医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

糖尿病とビタミン・ミネラルについて そのニ 栄養医学ブログ

2011-04-15 20:13:24 | 健康・病気

近年、糖尿病とトランス脂肪酸の関係が注目されています。ヒトがトランス脂肪酸やその他の、多くの悪い脂肪を避けるならば、ニ型糖尿病はいつかは改善するようです。なぜなら、悪い細胞(細胞に硬い脂肪が付いた細胞)が死滅した時、良い脂肪でできた新しい細胞に置き換えられます(食事で良い脂肪を摂取した場合、EPAやDHAなど)。しかしながら、このプロセスは多くの細胞が存在しているので、入れ替わるのに数年かかるでしよう。しかしながら、このプロセスはを早める方法があります。それは、悪い脂肪を避け、良い脂肪と特に水溶性オメガー3脂肪酸で体を満たすことです。ニ型糖尿病は大変治療しやすい病気です。治療するには7~12ケ月かかります。すべてのトランス脂肪酸、すべてのマーガリン、すべてのcanola oil,すべての水素添加された油、それにペストを避けるように、悪い脂肪を避ける必要がある、という報告があります。そして、よい油のオリ―ブ油、亜麻油、バーター、有機動物、植物の油、ココナッツ油に変更すべきと、考えます。その理由は、トランス脂肪酸が細胞の膜にこびりつき、細胞の膜の柔軟性を阻害し、グルコースが細胞の膜にしみこみ、中に入れなくします。良い脂肪はそのようなことをしません。

ビタミンC(VC)とビタミンEは、糖尿病患者に対し、より綿密に調査されているビタミンです。フリーラジカルは細胞にダメージを与える不安定な酸素分子です。それは、次々にガン、心臓病、それに神経疾患をもたらします。ニ型糖尿病に対しビタミンCを2000mg/日を与えた1995年の研究では、血中グルコ―ス値と脂肪値(コレステロ―ル値とトリグリセライド値)の改善が見られました。ビタミンEの400国際単位/日より多い量の摂取では、害があるかもしれません。必要ですが、それより少ない量の摂取が賢明と考えられます。800国際単位/日より多い量では、高血圧患者で脳卒中のリスクが高まり、凝血を防ぐ薬剤と拮抗する可能性があります。しかし、VEはVCと協働して代謝の改善をしているので、必要です。さらに、VEはニ型糖尿病のコントロ―ルの一助となります。

次に、糖尿病でのクロムの推薦投与量は50-200μg/日です。ビタミンB複合体を150,000国際単位/日より多く摂取する糖尿病患者は、より健康な血液を経験し、病気に対する抵抗力が増強します。栄養ビタミンサプリメントに加え、肉、酪農製品、卵、ビール酵母、豆、それに全粒小麦・米等もVB複合体の供給源です。VB1は、糖尿病患者が摂取する場合、特に有益です。VB1は患者にとって、もっとも希望のあるビタミンの一つです。それは、糖尿病性アシド―シスによる脳のダメージを防ぐのに有益です。糖尿病患者が、インスリンの摂取が必要になればなるほど、VB1がますます必要になります。多くのサプリメントは処方薬に拮抗し、その効果を強めるか、弱めるかの原因になることもありますので、薬剤師に相談ください。

Tufts大学の研究によると、ビタミンDとCaの併用投与は、高危険率を有するニ型糖尿病群において、予防的役割を有します。より多くのCaとVDを摂取することは、糖尿病とその合併症を防ぐ良い方法になります。また、VDはヒトのインスリン感受性を増強します。VD欠乏はインスリン合成と分泌の両方を悪くします。

バナジウム、Mg, 亜鉛、それにビタミンC等これらすべては、理論的にはインスリン感受性を増強し、グルコ―ス代謝を促進し、糖尿病を改善します。玉ねぎ、ニンニクは、いくつかの研究では、血糖値を下げることが、明らかになりました。果物は良くないといわれていますが、生の果物は、酵素を多く含んでいるので、逆に、糖尿病患者に良いという報告もあり、プル―ン、ラズべリー等のベリー類、それに夏ミカンのように甘くない果物も安全と言われています。

VCのマウスでの長期投与は、糖尿病性網膜症進行抑制効果が見られたという、研究があります。また、糖尿病は骨格筋の代謝異常であり、運動によって筋肉の強化が望まれる、という報告があります。さらに、体を冷やすこともよくないので、ショウガ、ネギ科の野菜が温めてくれます。

発酵食品は、ビタミンやミネラルを含むだけでなく、乳酸菌やビフィズス菌を含み、腸内環境を改善するため、糖尿病の改善に有益と、報告されています。

 

References

Cancer Tutor Home Page, The Cure for Type2diabetes.

Microvasc Res. 2007;74:32-8.

児玉桂三、最新栄養学、同文書院

なお、当方の、別の栄養医学ブログ記事は、nutr-blog.blogspot.comでも発信しています。