グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

富士山 宝永火口や5合目周辺の植物たち

2023年07月16日 | 植物
一昨日のブログの続きで、今日は富士山の宝永火口や5合目周辺で見た植物編です。

富士山の森林限界は、標高2500m付近。
宝永噴火の第1火口と第2火口周辺のコースは、行きは森林限界のギリギリを歩き、帰りに森の中を帰るという「一粒で2度美味しい」コースでした。(森林限界とは、気温や湿度などさまざまな環境の影響を受けて高い木が育たず、森林が生育できなくなる境界のこと)

で、その森林限界より上の景色は、こんな感じ。

岩陰には、大島にいっぱいあるシマタヌキランより、ずっと細身のコタヌキラン。

これに比べると、伊豆大島のものは葉が短いし、茶色の花もフサフサです。
下は今年の3月、裏砂漠で撮った写真ですが

ずいぶん雰囲気が違いますよね?

こちらは、イワツメグサ(たぶん)。

白い花が、光の反射でまともに撮れていませんが、高山の礫地に多いらしいです。
大島は礫地はいっぱいあるけれど、高山ではないから初対面❣️
(ちなみに、森林限界の2500m以上を高山とすることが多いらしいです)

岩の隙間から生えるカラマツ。

場所によっては、群生していました!(斜めの濃い緑のラインは、たぶん全てんカラマツ)

ほかの高山ではハイマツが生えているのが普通で、カラマツが群生するのは珍しいらしいです。
「なぜそうなったのか?」は、富士山が活火山であることと関係しているようです!(こちらのページ参照

「なんじゃこりゃ?」と思ったのは、ミヤマオトコヨモギ(たぶん)。

これも高山の礫地に生きる植物らしいです。(大島のヨモギと、随分雰囲気が違います〜)

尖ったトゲみたいなものが、伸びていた植物。

正体はミヤマヤナギ(ミネヤナギ)らしく、六合目は背丈30~40cmですが五合目付近では1~2mになるのだとか。

一番興味深かったのが、「いつか見たい」と思っていた「オンタデ」の存在です。
伊豆大島の裏砂漠や1986年溶岩流などの上で、天下をとっているハチジョウイタドリの代わりに、ここではオンタデがあちらこちらに生えていました。

で、写真を元に、大島のものと比べたりしている間に、かなり深掘りしてしまい・・・
これについては長くなるので後日、別にまとめたいと思います。

帰りの森林では、大島では見ることのない針葉樹(トウヒかな?)の若葉がキュートで、思わず激写!(笑)

こちらも、なんて素敵なデザイン!

ウラジロモミかな?

森の中の地面は、細長い緑の葉を持つ植物に覆われていました。

「誰だろう?」と不思議に思いながら周りを観察したら、数本だけだけれど、コタヌキランの細い花が、まだ残っていました。
富士山では、礫地に生きるコタヌキランが、光の少ない森の中でも生きていけるのでしょうか?
それとも別の植物??

森の中に溶岩が高まりを作っていて、知り合いに会ったように感じて、心がトキメキました。

😀

紫色が美しい、タカネグンナイフウロ。

下向きに咲いてメシベやオシベだけグンと前に突き出させているのに、咲き終わるとフツーな感じなのが面白い!

こちらも、初対面でした〜!

最後はシロバナヘビイチゴ。

「珍しいもの」という認識はありませんでしたが「日当たりの良い深山の高原や草地に自生する」とあるので、たぶん初対面かも…。

同じ粘り気のない溶岩を流す火山なのに、全ての植物が初めて会うものばかりで興味は尽きません。
いつか、また行きたい〜!!

(かな)
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« マキノセンニュウ | トップ | 早起き? 遅起き? »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

植物」カテゴリの最新記事