グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

初登場アカスジキンカメムシ!&地震&噴火が近づいたらしたらどこまで入れるの?の話。

2017年06月02日 | 火山・ジオパーク
タイトル長い!
紹介したいこと盛りだくさんなんです。

先週紹介した、ルリタテハの幼虫。大島ではおなじみのサルトリイバラの葉を食べます。
この葉があるか近所を散策していたところ、とんでもなく美しいカメムシに出会いました!

裏っかわもキレイ

なんでも連れて帰るのもどうかと思うのですが、あまりにキレイなので観察したいし、おうちにお招きしました。
派手で美しい昆虫を見つけるとすぐ、新種か!!と思う癖があるのですが(笑)、
たぶん新種発見ってもっと地味な種や、既知の種に似て間違われていたものであることなんですよね。
調べたらすぐに出てきました、アカスジキンカメムシです。
グローバルのブログ初登場です!

キブシ・ヤシャブシ・ムラサキシキブ・アオキなどの広葉樹の葉や果実の汁を吸う、とのことで
果実の汁ならごちそうあげるよ!とビワの実を上げてみたのですが見向きもされず。
オオバヤシャブシをあげてみたところ、球果に口針をさしてちゅうちゅうし始めました!!
汁、、、出るんだ!


ヤシャブシはじめ、いずれも大島の中ではかなり多い植物なのに、キンカメちゃん、あまり見かけないのが不思議です。
個人的にはもっと個体数増えてほしい!


あ、そうそうルリタテハさんが最近こうもりに変化しました。



ちゃんと耳も目も鼻も折りたたんだ羽もあるでしょ。

ちょっと鼻が高めのこうもりさんです。

実はまだまだ紹介したい子がいるのですが、また今度にしてそろそろ火山活動の話を。

4月分の報告です。
噴気量・温度に目新しい変化はないですが、地震は4月9日~10日にかけてごく小さいながら身体に感じる地震があって島内放送されたり、5月22日には私も体験しましたがかなり強い揺れを感じて、前回ブログで書いたようにNHKの速報で出たりと動きが見られます。

特にこのブログを読んでいる島内の方で心配されている方もいるかもしれませんが、いずれも
火山性“微動”ではなく火山性“地震”なので心配ないそうです。
……意味わかんないですよね(笑)

説明します。火山性微動と火山性地震、ただ大きさの違いを表してるように思えますが、地下で起こってることが違う、別の現象のことをさします。

火山性「微動」は、地下のマグマやガス、熱水などの移動が原因と考えられており、噴火に伴う微動もあります。
つまり直接噴火に関連するタイプの揺れ、と思ってもらっていいと思います。
地震波としては、震動が時には何時間も継続する、始まりと終わりがはっきりしない波形の総称です。


参照:http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/monthly_v-act_doc/sapporo/03m06/100_03m06memo.pdf

火山性「地震」は、地下で何かの破壊現象が起きてできます。
大島は膨張と収縮をくりかえしながら長期的には膨張していってるのですが、この膨張しているときに微妙な隙間ができて地下の一部が小さく崩れたり、石が割れたりした衝撃で揺れたりする、
今回はこのタイプなので、マグマがからんでない=噴火につながる地震ではない、ということなのです。

正直、わかりにくいわ!と私も思いますが(笑)、これを知ってるだけでも、余計な心配をしなくて済みます。
ぜひ毎月の火山活動解説資料を読んでみてください。
意味がわかってくると面白いですよ!
http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/monthly_v-act_doc/tokyo/17m04/317_17m04.pdf

読み取り方はこちらも参考にどうぞ
気象庁平山さん勉強会の報告その1

噴気を読み解こう

低周波地震については私もまだ理解していませんので、今度の時に詳しく聞いて報告したいです。

そして気軽な会なので、気になったら気軽に火山勉強会にもお越しください!
勉強会という名前が固くてイカン!と言われたので、名前はしれっと変えるかもしれませんが(笑)
次回は6月28日(水)19:00~21:00町役場大会議室
6月のみ諸事情で水曜ですが、その他は毎回第4火曜日です。

毎回、毎月の火山活動の結果報告と、トピック的な話題を提供してくれますが、
今回は「つるし雲」についてと、「噴火警戒レベルがあがったらどんな規制がかかるの?」ということでした。
これはガイド業としても重大ニュースです。

30年前の噴火の時は、最初噴火を観光資源に!と町も総出で観光客を呼び寄せて山頂口はお祭り騒ぎだったとよく聞きますが、今回はどうなるのでしょうか。

現在噴火警戒レベル1。
先述の火山性微動が頻発したり、明らかな温度上昇、もしくは山頂付近で小規模な噴火があると、2に上がります

その時はここまで立ち入りが可能です。

明確な説明はなかったので読み取ると…いつも立ち寄る30年前の溶岩流の先端へは…行けますね!(間違っていたら教えてください)
温泉ホテル、またその先の裏砂漠へはばっちり立ち入りできますね。

そして30年前の噴火の最初の頃のように、カルデラの中だけに影響を及ぼす噴火の場合、3にあがって、立ち入り規制がこのようになります。


30年前にみんなが夜な夜な訪れ写真を撮った御神火茶屋などは…
状況により退避準備もしくは退避だそうです。


カルデラの外まで溶岩流が流れるレベルまでいくと、レベル4
これは島外避難を検討するレベルですね。

詳しくは「伊豆大島火山防災協議会」で検索するとトップで出てきます。
わりとわかりやすく読みやすかったので、ぜひ。
はじめに、大島のこれまでの噴火の歴史もわかりやすく載ってるのも興味深かったです
http://www.bousai.metro.tokyo.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/003/342/ooshima_hinan.pdf


正直、30年前の教訓を踏まえて、また時代の流れで、もっと厳しく入山規制が行われるかと思っていました。
でも次回の噴火、きちんと自分の目に焼き付けることができそうで、安心しました。
でも人に迷惑をかけず自分の身を守るために、そしてそのすべを人に伝えられるために防災意識と知識をきちんと身につけておく事も大事ですね。

そして必ず訪れる噴火の兆候が顕著になり始めたらしばらくは、三原山のガイドはできないことになります。

講師の平山さんがいいことを言っていました。
「大島は三原山だけが見どころあるジオサイトではない。海岸沿いやたくさんの魅力的なジオサイトがあるので、これを機会に積極的にそれらに案内し魅力を伝えていったらどうか」
と。
なるほど!!
ということで、実際連れて行ったらとても感動してもらえた、という話はまた今度。(あい)

コメント
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