医科栄養学・栄養医学ブログ

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寄生虫(T.gondii)と統合失調症の関係について 日本ビタミンC研究会 栄養医学ブログ

2014-11-16 12:34:50 | 健康・病気

統合失調症は、その原因がいろいろあり、遺伝や環境など多くの因子が、統合失調症の診断リスクを高めると報告され、統合失調症の家族歴などのいくらかは、土壌、加熱処理していない肉、それに猫などの大便などにより伝染した寄生虫(トキソプラズマ)の感染など、他の原因であることが報告されており、未だに懐疑的に見られております。

ペンシルバニア大学のGary Smith博士らは、トキソプラズマ・ゴンデイ(T.gondii)の感染によると考えられる可能性がある統合失調症の症例の割合を、疫学的モデルの方法を用い、研究しました。その結果、統合失調症の症例の約5分の1がT.gondiiと関係していることが示唆されました。今までは、統合失調症は、代謝異常、脳の炎症、脳のアレルギー、それに遺伝的にある種のビタミンの大量必要性などが原因と報告され、寄生虫に関しては、報告されていませんでした。

トキソプラズマの感染は普通のことで、米国では、人口の5分の1以上が、T.gondiiに感染していると言われています。その原因の一つ十分加熱していない肉の摂取も関係しています。また、日本では、生の魚貝類の摂取も関係しています。例えば、女性が妊娠中に始めて感染したなら、胎児は死亡するか、重大な発達上のトラブルに苦しみます。また、免疫システムを弱めるHiVや他の疾患患者は、トキソプラズム脳炎と呼ばれる、T.gondiiの感染による合併症をもたらす、と報告されています。

長い間、T.gondiiの感染は有害な作用をもたらさないと信じられていましたが、最近の研究によると、筋肉だけでなく、脳にもその寄生虫が見出され、統合失調症だけでなく、やっかいな影響をヒトに与えることがわかりました。また、他の研究では、いくつかの抗精神病薬がその寄生虫の繁殖をストップさせることが証明されました。さらに、マウス、ラット、それにヒトでの研究では、T.gonndiiの感染は、行動と人格の変化の引き金をなることを示しています。

この関係を研究すべく、Smith博士らは、分画、あるいはPAFが原因と考えられる人口群を算出すべく、詳しく調べました。T.gondiiの感染がないなら、PAFは人口群で統合失調症が発症しない比率となることを明らかにしています。いずれにせよ、新しい研究なので確認のため追試が必要、と考えられます。

References
Parasite-schizophrenia connection: one-fifth of schizopherenia cases may involve the parasite T.gondii: ScienceDaily.Oct 29,2014
Gary smith: Estimating the population attributable fraction for schizopherenia when Toxoplasma gondii is assumed absent in human populations. Preventive vetennary Medicine,2014

なお、当方の栄養医学ブログ記事は、ブログアドレスnutr-blog.blogspot.comとblog.goo.ne.jp/h35p39の両ブログで発信しています。