医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

認知症とビタミンについて その二 栄養医学ブログ

2012-02-03 15:51:55 | 健康・病気

日本は超高齢化社会になり、生活習慣病や認知症など高齢化が関係している疾患の栄養医学的対策が喫緊の課題となっています。これらの疾患には栄養医学的対策がベストで、認知症の最新研究を参考に、対策を考えていきたいと考えています。

ホルモン様ビタミンのビタミンD(VD)と天然型ビタミンE(VE)は,認知症のリスクに影響している可能性があります。オークランド大学やExeter大学の研究によると、血中VD値とVE値は、認識機能の低下のリスクとつながっているようです。

ある種のビタミンなどがアルツハイマー病のリスクを含む、認識機能の低下の始まりに役割を果たす可能性があることを、研究は明らかにしています。太陽ビタミンと呼ばれているビタミンDの血中低値は、認識機能の低下のリスクを増大さす可能性があることを、研究は暗示しています。また、ビタミンEが豊富な食物の摂取は、アルツハイマー病を含む、認知症のリスクを低下さすのに役立つことを、別の研究は示していますが、これらは研究がさらに行われることが必要です。なお、VDやVEは脂溶性で、体に蓄積しやすく、過剰摂取に注意しなければいけません。適正量の摂取は有益です。

65歳以上のヒトでのVDの研究では、血中VD値の低値のヒトや25ナノモル/リッター以下の血中濃度のヒトは、6年間の研究の間、一般的認知能力の6%の低下を示すようです。また、血中VD値濃度が十分であるヒトより、31%程、計画したり、組織したり、物事を優先する能力の低下を示すようです。

また、Andrew Grey博士によると、心臓疾患、ある種のガン、統合失調症、糖尿病、骨粗鬆症、いくつかの自己免疫疾患に対するVDの有効性に関する研究が行われていますが、更なる研究が必要です。しかし、VDの血中低値と多くの他の疾患との関係が報告されています。いずれにしてもVDは大変重要なビタミンです。ヨーロッパや米国では、老人の40%から100%がVD欠乏症である可能性があります。なお、冬場は、北国では太陽に良く当たりましょう。

VD値の血中低値は、新しい認知機能に関する問題点のリスクの増大と関係していることを、David J.Liewellyn博士が証明しました。しかし、脳を保護するVDの最適摂取量は、現在わかっていません。

衰弱し、老化した黒い皮ふをした人達では、診断で指示されるなら、VD値は測定されるべきです。太陽に当たらない人はVDを摂取するのが賢明です。なお、肝油ドロップにはVDとVAが含まれており、当方もおいしいので食べ過ぎに気をつけています。また、ガン患者などは5000国際単位/日、程を摂取していますが、認知症患者では1000国際単位/日ぐらいがいいのではないかと、考えられます。更なる研究により、仮説が証明される事を祈っています。なお、腎臓障害や他の疾患を抱えている人は、栄養医学に詳しい医師に相談下さい。 

 

References

Vitamin D and E May Affect Dementia Risk: Laura J.Martin, Brain &Nervous System Health Center,WebMD

The July 12 issue of the Archives of Internal Medicine

筆者の栄養医学ブログは、ブログアドレスnutr-blog.blogspot.comとblog.goo.ne.jp/h35p39の両ブログでアップデートしています。