グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

トカゲの不思議

2014年09月19日 | 哺乳類、爬虫類、他
打ち合わせやら、海の店の雑用やらで、慌ただしく過ぎ去った1日…。
フィールドを歩く間もなく夜になってしまったので、今日は以前から「この場で共有したい!」と思っていたトカゲに関する情報を報告します。

今年の8月9日の願法のブログで、イタチにパクパク食べられていたオカダトカゲ。
http://blog.goo.ne.jp/gscrikuguide6/e/9c694844bcf5f43ac1d3069c907ab4fc
ずっと以前から、大島のトカゲはなぜイタチと共存できているのかが不思議でした。

三宅島では「ネズミ駆除のためイタチを移入した結果、オカダトカゲが激減し、絶滅の危機に瀕している」という話しを聞いていたからです。

でも大島では、元気に暮らすオカダトカゲの姿を見ることができます。
(これは、2年前の8月に撮った写真です)

なぜ大島のトカゲはイタチがいても、生きていられるのでしょう?
 
その理由を、生態学専門家の長谷川雅美氏http://www.lab.toho-u.ac.jp/sci/bio/geoeco/research/hasegawa.htmlに、Facebookを通して教えてもらいました。

「大島のオカダトカゲがイタチがいても生き残っているのは、三宅島等に比べ、オスもメスも性成熟が早いということ、毎年繁殖する事、卵が小さくてたくさん産んでいるということ、の3点ですが、警戒心もほかの島よりは強化されていると思います。」

なるほど…。伊豆大島のトカゲは、昔から敵がいる環境で暮らして来たことで、生き残る術を身につけて来たのですね。

それに比べ、ヘビやイタチなどの捕食者がいない環境でノンビリ暮らして来た三宅島のトカゲは、捕食者が突然現れると適応できなかった…ということのようです。

さらに興味深いことに、八丈島では元からいたオカダトカゲが減少し、人が持ち込んだニホントカゲが増え、混血も生まれているとか…。

八丈島では、幼体の頃のオカダトカゲの体色は、大島と全然違うようです。
https://www.kankyo.metro.tokyo.jp/nature/attachement/okadatokage.pdf

大島は、小さい頃からこんなにクッキリしているのに…。

もっとも、ニホントカゲとオカダトカゲは体鱗列数が26列か28列かという違いで、外見上からは、ほとんど区別がつかないようです。

こうなると「大島のトカゲは本当に全部、オカダトカゲなのか??」という疑問も湧いて来ます。ううむ~、1個わかると、2個わからないことが増える気が…(笑)。

「?」は、つきることがありません。

(カナ)



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2 コメント

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かまじっこ (トカリン)
2015-07-13 21:31:17
お久しぶりです。
ニホントカゲ大好きなトカリンです…ってコメントしたの大分前だから忘れてるかな
八丈島にニホントカゲが定着しているのは自分も知っていますが伊豆諸島のスキンクはオカダトカゲオンリーでいい!
しかもオカダトカゲとニホントカゲはかなり近縁種で競合や交雑が懸念されますよね。
トカゲファンとしてとても悲しいことです。
返信する
固有種って・・・ (カナ)
2015-07-14 22:42:14
トカリンさん、こんばんは!

大島のオカダトカゲと言われているものとニホントカゲは外見そっくりなので、本当のところは区別つきません・・・。鱗の数数えたことないし~。

島で分化したものが、島でまた他の種と交わるなんて・・・不思議すぎます!
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