を1種類と数えます。一般的にレアメタルと呼ばれている元素は31種類あり、他の元素と合金を作って、これまでにない性能や機能を持つようにできることに特徴があります。レアメタルはこのような特性を利用して、家庭用品から産業機械・ハイテク分野に至るまで幅広く用いられており、我が国の産業にとって欠くことのできない重要な原材料の一つになっています。


 レアメタルが幅広い産業の根幹を支えていますが、「備蓄対象」と「要注視対象」に指定されている金属があります。

   「備蓄対象
    ・Ni ニッケル(ステンレス鋼、特殊鋼、メッキ)
    ・Cr クロム(特殊鋼、耐火煉瓦)
    ・Mn マンガン(乾電池、ペンキ、肥料)
    ・Co コバルト(リチウムイオン電池、磁石)
    ・W  タングステン(電球フィラメント、電子部品)
    ・Mo モリブテン(顔料、特殊鋼)
    ・V  バナジウム(高張力鋼、触媒)

   「要注視対象
    ・Nb ニオブ(工学レンズ添加剤、超伝導材料)
    ・Ta タンタル(コンデンサー、電子機器フィルター)
    ・Sr ストロンチウム(磁石、セラミックコンデンサー)
    ・Pt プラチナ(自動車触媒、宝飾品)
    ・Ga ガリウム(発光ダイオード、太陽電池、集積回路)
    ・In インジウム(液晶パネル用透明電極、歯科合金)
    ・Re レアアース(磁石、蛍光体、電池、研磨剤)

 日本のレアメタル消費量は世界の約2割を占めていると言われています。このレアメタルの生産国は、1国で9割もシエアを持っているところもあります。レアメタルは、南アフリカ、ロシア、中国が主な生産国です。
    例えば、
    ・プラチナ(南アフリカ 78.0%)
    ・パラジウム(ロシア 44.4%)
    ・アンチモン(中国 85.9%)

 レアメタルが希少な理由は、
     ・地球上の存在量が少なく採掘のコストが高い
     ・単体として取り出すことが技術的に困難
     ・金属の特性から製錬のコストが高い

 そこで、最近日本のあちらこちらで、家庭で不要になった小型電気機器を回収する運動が広がっています。例えば、秋田県大館市では、「こでんちゃん回収ボックス」を設けて、各家庭で不要になった携帯電話、MDプレイヤー、パソコン周辺機器、携帯ゲーム機などを回収しています。

 これからも「レアメタル」のリサイクルビジネスがどんどん増えてきますことを、HageOyajiは期待しています。

 最近でも「レアメタルが禁輸になる日」「文科省と経産省が希少金属確保に向けて協調」などの特集も組まれていますので、クリックして、お読みください。